皆さま 前回の研究会で、「実在性」について、議論になりました。以下に「実在性」について、田原先生がどう述べていられるかを、「ニューズレター」等から抜粋してお伝えしますので、「実在性」についての話し合いの際、参考にしていただければと思います。
<「――プレゼント」より>
事典2 「具象」とは、「形」「形態」のことです。目で見て触知できる実在性を言い表すのが。「具象」です。
方向……対象が遠くの位置にある時、目で見た対象に向かって一直線に近づいて接触すること。この接触が触知する「第二の性質」が意味である。対象の実在性を認知すること。
<ニューズレター(第1期・100号)より>
◎ノートなりメモに書くこと・・・「人参というもの」の「もの」の名詞の実在性を説明する。
●ゲシュタルト形態の「同一性」「共通性」「類似性」。
●このうち「同一性」を「人参の実在性をよく説明する定義から説明する」。
●「同一性」・・・「セリ科の根菜、根は長円錐形、色は赤・黄色など」「ベータ・カロテンの富む、根、葉は食用」
●この「同一性」の意味の「同じ」という「1対1の対応」を基準にして「「もの」の「共通性」と「類似性」をノートなり、メモに調べて書く、この書いたものも説明する。
<ニューズレター(第1期・420号)より>
「なんですか?」に答える正解は「手で洗うかわりに計量した大量の米を炊飯の前に、短時間で洗う装置」です。
これは、辞典にも載っているのと同じ「洗米機」の言葉の意味です。名詞文で答える、説明することで成立します。
定義ともいいます。今、現に、目で見ているかのような視覚のイメージが脳に思い浮かぶ、ということを特質にしています。
このイメージが「洗米機」という名詞の「実在性」といいます。
「実在性」とは、哲学の言葉です。フッサールが説明しています。
人間の意識になって「思考をつくる」、という構造を説明する言葉が「実在性」です。
●「実在性」とはどういう意識になるのか?といえば、誰が見ても、なぜ、こういうものがあるのか?という成り立ち、事情、という根本的な性質が共同性の中での「認知」になるのです。
「目で見て」という視覚のイメージを脳につくる、ということがポイントです。
<ニューズレター(第1期・1047号)より>
●人間の行動には「基準」というものがあるのだ、ということを説明しています。
●基準とは、人間の外にあるのではなくて、人間の脳のなかにあります。
◯空間意識といいます。視覚の機能の「第一の性質」の認知、認識が空間意識の表象です。
◯外化といいます。
おおきくは共同性のことです。人間的意識からみれば「共同意識」のことです。
老人、病人、子ども、など人間であれば誰でも脳におなじように構造的にもっているので、人間は、同じように扱われるのです。
この「空間意識」を行動の対象に特定したのが「名詞の言葉」です。
しかし、ただ名詞というだけでは、行動のための記号に変形させられて、そこで「対象」の認知にバイアスが生じるので、対象の永続性、耐久性を説明する「実在性」だけを本質にして言い表したのが「概念」です。
2023.6/4 青山恒久