大根
次回6月24日(土)の研究会では、名詞文の題目として「大根」が取り上げられることになりましたので、田原先生が「大根」について記述された内容を以下に提示してみることにしました。その理由は、田原先生が記述された内容が、「大根の名詞文」の話し合いの基準になると考えるからです。下記の内容は、令和3年11月度の「月報」の一部です。
「大根」は普通名詞です。この「大根」の名詞文を書くというときは、「大根」の本質となる「意味」を正しく知る必要があります。
ここで「意味」とは、二通りの内容があると理解することが重要です。
例…「大根」の二通りの意味とは?
一つめ…形(長さ、円形)
型(太さ、円柱型)
二つめ…食材としての性質、交換価値(成分、栄養価、保存期間による有用性など)
この二つの「意味」をひとつにまとめて言い表すとそれが「大根」の変わらない特質を言い表すことになります。この変わらない特性が「大根」の定義です。この定義が「概念」です。
フォームで名詞文を書く初めに「もの」と「こと」の名詞文を書いてくださいと伝えています。
だから「大根というものは、直径5センチから10センチくらいの太さで、長さは20センチから30センチくらいの根菜である」と言い表されます。
「こと」の「名詞文」は、「大根は根菜の食材である、外皮も中身も白色で、水分、せんいが多くジアスターゼ、ビタミンCを含み、生では数日で腐敗するので干すとか漬けるなどの加工した食材も大根だとされる野菜のことだ」と言い表されます。
この「もの」「こと」の二つの名詞文も「概念」を説明しているので、「概念思考」の基準をつくっていることを理解しましょう。
「概念思考」とは、「もの」(形、型、場面)を意味とする対象の説明か、もしくは「こと」(大根の例でいうと「大根の性質」「大根の有用性か交換価値」)を意味とする対象(大根)の説明か、のいずれか、もしくは両方のことをいいます。
この「もの」と「こと」のいずれか、もしくは両方が「概念」です。(以下省略)
青山恒久