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インターネットが一般的に なる前と後では、 日本人の心・精神の病は ガラリと変わった。 どんなに精神が 不調でも「なんとか立ち 直ろう」という考えが あった。 「ネット検索」を おこなうようになると、 脳の中に「バーチャル」 (仮想空間)を つくって、この中で 要介護状態の「中核症状」に 陥っている。 あちら側に渡っている。 対策を教える。
《相談の事例・わたしは有名な国立大学を卒業しました。就職しましたが、1ヵ月で退社しました。今、家の外に一歩も出たくありません》 (河野健三郎(仮名)、40歳、無職)
わたしは、有名な国立大学を卒業して、高い競争率を突破して有名企業に就職しました。 しかし1ヵ月で退社しました。大学のころはなんでもなく憶えて、試験も好成績を収めたのに、就職して仕事の説明を受けると、その説明の言葉がまるで憶えられないのです。 自分ではちゃんと憶えているつもりなのに、そこが違う、ここも違うと指摘されます。わたしは、うんざりして辞めました。
もともとわたしは、人間関係に問題がありました。 すぐにカッとなって口ゲンカになるのです。短気だとか、自己中心的だとか言われました。自制しようと思い、努力したのですが、情緒が不安定で、大声でしゃべりまくったり、場を考えずにひとりで大笑いしてはしゃぐとか、突然、無口になって暗い気分に陥るとかで理由のわからない孤独感を感じていました。
わたしの母親は、ほとんど毎日アルコールを飲んでいました。 小学生のころ父親が借金をして返済の取り立てにあって、母親との間にも亀裂が入りました。とくに厳しい取り立てではなかったのですが、父と母は離婚しました。 兄とわたしが母親に育てられたのです。今、兄も自宅で、一日15時間くらいオンラインゲームの日々を送っています。
わたしは、一日、ボーッと空想にふけることが多い日をすごしています。 自分が、ゲームに出てくるヒーローになり、他人をやっつけて、胸がスッキリするといった空想です。だんだん現実と空想の違いが曖昧になりました。これは精神病の一歩手前だと思い、止めようとおもうのですが、ボーッとして空想に浸ると一日があっという間に過ぎていきます。 気がつくともう40歳になっていました。 |