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話し言葉で 「あける」と言えば 意味は通じると 思っている人が多い。 しかし、「開」「空」 「明」の意味が 正しく分からなければ、 ここから「人の話が 分からない」という 病理が起こる。
●「開ける」「空ける」は読める。しかし、意味は分からない
多くの日本人は、日本語(和語・ヤマトコトバ)を中心に話したり聞いたりしています。だから、「人と話をしている」「人の話もよく聞いている」と思っています。 ところが、「人と話ができない」「人の話を聞いても分からない」という「学習障害」を抱えているのが多くの日本人なのです。 わかりやすい例が「開ける」「空ける」「明ける」という「漢字」の読み方とその意味です。 誰もが、「アケル」と読めると思っています。 「意味はどういうことをいうの?」と問うと、答えられる人は少ないでしょう。 「意味は分からなくてもいい」「読めればいい」(読めれば意味は自然に分かってくる)と多くの日本人は考えています。
●「開ける」「空ける」の正しい意味を教えます
「開」「空」「明」の意味は全く違います。意味が違えばこの漢字の使い方も異なります。 「箱のフタを取る」ときは「箱を開ける」と書きあらわします。「開」は、ジャマするものがなくて何の障害もなく通り抜けることという意味です。 箱のフタはジャマもので、箱の中のものを出すとか、中を見るというときに「開ける」という言い方をします。 だから、「箱のフタをあける」という言葉を聞くと、この「開」という漢字が思い浮びます。 人に「そこの金庫をアケなさい」というときは、「金庫の中身がよく見えるように開示してください」という文脈が話されていることになるのです。 しかし「その金庫をアケて、ここにあるものを全部入れてください」と言うときは、「アケる」は、「空っぽにする」という主旨です。ここでは「空ける」という漢字が言いあらわされています。 「ここにある三つの金庫をアケて、違いが分かるようにしてください」と言われたとします。 このときの発言は、「金庫のしくみ、構造を見たい」という主旨です。だから「明ける」という漢字が思い浮びます。 |