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ポルソナーレのカウンセリング・ ゼミの現会員の 皆様ならどなたも よく分かって、常識と しているのが、人間の 脳の働き方(言葉の 生成のしくみ)だ。 脳の中で、 言葉は、「視覚」が 素材をつくり「聴覚」が この素材を認知する。 この「認知」の中の 名詞、抽象名詞に 当る像を行動の 対象にするのが 自己(動詞)である。
●現代の医療も哲学も、人間の意識の「時間性」しか説明しない
現在の日本はもちろん、世界の「人間の脳の働き方」についての知識と理論は、どの程度のものか?そして、それは、人間の脳がつくり出す病理についてどの程度の有効性をもつのか?をご一緒に確かめます。 国際医療福祉大学病院内科学、教授・一石英一郎は次のように書いています。
●人は、酒を飲んで酔っぱらうとなぜ、記憶をなくすのか?
Q 正体を失うまで酒を飲む上司がいる。翌日聞くと「記憶はないけど、不思議と家にはたどり着く」と言う。 なぜ、記憶にないくらい酒を飲んで酔っても、家には帰れるのか?
A 酒を飲んで酔うのはアルコールが脳の神経をマヒさせるからだ。 アルコールは肝臓で分解される。 分解のスピードは、体重60キロの成人男性で1分間6グラムといわれている。 ビール1本、日本酒1合を飲むと、4時間かかって分解される計算になる。 この分解されない間、アルコールは、血液によって 脳に運ばれる。 通常、脳は有害な物質を脳関門という場所がブロックして防ぐ。 しかし、アルコールは、分子が小さいなど、その性質によって脳の中に侵入する。
アルコールの影響を一時的に受けるのは思考や理性をつかさどる前頭葉だ。 そして運動機能をコントロールする小脳、記憶の中枢神経の海馬である。 酔っぱらうと「実は……」と酔っていないときは言わない話をしたり、人の悪口やグチなどを話し出すのは、前頭葉がマヒしている証拠だ。突然怒り出すとか、いつまでも自慢話をするのも前頭葉がマヒしているからだ。 酒を飲んで酔っぱらうとまっすぐに歩けなくなる、口の中の舌がちゃんと動かなくなる、フラフラ歩いて転んだり、手や指先が動かなくなるのは、小脳が一時的にマヒしているからだ。 同じ話を何度もくりかえして話したり、記憶を失うのは、海馬の働きをマヒさせるからだ。
人間が記憶するときは、海馬が一時的に短期記憶してから、次に、長期記憶に置き換える必要がある。 酒を飲んで酔っぱらうと、同じ話をするのは、海馬のマヒで、短期記憶ができなくなるためである。 同じ話をすることで何とか短記記憶をしようとしている。 そんな状態でも、家に帰れるのは、すでに帰り道が長期記憶として固定されていて、海馬がマヒしても忘れないからだと考えられる。 だから、旅先で酔っぱらってホテルに帰れないのは、海馬の短期記憶もあいまいで、長期記憶されていないからだ。 (国際医療福祉大学教授、内科学、一石英一郎教授、日刊ゲンダイ平成30年12月26日) |