 |
日本人は、話し好きだ。 ひとり言のように、いつまでも しゃべる人もいる。 相手が黙って聞いて いるだけだと、気分よく いつまでもしゃべれる。 時には、興奮して 話すことを止められ ない人もいる。 しかし、人と会うと、 何を話せばいいのか? と悩む。 なぜ、話ができないの? 原因と対策を教える。
《相談の事例》 「社会人になって就職して、わたしは人と全く話せないことに気がつきました。まわりの人は思うとおりに話をして、友だちも増えているのに、わたしは、毎日、孤独でひとりぼっちです」 (岩本香織(仮名)、31歳、女性、会社員)
わたしは、人と何を話せばいいのか分からないのです。 会社でも話すことができません。いつも黙っています。 ほかの人は、何を話しているんだろう?楽しそうに話しているなあとうらやましくなります。 毎日、仕事をしに会社に行きますが、事務の仕事が終わったら黙って家に帰ります。
会社に入社してしばらくしたある日、会議がありました。そのとき、皆さんは、いろんな意見が言えるなあと思いました。しかも楽しそうに話しています。 このときに、わたしは話すことが何もないことに気がついたのです。
高校のころは、「いい」「わるい」「天気いいね」「おなかすいたね」くらいの話でも会話は十分でした。社会人になってみると、何を話せばいいのか、話すことが思い浮ばないことに気がついたのです。
仕事の中でも、誰もわたしには話しかけてきません。 何をするにも力が入りません。 おこなうべきことはとてもたくさんあるのですが、何もやる気がしません。頭の中では、思うことがいっぱいあっても、話そうとすると口の中がもごもごするばかりで声になって出てきません。メールなら、どんどん入力できるのですが、一体、誰に向かって、何を言うの?と思うとメールを打つこともできません。スマホを眺めることもうっとおしくなっています。
《ポルソナーレのカウンセリング》
相談の事例は、「人としゃべれない」(話さない)という内容です。 日本人の「対人恐怖症」の症状で、まず、まっ先にあげられている病理症状です。 この「人としゃべれない」(人と話さない)という症状は、「人と全く一言も話さない」(緘黙症……口を閉じて一言も発しない症状)から、「仕事の中で、ミスを起こす、注意されても同じミスをくりかえす症状」「ケータイ電話に出ない、メールに返信しない、あいさつをしない、自分の行動を告げずに黙って行動する」などまでの幅があります。 ごく普通の日本人の対人関係の中の病理症状です。 |