[3854-6] 「Ayukoさん」からの再度のお尋ねにお答えします。(谷川うさ子。2月2日) 谷川うさ子 2016/02/02(火)14:01 修正時間切れ
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「Ayukoさん」からは、2月1日付けで、再度のお尋ねのご投稿をいただきました。どうもありがとうございました。
●「Ayukoさん」からの再度のお尋ねの主旨は、次のとおりでした。
「相手の人が要介護状態(中核症状)の人か、もしくは認知症(痴呆症)の「周辺症状」(入浴しない、掃除をしない、ベッドに寝る生活で起きない、ゲーム依存症、家の外に出ないで家の中で無秩序に暮らしている、等々の異常行動)の人である場合、これらの改善のために、どのような話し方が望ましいのだろうか?」
◎谷川うさ子さんから「Ayukoさん」へお答えします。
一、「要介護状態」とは、「ひとりの力で日常生活の中の行動ができず、他者の世話になること」が定義です。日常生活の中のこととは、「入浴、排せつ、食事、衣服の着脱」のことです。2歳児以下の生活の中の行動能力に陥るという「行動の止まり」のことです。これが認知症(痴呆症)の「中核症状」です。
二、認知症(痴呆症)とは、「記憶力の低下のこと」といわれていますが、これは誤りです。「記憶」とは、「長期記憶」と「短期記憶」の二つがあります。「長くいつまでも憶える」「少しの間しか憶えられない」という言い方がなされていますが、そういうことはありません。「長期記憶」とは脳の言語野の働き方のことです。「客観を憶える領域の働き方」のことです。 「短期記憶」とは、ジョン・ロックのいうものごとの「第二の性質」(色、香、味、自然音)という「主観を憶える領域の働き方」のことです。
したがって、認知症(痴呆症)とは、「行動が止まる脳の働き方・ものの考え方・性格」のことです。
認知症(痴呆症)は、「完全に行動が止まることの中核症状」と、「部分、限定的に行動が止まることの周辺症状」の二つで成り立っていると理解しましょう。
三、「相手の人が何もしゃべらない」(意思の疎通ができない)のは、必ずしも高齢者のことだけではないと理解しましょう。
周辺症状の人とは、「ゲーム依存症」「引きこもり」「幻覚、幻聴を抱えていて、家の外に出ない人」などもあてはまります。 このような人たちは、本質的に「会話が不能状態」にあります。社会的な意味での「意思疎通ができない」が故に「周辺症状」の人であるのです。
四、インターネットの「ネット検索」が今のように一般的ではない状況では、「周辺症状の人」は、異常な行動を「仕事」「人間関係」「恋愛」「結婚」「子育て」などの中で現わしていました。だから、まだ改善の可能性がありました。
インターネットの「ネット検索」が、現在のように一般的になると、「周辺症状」は、脳の中(「右脳・実像」という部位です)に、「バーチャル」(仮想空間)をどんどん作っています。「バーチャル」(仮想空間)とは、「周辺症状」の実体の「幻聴」と「幻覚」の「完成した形」のことです。「見ること」「聞くこと」のそれぞれの「行動の止まり」のことです。「見ること」「聞くこと」も「行動である」と理解しましょう。 吉本隆明は、「自己関係つけ」(「個体・家族・共同性としての人間」『情況への発言』徳間書店所収)といっています。この「自己関係つけ」が「行動」のことです。
すると「バーチャル」(仮想空間)とは、周辺症状がその内容です。「幻覚」と「幻聴」のことです。いいかえると「廃棄すべき食品」(ゴミの山)と同じものです。
『夕刊フジ』かなにかの報道で、「フィリピンに巨大なゴミの山がある。ここで子どもらが暮らしている。このゴミの山には得体の知れない生き物がいる。誰も見たことのない異様な虫だの小動物が走り回っている。人間の住む所じゃない」と書かれていました。「バーチャル」(仮想空間)とはこのフィリピンの「巨大なゴミの山」と同じです。 |
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