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2007年12月に、認知症 (痴呆症)の男性が徘徊 して、JRの電車に はねられて死亡した。 JR東海は、妻、長男に 損害賠償720万円を 請求した。 15年の裁判の結果、 最高裁は、「認知症者の 起こした破壊、損害は、 家族に賠償責任は ない」と判決した。 そこで、ポルソナーレが認知症 (痴呆症)の生成のしくみと、予防、対策を 教える。
●《事例・ケーススタディ》(平成28年3月2日、日本経済新聞より)
2007年12月7日に、認知症(痴呆症)の男性が外出してJR東海の電車踏切りに入り、はねられて死亡した。 男性は91歳で、ふだんから認知症(痴呆症)の周辺症状があった。 玄関で排尿する、食事はまだか?と言う、突然に怒鳴る、などだ。 散歩が好きで、外出しないと暴れた。 だから、玄関にカギをかけて外出を制限した。 自分の場所が分からないので、徘徊になり、行方不明になるとどこにいるか分からなくなる。 妻(当時85歳)と長男の妻が介護した。
「列車の運行に支障が生じた。振り替え輸送の費用が発生した。だから妻と長男に720万円の損害賠償を請求した」(JR東海の話)
初めの認知症(痴呆症)の症状は「食事はまだか?」だった。食事を摂ったばかりだった。 「施設に入れることも考えたが、環境の変化で悪化するかもしれない」と、在宅介護で世話をした。症状はどんどんひどくなる。長男の妻、妹らがみんなで介護した。 2007年、12月7日、男性の妻が疲れてうとうとしているときに、男性は自宅から出てとめどもなく歩いた。徘徊した。 いなくなったのは、6分か7分くらいの時間だった。 男性は、愛知県大府市の線路の踏切りに入った。 疾走してきた電車にはねられて死亡した。 「家族が監督義務に違反していた」(JR東海の賠償提訴の主旨)。
最高裁の判決の結論。 「妻は、当時85歳だった。 要介護1と診断されていた。長男も同居していなかった。横浜に住んでいて、月に一回か二回、週末に自宅に通うという程度だった。 いずれも、介護はしていたが、監督が可能な状態にあったとはいえない。 だから、賠償責任はない。」 |