[3878-2] 谷川うさ子 2016/03/08(火)14:33 修正時間切れ
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「最高裁の判決は、認知症(痴呆症)の人が起こす全ての事故について、その家族は責任を問われないとしたのではない。 今回に限っての例外が認められたにすぎない。 認知症(痴呆症)の人は、身体に障害があるわけではないから、カギをかけても自分で家の外に出て行く。自転車にも乗れるから歩行者に激突する危険もある。 夜に、血圧が下がって譫妄(せんもう)を起こすと包丁を持ち出して、変な人がいると暴れる人もいる。 刃物を振り回して近隣の人に危害を加えるかもしれない。 最高裁の判決は、こういう問題について、損害賠償しなくてもいいとしたわけではない」(全国介護者支援協会・上原喜光理事長)。
認知症(痴呆症)の人が起こす事故は増えている。2014年の鉄道事故758件のうち、認知症(痴呆症)者が関わった事故は28件だった。 損保保険会社は、認知症保険を見直しはじめた。 「認知症と診断されて、時間、場所、人物のいずれかが分からなくなったという場合、最高300万円の一時金を支払う保険の販売を始める。 認知症の進行を遅らせる治療の費用や介護費に役立ててもらうというのが狙いだ」。 (日本経済新聞、日刊ゲンダイ、夕刊フジなどによる)
《ポルソナーレのカウンセリング》 2007年12月7日に愛知県大府市で起きた「JR事故訴訟」にたいしての最高裁の判決は、二つのことを意味しています。 ひとつは、日本人にとって認知症(痴呆症)は不可避で、誰にも起こりうる、という一般的な見解です。
もう一つは、認知症(痴呆症)は、損保会社がアピールしているように「トラブルへの賠償」か「介護にともなう費用」のいずれか、あるいは両方に対しての費用がかかるということも不可避であるということです。
若い年齢の人が「認知症は自分には関係はない」と思っても、自分か、自分の家族に認知症(痴呆症)による費用の発生はまぬがれないということを「最高裁の判決」は伝えています。
すると、日本人の一人、一人にとって、「認知症(痴呆症)は当り前」と真正面から分かる必要があります。 だから、認知症(痴呆症)にならない、認知症(痴呆症)を予防する、認知症(痴呆症)を改善するということが、誰にとっても必要です。
認知症(痴呆症)がなぜ起こるのか、何が原因なのか?を説明するには脳の働き方の言葉の生成のしくみを、論理実証の考え方から正しく分かることが必要です。 多くの人は、人間の脳の働き方は?というと、AI(人工知能)を思い浮べるかもしれません。ポルソナーレの脳の働き方のしくみの考察からみると、AI(人工知能)は、人間の感覚という働きのうちで「目で見る」「耳で聞く」「手足が動く」の中の「手足が動く」(触覚)をテクノロジーによってバーチャル化(仮想空間)しているにすぎません。このことを詳しく説明しているのが『ウォール街のアルゴリズム戦争』(スコット・パタースン、日経BP社)です。
人間の脳は、言語(言葉)をつくり出すことに本質があります。 日本人の使う日本語は、「他者」とか「相手」とか「複数の人間」のための言葉はつくり出しません。「社会参加」とか「仕事などの現実に関わる」ための言葉ではないというのが日本語の特質です。 だから、「学校に行く」「仕事に行く」「恋愛をしたり結婚する」ということをおこなっても、それは一時的なことで、いつ壊れてもおかしくない危うい関わり方や参加の仕方のうえで成り立っているのです。 |
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