[3924-2] 谷川うさ子 2016/07/03(日)15:09 修正時間切れ
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《例》
A・「上る」(のぼる) 「登る」(のぼる) 「昇る」(のぼる) B・「上下」(じょうげ) 「登山」(とざん) 「上昇」(じょうしょう)
Aは、「訓読み」です。「アレ」「アソコ」「アッチ」と同じように発声(発音)で「字」を解釈しています。 Bは、「音読み」です。 もともとの言葉(名詞)の正しい意味をあらわします。 「上」と「下」、「登」と「山」、「上」と「昇」というように、二つの言葉(名詞)をつなげて(並べて)、「社会的な秩序」や「人間関係の秩序」(倫理)を説明します。
「英語は、発音と単語のつづりの文字の対応関係が複雑です。ここでディスレクシア(読字障害)が起こります。 10%とか20%の人がディスレクシアといわれています。 通常の会話は普通ですが、読むこと、書くことができない」 (井原裕・精神科医)。 日本人は、「ア、イ、ウ、エ、オ」の音声と文字が、和語(ヤマトコトバ)の「訓読み」では一致しているので、「ディスレクシア」(読字障害)は起こっても、「部分的」です。 日本人は、Bの「音読み」(もともとの音としての読み方。言葉の意味をあらわす)を「無い」とします。 日本人は、「学習障害」をつくり出しています。 この「音読み」(上下、登山、上昇など。ミョウ、ト、ショウが音読み)を「無い」とみなします。
《例》 A・音読み……「貴様」(きさま。尊い方) 「御前」(おんまえ。神様の前) B・訓読み……「貴様」(キサマ、ののしり言葉。バカヤロウ) 「御前」(オマエ、テメエ。イバリ語。相手を支配する言い方)
AもBも同じように「きさま」「おんまえ、おまえ」と発声します。Aの発声がBの解釈(訓読み)に変わったときに、Aのもつ言葉の意味が「無い」ものとみなされています。 これが日本人の「学習障害」です。
出口汪(ひろし)によれば日本の学校教育と大学入試が大きく変わるということです。 「2020年から大学入試が大幅に変わる。マークシート方式から記述方式に変わる。論理的な思考能力を問うということに変わる」。 (『国語が変わる』 出口汪(ひろし)、水王舎)
「グローバル化の時代は、必要なのは英語の能力ではない。世界の中で、多種多様な価値観をもつ人たちと生きていかなければならない。必要なのは論理的な思考能力である。 国語が土台になる。国語力が、これからの子どもが生きていくための武器になる」(出口汪) |
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