[4268-1] 日本人の「学習障害」の事例・Ⅱ 谷川うさ子 2016/09/02(金)20:05 修正時間切れ
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《相談の事例》 ●仕事の中で上司の言葉がよく分りません
わたしは、ポルソナーレの教えることを学習することに疑問を抱いています。 わたしは、仕事の中の上司との折り合いが悪く、「お前は、おれとは合わない。辞めるなり、自分が変われないなら仕事に見切りをつけたほうがいいんじゃないか」と言われています。 わたしは、上司の説明することがよく分からず、しょっちゅう間違いを起こして指摘されます。 こういうことについてポルソナーレに相談しました。 しかし、ポルソナーレの学習の指導はしっくりきません。 仕事の目的を決めて、予定を立てて、実行する、終わったらおこなったことを毎日、ノートに書く、次の日の目的を立てるということです。上司の説明することは、いちいちメモをとるな、相手の顔、目を見ながら聞くだけにする、相手の話した名詞だけをメモして復唱する。 この学習指導で、自分の悩みが無くなるとは思えません。 わたしは、相手から見られていると思うと強迫感というか、胸がドキドキして話すどころではなくなるのです。 このごろは、ポルソナーレの説明することからも逃げて、夢のようなボンヤリした世界に浸っていたいと思っています。 (山口順三郎(仮名)、35歳、男性、公務員)
●「内扱い」とは仕事の言葉を学習しないことです
この事例の相談者は「内扱い」ということを話しています。 日本語(和語・ヤマトコトバ・ひらがなの言葉のことです)だけを話したり、聞いたりすることが「内扱い」です。 これにたいして「漢字・漢語」は、弥生時代に大陸から日本に入ってきた言葉なので「外扱い」です。 多くの人は、日本語というと「ひらがなの言葉」と「漢字・漢語の言葉」の両方を指すと思っています。もちろん、この理解でもいいのですが、「日本語とは?」というときは「和語・ヤマトコトバ・ひらがなの言葉」のことをいいます。 学校教育の中で、日本語の学習では「助動詞は」「動詞は」と「文法」の説明としてとりあげられているのは「ひらがなの言葉」(和語)です。 日本人が「内扱い」「外扱い」というのは、「ひらがなの言葉・和語・ヤマトコトバ」を使って話す、仕事をする、生活する、人間関係をつくることをいいます。 この「内扱い」は、「漢字・漢語」の言葉を「外扱い」にします。 言われてみると誰もがよく分かるように、家の外の世界の社会は、ぜんぶ、「漢字・漢語」でつくる言葉でつくられています。「漢字」「漢語」のつくる「名詞」「抽象名詞」で成り立っています。 例えば……学校、授業、仕事、会社、業務、雇用、定年、任務、業績、製品、品質、生産性……などは、全て「漢語」による「名詞」「抽象名詞」です。 「外扱い」とは、このような仕事、社会の中の「漢字・漢語」のあらわす「名詞」、「抽象名詞」に近づかない、「自分はこう思う」と勝手に解釈して適当に作り変えるということです。 相談の事例の男性は、仕事の中の言葉(漢字・漢語の名詞、抽象名詞)を「内扱い」として扱っているので、職場の上司からたびたび仕事のミスや誤りを指摘されて、「辞めたらどうか?」と追放されかかっています。 しかし、相談者の男性は、「職場の人間関係は、漢字・漢語でつくられている仕事の(名詞・抽象名詞)を自分の話すことや行動の内容にしなければならない」というポルソナーレのアドバイスにも「しっくりこない」「ピンとこない、疑問だ」と言っています。 これが「内扱い」として言葉や行動にあらわされる日本語(和語・ヤマトコトバ)の「動詞文」です。 「自分はこう思う」という「自分の判断」を優位にして、仕事の中のどんな言葉も学習しないのが「内扱い」です。 |
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