[4418-1] 日本人の「学習障害」の例。「機械」「器械」は「読めればいい」、「意味は分からなくてもいい」とふつうに思っていて、気にならないこと、です。 谷川うさ子 2016/10/09(日)15:40 修正時間切れ
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「機械」も 「器械」も「キカイ」と 読める人は 「自分は漢字は 知っている。仕事にも 生活にも何の 支障もない」と 考えている。 だが、意味を 知らなければたちまち 心身の病気になる。
●「機械」と「器械」を読めますか?
「機械」も「器械」も「キカイ」と読みます。多くの日本人は、「漢字・漢語は読めれば意味は自然に分かってくる」と考えています。 「では、彼は、キカイ体操が得意です。オリンピックに出場するのが夢です」というときの「キカイ」は、「機械なの ?器械なの?」と質問すると、正しく答えられる人は少ないでしょう。「答えられない」ということは「キカイ」に当る漢字・漢語のイメージが全く思い浮ばないということです。「漢字」「漢語」のイメージが思い浮ばないということは、「人の話を聞いてもよく分からない」ということです。すると「人に話をすることもできません。社会の中に参加する(仕事に行く、恋愛や結婚のための人間関係をつくるなど、です)ということはできません」。
●「機械」「器械」の意味は「分からなくてもいい」と考えていませんか?
「漢字・漢語の言葉の意味が分からないくらいで、社会参加できないなんて、ずいぶんおおげさだ」と思っている人は多いでしょう。 「機械」と「器械」の意味を分かっている人には、「おおげさではない」と理解できるでしょう。 なぜならば、「機械」も「器械」も、具体的な物(物体)を意味しているからです。「名詞」といいます。「名詞」とは、「行動の対象」のことです。「名詞」ないし「行動の対象」が分からなければ、仕事には行けません。 今、仕事に行けていても、いずれは行けなくなります。 「機械」「器械」の漢字・漢語の言葉は「読めればいい」「意味は分からなくてもいい」という日本語の使い方は、いずれ「行動が止まる」「今も、止まっている行動がある。これまでできていたことですっかり出来なくなっていることがどんどん増えている」ということを意味します。
●「機械」と「器械」の正しい意味を説明します
「機械」は、動力によって一定の動きをくりかえすしくみをもつもの、という意味です。 「器械」は、一定の働きをもつ道具のことです。これを利用して人間がものごとを行う器具のことです。 したがって「器械体操」といういい方をします。 「械」は、もとは木で作った道具のことです。今は、「しかけ」「うつわ」の意味で用いられています。 「機」は「はたおり」の道具が原義です。「機械」は、「からくりをもつ道具」の意味です。用例は「工作機械」「機械的」などです。 「器」は、「物を盛る入れ物」のことです。「器械」は動力源(電気や原子力、風、水などが動力です)を用いない道具のことです。 用例は「実験器械」などです。 ちなみに「はたおり」とは機(はた)で「布帛」(ふはく)を織ることです。 「布帛」(ふはく)とは「織物」(おりもの)(布と絹)のことです。 |
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