[4513-2] 谷川うさ子 2016/11/01(火)10:54 修正時間切れ
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●日本の国、経済社会の今とこれからの現実とはこういうものです
「2025年問題」に直面しているのが介護問題である。介護保険制度の介護保険に対する給付の推移と予測がある。2000年は「3・6兆円」だった。 2013年には「9・4兆円」に増えた。 2025年には「20兆円」になると予測されている。 これは国の予算からの支出だ。日本の国の予算は「96兆円」だ。 税収は「50兆円」。 不足の分は国債などの借金で賄っている。 そこで厚生労働省は、軽度の要介護者のサービスを縮小している。生活援助や福祉用具のレンタルなどだ。そして毎月の介護保険料は増えて「6000円」近くまで上昇している。 ●「超格差社会」は、二○○○年代からずっとつづいている。格差はどんどん広がっている
このケーススタディが物語っているのは、介護業界のブラック化(長時間労働、低賃金)とその背景です。 世界はもちろん、日本の経済社会は構造的なデフレ不況が続いていて、所得の格差が広がっています。
◎『グローバル・スーパーリッチ』(クリスティア・フリーランド、早川書房)
所得格差について研究する学者でとくに尊敬を集めているのがエマニュエル・サエズ(カリフォルニア大学バークレー校の経済学教授)だ。 サエズはこう書く。 所得上位一○パーセントの人々が手にする所得の割合は一九二○年代半ばから一九四○年代までは、国民所得の約五四パーセントだった。 その後、第二次大戦中に約三三パーセントに下がった。 一九七○年代までは横ばいだった。二○○六年以降、劇的に上昇した。
二○○六年には上位一○パーセントの所得は国民所得に対する割合は五○パーセントにのぼっていた。
●日本の国は財政破綻に直面している
国民所得とは、ある国のある年の「総収入」といったことです。上位10パーセントの人から、上位1パーセントの人に国民所得の50パーセントからそれ以上が独占されていることをクリスティア・フリーランドは説明しています。日本には「スーパーリッチ」なる人は存在せず「大金持ち」は存在するという説明です。 日本では、この所得格差よりももっと深刻なのが「財政破綻」(二○二○年問題)です。 こういう状況で「長時間労働」「低賃金」は何を意味するのか?が本当の問題です。 それは、経済状況がどうであっても、「長時間労働」や「低賃金」の現実に直面すると「鬱病」をはじめ、さまざまな「強迫神経症」が当り前に起こるということが本当の問題になります。 |
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