[4583-2] 谷川うさ子 2016/11/24(木)17:28 修正時間切れ
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――ヒートショックの防ぎ方は、ちゃんとありますよ。入浴前にお湯をコップに一杯くらい飲むとか、急に体を冷さない、またいきなり熱いお湯に漬からない、などです。 「そんなことは、出来ません。ただ怖いので入れないので毎日、不安で、生きた心地がしないのです」。
●話しても説明しても、教えても理解できないのが「日本語」です
ご紹介している事例は、カウンセリングの対話です。読んですぐに分かるとおり、心身の不調を抱えている人は、ごくふつうの対策の言葉を否定したり、拒否しています。さらには、対立的に反発もしています。 これが日本人のうつ病や分裂病や、その他、さまざまの病理症状を抱えている人の特徴です。 すると、この事例の人には、どういう対策が有効なのでしょうか。 自然に治るのを待つのがいいのでしょうか。もしくは、毎日、毎日、根気よく説明したり、優しく励ましたり、あるいは、知的なレクチュアを何年にもわたってつづけるのがいいのでしょうか。
解説をします。 まず、この心身の病理者は、話をしている説明者の話す日本語が分からないのです。 また、耳で聞いているように見えて、何も聞こえていないのです。 話されている言葉は、聞いたその瞬間から次々に忘れているのです。 「そんなはずはない。ちゃんと返事をしているではないですか」と誰もが思うでしょう。 どんな言葉も憶えられない、どんな言葉も理解できないというのが日本語のもつ言語障害のしくみです。
●日本人の働き方、生活の仕方とはこういうものです
「じゃあ、多くの日本人は、働いているし、車にも乗るし、日常生活の衣食住のことも正しく実行しているのは、どういうわけですか?」と疑問に思う人も多いでしょう。
その理由は、人間の脳の言語野には「ウェルニッケ言語野」というものがあるからです。 「触覚の知覚、認知」をつかさどります。手、指、皮ふが感覚したり、知覚したことを記憶します。 「リアリティ」(現実感)という意識をつくります。 わかりやすい例が、パソコンやスマートフォン、デバイスなどの画面(ディスプレー)です。 画面の文字、文、画像は、目で見て、耳でも聞きます。 日本語を話す人が、日本語で選んで表示させます。ここで「見た」「聞いた」と認知するのが「ウェルニッケ言語野」です。「自分が選んだもの」を見る、聞くので「これが現実だ」と擬似的に認知します。
だから、「歩きスマホ」が絶えない、人混みの中でも「見ながら歩く」のです。また、「見たもの」を「事実のことだ」と確信して話します。 正しくは、事例の心身の病理者と同じように、「自分はこう思った」の「思った」言葉やイメージを話しているにすぎません。 仕事や日常生活の中では、「ウェルニッケ言語野」の「知覚」の記憶だけで、行動をおこなっているというのが日本人の「仕事」「生活」「日常の行動」であるということを説明しています。
●日本人の使う日本語は、「憶えない」「忘れる」言語領域でつくられています
日本語(ひらがなの言葉・和語)は、「脳の言語野」でいうと「短期記憶」の「言語野」でつくり出されています(ブローカー言語野、X経路支配の領域、副交感神経の部位です)。 さらに、「目」「耳」の中枢神経の野は、「右脳・視覚野」「右脳・聴覚野」を働かせるのが日本語(和語)です。 「すぐに消えてしまう表面のものしか見えない」「人間の言葉は虫の音、鳥の鳴き声、風の音のような自然音しか認知しない」という「見方」「聞き方」しかできません。 そこで日本人は、「これはこういうことだろうなあ」と見当をつけて見る、聞く、ということをおこないます。これが日本語(和語)のつくる言語障害の構造です。 |
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