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平成29年1月31日付の 「日刊ゲンダイ」に、 「つらさから解放される 認知症介護」 (手に負えない問題行動は 変えられる)という 特集の記事が載っていた。 問題行動とは「徘徊」 「弄便」(ろうべん)、 「異食」(便などを 食べる)、「暴言」 「暴力」などだ。 三好春樹(理学 療法士)は、 「問題行動の9割は、 問題介護にともなう 老人の問題心理が 原因だ」という。 「だから、問題行動の 症状は抑えられる」。
●今の日本の認知症(痴呆症)の理解は間違っている
認知症(痴呆症)は、「忘れること」と「周辺症状」の二つで説明されています。 「忘れること」は、「やがて家族の顔も名前も忘れる」などです。 問題行動とは周辺症状のことです。さまざまな異常な行動や発言が例にあげられています。
ポルソナーレの脳の働き方(言葉のつくられ方のしくみ)の解明にもとづくと、現在、介護問題に関連していわれている説明は、そのほとんどがごく表面だけを見た理解の仕方です。 夕陽が沈む景色を見て「夕焼け」と呼ぶことと同じ現象のとらえ方です。 西に沈む夕日が燃えて空が焼けているのではないとは誰もがよく分かっています。 認知症(痴呆症)はたしかに、家族の名前や顔が分からなくなります。これは、「忘れた」のではなくて、初めから「記憶していない」のです。 家族の名前、顔は、「名詞」や「抽象名詞」で言いあらわされます。日本人の認知症(痴呆症)は、この「名詞」「抽象名詞」を初めから全く記憶しないという病気です。 これは日本語(和語・ひらがなの言葉)が「動詞文」の「動詞」しかつくり出さないことに理由があります。 日本語(和語)は、脳の言語野の「ブローカー言語野・3分の1・時間性の原語領域」で学習して、そして記憶するのです。 ところが、「名詞」「抽象名詞」は、空間性の言語領域で学習し、記憶します(ブローカー言語野・3分の2の領域・Y経路支配の言語領域です)。
●日本人は「名詞」「抽象名詞」を憶えることができない
このようにいうと、誰もが「わたし、自分の家族の名前くらい憶えています」「わたしも、自分の家族の顔はちゃんと憶えていますよ」と抗議するでしょう。 ところが、日本人が「名前」「名称」(名詞、抽象名詞)を憶えているというときの憶え方は必ずしも、英語やドイツ語でいう「行動の目的(対象)の名詞、抽象名詞」ではないのです。 たとえば、「花」という名詞を例にあげると、日本人は「花」を「はな」と読み、これを「名詞」と考えるでしょう。 しかし「花」は漢字の音読みでは「カ」と読み、その字義は「被子植物の生殖器官」です。 「花」を「はな」と日本語(和語)で読むときの意味は「きれい」「勢いがある」「ものごとの盛り」といった解釈でとらえられます。これは「訓読み」の読み方です。動詞文の「動詞」がつくった偽(ぎ)の名詞です。こういう「名詞の作り方」を「品詞の転成」といいます。 |