[4709-2] 谷川うさ子 2017/02/13(月)16:54 修正時間切れ
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この「タラレバの男子、女子」は、日本語(和語)が「動詞文」の「動詞」(言葉)しか学習しない、記憶しないことが生み出しています。 これが日本人の認知症(痴呆症)の実体です。そして、「タラレバ」(女子、男子)は、精神分裂病の病理症状です。
●「タラレバ」は「禁制(タブー)」の言葉のことです
吉本隆明の『共同幻想論』(角川ソフィア文庫)をみると、この「タラレバ」の言葉は、古代の日本人には、「禁制」(きんせい、タブー)といわれていました。 共同の規範を村落の共同体がつくり出しました。道路や橋、川の水の配分システム、池や家を建てるなどの共同工事が「共同の規範」の対象です。しかし、日本語は動詞の言葉しかないので「なになにをすべきだ」「なになにはしてはいけない」と話し言葉で「共同の秩序」が語られました。これを「なになにをすること」「なになにというものを目的にする」というように「名詞」「抽象名詞」をつくることができなかったのが女性(母親)です。 そこで「してはいけない」「こうしなければいけない」と禁制(きんせい・タブー)だけを、母親は女児に語ります。この女児が成長して、自分の子どもに「分裂病としての禁制の言葉」を語りつづけたのです。 この「禁制の言葉」を精神分裂病として話す症状とは次のようなものです。
◎パラノイアの病理と症状の例
「仕事のできない人を見下す」 「社会的に適用不全の人を弱者として過度に大切に思う」 「精神的に弱っている人、社会的に経済などの責任能力を放棄している人を恋愛の対象にする」
◎躁うつ病のヒステリー症状の例
「好き、嫌いを理由にした評価の仕方をする…占いが言ったから正しい。自分のことを分かってくれていると思う人の言い分を正しいことだと理解する」 「無気力を理由に入浴しない」 「不安や抑うつを動機にした話は、場所、時間、状況を無視してはてしなくつづき、自分で止められない」
●日本人は、社会の中の正しい言葉に憑依(ひょうい)して生きています
日本人は、脳の言語野で動詞文(動詞)しか憶えることができません。 もちろん、初めから吉本隆明のように、演繹のための抽象名詞を学習した日本人もいます。これには、数年がかりの特別の学習や訓練を必要とします。多くの日本人は「憑依」(ひょうい)といって、仕事の言葉に「憑く」だけです。この「憑依」のモデルが漢字・漢語の音読みを「訓読み」で読み、意味を思いつくままに解釈することです。 この解釈が「強迫」を生み、「強迫観念」を生成し、「強迫神経症」の症状をつくり出しています。
人間社会の本質は、目的のない行動は停滞して、病理の行動の変わります。 日本人は、「タラレバ」にみるように、精神分裂病で「行動」をつくり出して、この行動があるときは食事を摂り、その日一日、フトンで寝ることができています。 しかしそれは、いつ行動が止まるか?の深淵を見ながらの行動であるのです。 |
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