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吉本隆明『母型論』(贈与論)(思潮社)の「母系制」「贈与」「お返し」は、日本人の異常な発言、行動はごく普通のことである、と証言しています。
たとえば「貴様」「御前」 という言葉が例になります。 日常的には、「キサマ」 「オマエ」「テメエ」とイバリ 言葉になっています。 もともとの「尊い方」「神様の 前」という音読みの 意味が壊されているという例です。 音読みのもつ社会秩序、 共同体の規範を内扱いと 「ス・サス」(作為思考)で 壊す言葉の証拠です。
●日本人は、「現実など存在しない」、「目の前の人間は、存在しない」ましてや「ルール、決まり、規範などあるはずがない」と作為思考を一般的にしています
吉本隆明の『母型論』(贈与論・思潮社)をみると、ここには、「神話」(説話)が紹介されています。「人間社会の始祖は、父と母ではなく、兄と妹が子どもをつくり、人間社会を継承してきた」というエピソードです。 子どもは、どこから来たのか?というと、母親と父親による受胎、出生ではなく、母方の「族」の霊(ハウ)である、「贈与である」、というものです。 ここには、「妊娠」という事実についての認識はありません。 風に吹かれて妊娠した、というデタラメ話のエピソードがあります。 このデタラメエピソードは、日本人の使う日本語(和語・ヤマトコトバ)がつくる「動詞文の動詞の言葉」がつくり出した作為の嘘話です。 「子どもは、兄と妹がつくる。子どもは、海の風に吹かれて、使者が運んできたハウ(霊)である」という黙契(もっけい。ウソ話の言葉)は、現代の日本人が今もなお、ごくごく普通のことにしています。 たとえば「花」(はな・訓読み)というと「植物の花(はな)、(か)」のことだと思っている人は多いのですが、「じゃあ、花(はな)の意味はなんですか?」と問うと、誰一人として答えることはできません。正しくは、「花」(カ)(音読み)……植物の生殖器官です……を「そういうものは無い」「花(はな)が植物の花(はな)でいいじゃないか」とダマしているのが日本人の脳の働き方です。 こういうとりちがえは、近代精神病理学では「精神分裂病」といいます。 |