[5217-2] 谷川うさ子 2019/06/27(木)21:14 修正時間切れ
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人間はゴリラとかチンパンジーとは違って、名詞、抽象名詞の言葉を脳で作り出すので、脳の空間意識が「共同性」「多数性、複数性の人間関係の網の目」(ハンナ・アーレント)を作り出して、遠くに居る人との関係性をつくるので、離れている人を忘れるとか、思い出せないとか、お互いの関係をばっさりと切り捨てるということはしません。
それでも、人間としての規律(モラル)をもてない人がいるというのは、これまでは、名詞文、抽象名詞文の学習がうまくいかなかった人である、と理解されていました。おそらく今もこういう考えで、楽観している人は多いでしょう。
ところが、スマホ、パソコンなどでいつでもネットとつながるようになると、この丸暗記が崩壊します。丸暗記すらもできなくなっているのが、このテクノロジー時代と社会の本質です。
しかし、丸暗記しかできない人、また、丸暗記すらもできない人は、ゴリラやチンパンジーが身体接触で相手を憶えるのと同じように、相手との接触ができないとたちまち仲間外れになり、ひとりでは生きてはいけなくなる・・・外敵に襲われて死に至る、孤独の中で餓死していく・・・・という不安のなかを日々、過ごしています。
パソコン、スマホの画面に自分の記憶すべきことが表示されているので、自分は丸暗記すらもしなくてすんでいます。
丸暗記ができなければ、あとにどういう仕事の能力とか勉強の仕方があるのでしょうか。
まだ丸暗記はできるはずだ、とムリに思い込み、聞き書きとか、なんでもメモに書いて、書きさえすれば憶えていることになるはずだという幻聴まがいの言葉を思い浮かべて、誰の目の注目を集めるような仕事の失敗を引き起こして、非難される頻度も増えて、その場にいられなくなるのではないか、という幻覚に悩まされているのです。 |
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