[5839-2] 谷川うさ子 2021/02/07(日)20:20 修正時間切れ
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この「帰納」による「推論」は、もちろん、多くの場合は、「自分が自分を騙す」という場合にも適用されます。
日本人は、「どこまでも自分を、自分で騙す」「自分が、自分に嘘をつく」という「帰納の思考の仕方」のことが圧倒的に多いので、思考の「前提」をつくる「事実」を確定する仕方としても「帰納」の演習は意義があります。
「名詞文を書きましょう」、という趣旨、目的は、日本人の「仕事の能力」の以前に、「自分で自分を騙して、貧困や、認知症の脳の働きの域に失墜しつづけていて、引き返せない危機域に転落している」のを回復させることに本当の狙いがあります。
◎「帰納」(推論、および思考の仕方)のごく普通のモデル。 ◎「共通性」は、「泳ぐ」の「述部」の場合です。
●前提1・・・メダカは川の水の中を泳ぐ。 ●前提2・・・サンマは海の水の中を泳ぐ。 ●前提3・・・フナは池の水の中を泳ぐ。
●結論・・よって魚は水の中を泳ぐ。
●注・「魚は水の中を泳ぐ」という客観的な事実 (真実)が、「泳ぐ」という「述部」の同義性(意味)で推論されています。
◎「主部」が同義である場合の帰納の使用例。
●人の耳は「自然音」を聞く。 ●人の耳は「楽器の音」を聞く。
●人の耳は、「人の話す言葉」を聞く。
●よって、「人が聞くものは、耳で聞いたものである」。
●注・これは「主部」と「述部」が同義である、という場合の結論(推論)です。
この「人の耳は聞くもの」という結論は、事実でます。だから、この結論が誤りということはありません。
では「人が聞いたものは、耳で聞いたものか?」という判断が真であるのか?というと、この「命題」についての真偽の判断は、「演繹」の思考法で保留されるのです。
◎問題のある「帰納」による推論の使用例。
●Aさんは、風邪をひかない。 ●Aさんは、毎朝、運動をしている。 ●Aさんは、野菜を多く摂る食生活をしている。
●ゆえに、Aさんは健康である。
●ここでは「健康である」という結論(推論)は、健康の「条件」ではあっても、「健康」の定義を「演繹」で考えると、健康の要素の無媒介の拡大であることが分かります。
日本人は、動詞文による思考ために、初めから「事実」の言葉とその「実在性」を認知も、認識もできないので、「条件」や「要素」を無限に拡大する「帰納」の思考の仕方をおこなっています。
◎多くの日本人は「帰納」といえるほどの「帰納の推論」に至らせることが出来てはいないので、「事実」とはどういうものか?を「名詞文で捉える脳の働き方」に変えて、脳の働きを名詞文の言語領域に回復させることを目的にする必要があります。 |
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