平成25年5月5日
『カウンセラー養成ゼミ』『ゼミ・イメージ切り替え法』のゼミ生の皆様、こんにちは。
ポルソナーレのカウンセリング・ゼミを受講していただいていることに、心より、厚く御礼を申し上げます。

『無縁社会・無縁死・3万2千人の衝撃』という番組が放映されました(二〇一〇年一月三十一日放映)。
年間3万2千人の無縁死とは身元不明の自殺、行き倒れ、餓死、凍死で亡くなった人のことです。「行旅死」(こうりょし)ともいいます。
全国の市町村で年間3万2千人にものぼるとNHKスペシャル取材班は調べた結果を発表しています。
「行旅死」の中には、アパートの一室で孤独に生活をしていて一人でポツンと死んだ高齢者も、身元と同義の親族や遺骨の引き取り手がいないので「無縁死」に数えられています。
この「無縁死」に孤立や孤独の意味を見た人が「共同墓」を希望して生前契約をしています。
これらの事実は、日本人の孤立、孤独を象徴します。
とりわけ「共同墓」とは、一体どういう孤立、もしくは孤独を意味するのか?に焦点を当てるのが、今回のポルソナーレのカウンセリング・ゼミです。
カウンセリングの見地から参考になるのがE・ミンコフスキーの『生きられる時間』(みすず書房)とハンナ・アーレントの『人間の条件』(『谷川うさ子哲学入門』№67、№68所収分をご参照ください)です。
まず、ハンナ・アーレントは、「人間の寿命」は二重になっているといいます。それは、人間の生理的身体の寿命のことです。生理的身体は、動物一般と同じように自然の一部です。したがって、人間の寿命(生きられる時間)は、草木、犬、猫、タヌキと同じように、短い時間しか生きられないという特質をもっています。それは、「自律神経の症状」といわれている疾患や症状が象徴します。
例えば、次のような「自律神経の症状」です。
◎自律神経の症状 《解説》
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脳の言語野「左脳の言語野」と「右脳の言語野」の交感神経が働いていなくて、副交感神経優位による症状です。
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左脳・右脳の言語野の交感神経は、「ブローカー言語野・3分の2」の言語領域です。
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左脳・右脳の言語野「ブローカー言語野・3分の2」は頭頂葉に到達した視覚の知覚神経の「Y経路」支配です。
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脳の言語野の交感神経と首から下の身体の交感神経は対応関係にあります。
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交感神経は血管の収縮をおこないます。
この交感神経が「止まる」とは、血管が拡張した状態になります。すると、血管拡張の生化
学物質が血液の中に滞留して、自己免疫疾患、アレルギー、腫瘍をつくり出します。
■「自己免疫疾患」の例
「関節リウマチ」「SLE(全身性エリテマトーデス)」「腎臓障害」「バセドウ病」「シェーグレン病」「ベーチェット病」「多発性硬化症」(視力障害、感覚障害、手足の麻痺、歩行障害など)「強皮症」「自己免疫性の糖尿病」など。
■生化学物質とその主な作用
ヒスタミン…アトピー性の皮膚炎やアレルギー疾患をつくります。
セロトニン…行動を止める不快感、眠気、無気力をつくり出す。
アセチルコリン…重症筋無力症など、自己免疫疾患をつくり出す。
プロスタグランジン…痛み、苦痛感をつくり出す。
ロイコトリエン…喘息などの発作をつくり出す。不安発作もつくり出す。
■「交感神経が止まる」という自律神経の症状の例
全身症状…「倦怠感」「疲れ易い」「冷え性」「圧迫感」「焦燥感」「もの忘れ」「肥満」「るいそう」など。
神経筋症状…「不眠」「目まい」「耳鳴」「頭痛」「偏頭痛」「背痛」「腰痛」「手指・眼瞼(がんけん)の震え」
循環器症状…「動悸」「息切れ」「血圧の動揺性」「不整脈」など。
呼吸器症状…「呼吸困難」「喘息」「上気道の感染傾向」「呼吸促進」「喉頭異物感」など。
消化器症状…「食欲不振」「胃痛」「胃潰瘍」「胃けいれん」「神経性下痢」「習慣性便秘」
皮膚症状…「じんましん」「アトピー性の皮膚炎」「多汗症」など。
泌尿・生殖器症状…「頻尿」「夜尿症」「性欲障害」「残尿感」「神経性の多尿・および欠尿」など。
■ここでご説明しているのは、自然の一部としての人間の生理的身体の「生きられる時間」のことです。
ハンナ・アーレントは、「人間は、世界性の中でもうひとつの寿命をもつ」と説明しています。
そのもうひとつの「寿命」は、脳の言語野「ブローカー言語野」の「3分の2」の言語領域のことです。ここは自律神経の交感神経の支配です。(視覚の知覚神経のY経路です。二・五次元、三次元、およびゲシュタルト形態原理を構成して意識化します。)
このブローカー言語野「3分の2」の言語領域を働かせないということが起こっています。その結果、このメッセージでご案内しているとおりの「自律神経の症状と疾患」が発生します。
したがって、自律神経の症状や疾患を治そうと思うならば、「左脳」と「右脳」のブローカー言語野「3分の2」のゾーンを働かせるように「言葉」「言語」を学習する、その学習は「家の中」で行ない、この「一人練習」をつづけるということ以外には、有効な対策はありません。
平成25年5月3日付の日本経済新聞に「DV目撃の子どもの脳が萎縮している」という記事が載っていました。「福井大学子どものこころ発達研究センター」の「友田明美教授ら」の研究で5月2日までに『米オンライン科学誌』に発表したというものです。「右脳」および「左脳」の後頭葉にある視覚野の一部の細胞が「6・1%小さい」「6・5%薄い」(右脳)、「左脳の視覚野の一部も6%薄い」というものです。
ポルソナーレの推測では、視覚野・Y経路の領域が廃用萎縮を起こしていると考えられます。X経路は、「クローズアップ」「自分の身体との一体感」「距離が無い」「時間性の意味を了解させる」「関係づけが成立する」ということを意味するからです。
このことから分かることは、日本語の「文法」の已然と未然にもとづく主観の及ぼす脳のメカニズムです。ブローカー言語野「3分の2」のゾーンを主観の内扱いのままに放置すると、どんなに努力してもなかなか内扱いのもたらす病理は解消しないという事態を抱えていって、悪化の一途をたどることは必然であるだろうと思われます。
この内扱いの「愛狎」や「軽蔑」「侮蔑」にもとづく身近な他者に向ける病的な言動は、E・ミンコフスキーのいう『生きられる時間』の中の分裂病者の身近な他者に向ける敵対的な言動と「等価概念」であるというカウンセリングはここにもとづきます。
日本人のこのようなリスキーな病理のしくみをよく分かって、ポルソナーレのカウンセリンゼミの学習意義をご理解なさってください。
今回のポルソナーレ・カウンセリング・ゼミは、このようなことをご一緒に考えて習得します。
今回も、皆様のポルソナーレのカウンセリング・ゼミの学習がよりよい学習成果を上げてお役に立つことを心よりお祈りしています。 |