みなさん、こんにちは。
全日本カウンセラー協会・ポルソナーレの谷川うさ子です。
●あなたの使っている日本語についてご一緒に考えてみましょう
みなさんは、毎日、「日本語」を使って話したり、人の話を聞いたりしています。
だから、ポルソナーレが「日本語が日本人の心の病気を作り出している」というと、「日本語が心の病気をつくっていると言っているあんただって日本語を使って、日本語が変だと言っているだろ?その変だ、おかしい、病気だと言っている説明だって、変じゃないのか?」と思っている人が、ひょっとしているかもしれません。
言葉によって「言葉」のことを問題にするときの『言葉』を『メタ言語』といいます。
「超言語」といったほどの意味です。
(注・メタ言語(metalanguage)…意味論の言葉。考察の対象となる言語を「対象言語=objectlanguage」という。このとき、対象言語の構造や真偽について論じる言語を「メタ言語」という。「高次言語」ともいう。)
「日本語のここが変だ、こういうところがおかしい」と説明するときの言葉は、たとえ日本語であっても「メタ言語」としての実力を備えているのです。その実力の内容が、「脳の働き方…言葉の生成のしくみの解明」です。
●「言葉」は「右脳・前頭葉」でつくられます
誰にもナットクできることをいうと、人間の言葉のつくられ方は、右脳・前頭葉に「像」(イメージ)がほとんど自動的に思い浮ぶ、ことが中心のしくみになっています。
この右脳・前頭葉の像は、新生児も、乳児も、老人も、女性も男性も、そして心の病気の人も、思い浮びます。つまり、古代原始社会の人間も、近代人も、現代人も思い浮びます。もっというと、ヨーロッパ人も東洋人も、日本人も思い浮びます。
これらの「人々」が、リンゴを見たという状況を想像してください。これらの「人々」の「右脳・前頭葉」には、目で見た形のとおりの「リンゴの形の像」が思い浮びます。
しかし、ここで考えてほしいのですが、「新生児」(生後一ヵ月の子ども)は、「リンゴ」という言葉を知りません。だから、お母さんは、せっせと言葉を学習させるでしょう。
もしあなたが独身で、男性であっても女性であっても、仮に子どもが生まれるということが起これば、言葉をせっせと学習させなければならないと考えるでしょう。
でも、どうやって学習させるのでしょうか。「特別な学習のさせ方など知らなくても、子どもが勝手に、品よくいえばごく自然に習得するのではないか?」と思うのではないでしょうか。
「私だって、お母さんから特別に言葉を教わったという記憶はない。ごく自然に自分一人の力で憶えていったような気がする」と言うでしょう。同じことを古代原始人もヨーロッパ人も、東洋人も言うのです。そして、リンゴならリンゴを目で見て、いろいろな言葉で『りんご』と発音して、発語するのです。
これは、「左脳・前頭葉の働き」です。
「言葉」というものは、こんなふうにしてつくられるのです。
「右脳・前頭葉に物、事、事柄の像」が思い浮ぶ、次に、この像を「左脳・前頭葉の記号性の形のイメージ」(形象といいます)が言葉にする、というのが基本的なしくみです。
●右脳・前頭葉の像のつくられ方
「右脳・前頭葉」に思い浮ぶ像は目で見る「視覚」の神経系が中心になってつくられます。「中心になっている」というのは、視覚の神経のほかにもいくつかの知覚神経が働いている、ということを含んでいます。
そういう詳しい説明を省略して、とりあえず、「視覚の神経がつくる像」という言い方でお話させてください。
この「視覚のつくる像」は、二つの視覚神経が働いています。「Y経路」と「X経路」です。このY経路、X経路はちゃんとした専門用語です。仮の言葉ではありません。
- Y経路…「動きのパターン」を認知する。色は分からない。遠くを見る。
- X経路…ものごとに焦点を合わせる。色や光が分かる。近くを見る。
- 頭頂葉の「空間認知」…Y経路とX経路は、「距離」「角度」「方向」というそれぞれの認知の仕方とむすびついて働いている。
- ウェルニッケ言語野…触覚の認知をおこなう。
Y経路…遠くのものを小さく、時間を隔てて認知させる。
X経路…近くのものを大きく、時間を無くして認知させる。
- ゲシュタルト形態原理…
Y経路の視覚の対象を立体的な「形」(二・五次元の像)につくって思い浮べさせる。
X経路の視覚の対象を立体的な「形」(三次元の像)につくって思い浮べさせる。
●右脳・前頭葉の像とは、なぜつくられるのか?
■これがおおよその「右脳・前頭葉の像」のアウトラインです。
輪郭ということです。
ということは、「像」には内容があるということです。
「内容」というのは、目的や動機のことです。
◎右脳・前頭葉の「像」の内容と目的
女性…視床下部の「視索前野」…「子どもに言葉を教える」「男性(恋人、夫)に言葉を教える」「相手が喜ぶから自分も喜ぶ=人間関係をつくる」。
男性…視床下部の「背内側核」…「食べ物、安心の材料を手に入れる」「女性、子どもに空間認知の能力を教える…社会の中で自立して、単独の力で生きるための行動力を教える」。
女性と男性に共通…視床下部の「欲求」の中枢神経の「性をしたい」「食べたい」(性欲、食欲)を媒介にして共有し、共に、相手の心身が生きるための意識をつくる。
●右脳・前頭葉の言葉のつくられ方
■このような「右脳・前頭葉の像」を実現する必要のために、「左脳・前頭葉に言葉」がつくられています。なぜか?というと「人間は、右脳・前頭葉の像のとおりにしか行動できないから」です。「ほんとうかな?」と疑う人のために、スイスの発達心理学者・ピアジェの次のような説明を、証拠としてお伝えします。
- 生後数ヵ月の乳児は、おもちゃのような興味ある物が目の前から消えると、消えた物があった場所をいつまでも、じっと見つめつづける(注・大人がカバーをかけて隠す、など。0歳6ヵ月から0歳8ヵ月まで)。
- 0歳8ヵ月から12ヵ月になると、カバーをかけて隠した物は、カバーの下にあることが分かる。カバーを取り除いて、おもちゃを取る。
これは、人間は「右脳・前頭葉の像のとおりに行動する」ということの実証的な証明です。
すると、この「乳児」は、どうやって「右脳・前頭葉の像」の表現力を伸ばすのか?が気になりませんか?
ここのところを研究したのがボールビー(イギリスの精神科医)と、アメリカの発達心理学者エインズワース(女性)です。
「愛着…個人間の親密で情緒的な絆。暖かい情緒的なむすびつき。パートナーが近くにいることを維持し、必要に応じて接近するシステム。乳幼児の時期に形成されて、生涯つづく。」(ボールビー)
●生育歴の内容とはこういうものです
◎「ストレンジ・シチュエーション」(人見知りなど、不安定な愛着の測定とその分類)(エインズワース)
Aタイプ…母親が働くなどして、子どもの側にいない。子どもは不安定な情緒を諦める。母親を避ける。
解説…母親との関係を避けて、関係を壊す。ここで孤立の不安のイメージが思い浮ぶ。この不安を打ち消すために無制限の安心を要求して、相手をシバる美化のイメージをつくる。
Bタイプ…母親が側に居るとリラックスする。大喜びする。これは母親から離れていく不安をイメージしていることが根拠にある。母親が自分に関心を向けているかどうか?に過敏。自分に不調という不安をつくって、相手の関心を引き寄せる「美化のイメージ」を表象する。
Cタイプ…アンビバレント型。愛と憎しみの感情を同時にいっぺんにあらわす。母親に敵意を向け、しがみつき、泣き叫ぶ。「自分は否定されている」というイメージをつくると、これが「自分は肯定されている」という美化のイメージに変化する、という二つの像をいつも共時的に表象する。
Dタイプ…母親と父親の関係が不安定、もしくは母親自身が社会性の世界から孤立して「うつ状態にある」などの劣悪な関係がつくる「絶対的孤立」のイメージを表象する。行動する能力が発達しない。学ぶ、学習するなどの知性のための行動を壊し、この行動が止まること(マヒ状態)を美化のイメージとして表象する。
●日本人の「右脳・前頭葉」の像の実体
■欧米人は、このA、B、C、Dのタイプがつくる「右脳・前頭葉の像」が、現実の破壊の行動をつくることに気づいて、「左脳・前頭葉」に、英語の「5文型」のような文法形式をつくりました。
「第1文型:S+V」の形式です。
- S=主語
V=述語動詞
- 主語=命題(判断)において、それについて何か(述語)が述べられている当の項辞。
「人は動物である」という命題では「人」が主語(主辞。主概念)。
- 命題(めいだい)…これから証明しようとする一つの判断。
例=「地球は動いている。」
- 証明…命題について証拠をあげて真か?偽(ぎ)かを明らかにする。
- 証明の仕方…「演繹法」か、「帰納法」で証明する。
- 演繹法…一般的、普遍的心理、法則をもとにして特殊な例、事実を判断する。
例=①「人との別れは必ずやってくる」②「友だちとの別れもやってくる」③「両親との別れもいずれある」
- 帰納法…個々の事柄から一般的法則、真理を見出す。
例=①「孔子も死んだ」②「ソクラテスも死んだ」③「だから、人は必ず死ぬものである」
■しかし、日本語には、ヨーロッパ語に見るような「文法」の形式を、「左脳・前頭葉」につくっていません。
『ストレンジ・シチュエーション』のAタイプ、Bタイプ、Cタイプ、Dタイプの全ての「不安定な愛着」の像を、「右脳・前頭葉」に表象させています。「不安定な愛着」とは、「Y経路」の「ゲシュタルト形態認知」が無いということです。
●対人恐怖、対人緊張、対人不安のつくられ方のしくみと目的、及び狙い
◎日本語(和語)の構文(国語学者・大野晋による)
Y経路の認知…遠いもの。恐い。近づかない。近づくときは「尊敬語」を使う。
X経路の認知…近いもの。安心。快感を得るためにもっと近づく。もっと距離をなくすために「バッド・イメージ」の像をつくり、この「バッド・イメージ」のとおりに行動して現実を破壊し、この破壊の像と一致させる。すると「美化のイメージ」が活性化して「トカゲの脳のドーパミン」が分泌する。
■日本人のつくる「対人恐怖」「対人緊張」「対人不安」とは。「右脳・前頭葉」に中隔核か表象させる「現実を破壊」するためのバッド・イメージです。「対人恐怖」「対人緊張」「対人不安」のとおりに行動することが「破壊の行動」であることはよくお分りでしょう。そして、この「破壊の行動」のとおりに行動すると、「右脳・前頭葉」に快感のドーパミンとともに「美化のイメージ」も思い浮ぶこともよくお分りでしょう。
日本語は、このようなメカニズムの上でつくられています。日本語の構文は、それぞれの日本人に、「不安定な愛着」のAタイプかBタイプか、Cタイプ、もしくはDタイプをつくります。
このことがよくお分りいただければポルソナーレの『谷川うさ子王国物語』の「日本語トレーニング・ペーパー」が日本語を正しく使って、正常な日本語の使い方と、ここでの正常なドーパミンの分泌のさせ方を学べることもお分りいただけるものとおもいます。
ぜひ、一日も早くご入会なさって学習におとりくみください。
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