みなさん、こんにちは。
全日本カウンセラー協会・ポルソナーレの谷川うさ子です。
●ある「うつ病」の女性のケース
山田京子さん(仮名・32歳。保育士)は、うつ病でした。抗うつ薬を服用していました。家族と一緒に暮らしています。地域は、太平洋側のある地方都市です。
自分で「うつかな?」と考えた理由は、一人で部屋にいるときに、無気力になったことです。洗濯や部屋のそうじ、後片付けがやる気にならず、3週間も放置してきたことが「うつかな?」と思った理由でした。
部屋のベッドに横になると、テレビをぼんやりと観たまま、なかなか身体を起こすことができません。テレビが面白そうな番組をやっていると、観たままの姿勢から次の行動に移ることができません。
お風呂に入らずに寝ることもしばしばあります。お風呂に入るという行動すらもおっくうになり、めんどうに感じます。「冬だから汗をかいているわけじゃなく、臭いが出てくるというわけじゃないし」…といいわけを自分にするということすらもめんどうに感じました。
ふだんならば、活力を感じながら行なうことを、何もせずにほったらかすことにひそかな喜びを感じ、嬉しくも感じたことが「ひょっとしてうつかな?」と思ったことでした。
山田京子さんが「自分はうつだった」という行動をふりかえってとらえた「うつのマイナスの面」とは、次のようなものでした。
●「うつ」のデメリットをカウントしてみましょう
(1)「行動が止まる」
- そうじ、せんたく、入浴など、ふだんの生活の中であたりまえにおこなっていることの行動が止まる。「疲れるし、楽でいいよ」「洗濯の倹約にもなって、支出が抑えられてちょうどいい」「入浴だって、毎日コストがかかるのだから、何もしないことはとってもいいことだ」と喜びすらも感じた。
- じっと動かずにいると楽だと感じる。頭の中の憂うつ感が晴々して気分がよくなる。歩いていると、電車の中でも嫌なこと、心配なことの思いが浮んできて、なんだか元気もなくなっていた。ベッドに横になると、そんな気分の落ち込みが少しずつ消えていき、安らかな気持ちになる。
(2)「行動が受け身に変化する」
- 母親が「お風呂、沸いているよ」と言う。入りなさい、とは言わない。強い調子で言うと、京子さんは突然、感情的に反発して言い返すことを知っているからだ。何だか様子が変だとは感じているが、自然に、そのうちに元気になるだろうと、ひとりで思っている。
- 京子さんは、「お風呂、沸いているよ」という母親の言葉にもドキッと緊張する。
何を言っているのか?がすぐに理解できないからだ。
もちろん、「お風呂、沸いているよ」という言葉はちゃんと聞こえている。その言葉の内容もよく分かる。
だが、「風呂に入っている自分の姿」が思い浮ばない。湯舟につかって身体を温めている自分、頭も洗髪してサッパリしている自分、のイメージが思い浮ばない。入浴の喜びが思い浮ばない。頭がサッパリして軽やかになった実感が思い浮ばない。母親の言葉は、電車のアナウンスのように耳に入ってきてそして記憶に残らずにどこかへ消えていく。
- 京子さんは、「転職しよう」と思いつく。仕事が苦痛に感じられるからだ。もう何年もやっている仕事だから、難しいということはない。仕事の最中に、あの仕事もいいかな、あんな仕事もいいのではないか?というイメージが思い浮んできて、肩がこるし、ひどく疲れを感じてきた。
この仕事を辞めさえすれば、この辛い気分から解き放たれて自由になれる、という思いが魅力的に輝いて感じられる。辞めたときの自分をイメージすると活力を感じて本来の自分らしさを取り戻せるように思える。
- 京子さんは、仕事を辞めた。母親は、この大不況の中で辞めてもすぐに仕事はない、仮にあったとしても慣れない厳しい仕事ばかりで、求められる仕事の水準はびっくりするくらい高いはずだし、比べて収入も激減するはずだから、考え直した方がよいと忠告した。だが京子さんは、毎日の仕事の中の苦痛は耐え難いと感じるまでになっていた。朝、仕事にサッと取りかかれない。
仕事の書類をボンヤリと眺めて午前中が過ぎていく。
上司がたびたび呼んで、別室で「体調はどうかな?」と心配する。京子さんは、上司から監視されているのではないか?という意識が強くなった。
仕事にけんめいにとりくむが、やがて吐き気がこみ上げてくるようになった。
- 京子さんは、仕事を辞めてから朝、起きられなくなった。
一日中、ベッドに寝ていて食事も摂れなくなった。母親が、病院に連れていった。
「うつ病です」と診断されて大量の抗うつ薬を処方された。
●「うつ」を治すことのメリットをカウントしてみましょう
山田京子さんが、ポルソナーレのカウンセリングとDVD通信教育の「カウンセリング講座」を受講して、「うつ病」を回復させた「プラス面」とは、次のようなものです。
(1)「行動を言葉の筋道をたどっておこなえるようになった」。
まず、ポルソナーレから、入会時の無料カウンセリングで「受験のテクニック」(ハーバード流交渉術による問題作成者のものの考え方との交渉戦術)を伝授してもらった。ある公共機関への就職のための試験を受けた。試験の問題は、さっぱり頭に入らなかったが、不思議なことに試験には合格した。
収入は、前の仕事よりもほんのわずか少ないくらいだが、しかし、毎月、安定した収入を得られるようになった。
(2)「人間関係が安定した」。
人間関係で大事なこととは何か?をDVD通信教育で学べて、実践したら、とても快適になった。
それは、必ず、「ありがとうございます」と言うことだ。
仕事の説明を受けたとき、仕事のミスを指摘されたときに、必ず「ありがとうございます」と言った。これまでは、たぶんここで嫌そうな顔をしたにちがいないと自分でも驚くべき変化だった。
相手は、誰もが京子さんにたいして親切になり、敬意をもってていちょうに扱ってくれるようになった。
(3)「会話の中で思考が明晰になった」。
人間関係の中で大切なことは何でしょうか?」をテーマに、カウンセリングを受けた。「共感しながら相手の話を聞くことだ」と教えられた。相手が話しているときに、相手の話の中の取り出して「自分も同じようにくりかえして口に出して言うことだ」ということだった。やってみると、相手は、とても親密に打ちとけてくる。まるで、10年来の付き合いの間柄のように、自分はよく理解されているという親愛の情をこめて話してくれる。今までの自分は、ここで、「じつは、私」と、自分のことを話していたにちがいない。
そういう気持ちになるのをじっと抑えて共感する会話の仕方をするようになったら、相手の理解や、相手のもっている豊かな知識の世界が自分のものになって、一冊の本を読むような安定感や安全感を感じられるようになった。
●「うつ」を治すと、こういう良いことがあります
「うつ」を治したことによるメリットを比べてみましょう。
山田京子さんの「うつ」のケースをとおしてお分かりいただけることは、「うつ」を治した方がメリットの数が多い、ということです。うつ状態のデメリットは、二つでした。メリットは三つです。その内容は、経済的なメリット、安全であることのメリット、人と仲良くできて、楽しい関係をつくれるというものです。さらに、思考が明晰になり、不安なイメージ(人から孤立している不安)は全く消えています。もし、うつ病のままならば、収入が無くなり、生活を親に依存して、自由に好きな買い物もできなくなります。自分で自分の生き方を決めることができなくなります。
このような比較から分かることは、「うつは治した方が自分にとって得である」ということです。
あなたも、自分の「うつ」を治すための行動を起こしませんか?
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