みなさん、こんにちは。
全日本カウンセラー協会・ポルソナーレの谷川うさ子です。
●「占い」「予言」とは何か?
樺旦純(かんばわたる。思考心理学者)の『人はなぜ「占い」や「超能力」に魅かれるのか』(PHP文庫)に、「占いはどれだけ当るのか?」について次のように書かれています。
(1)ここで、あなたの性格や、今、悩んでいることを当ててみよう。
A・「あなたは、人前では明るくふるまっているが、じつはびくびく怯えることがおおく、傷つきやすい」
B・「あなたは、他人からはしっかりしていると思われているが、一人になると危険なことを考えたり、後ろ向きのことを考えることがおおい」
C・「あなたは、友人はたくさんほしいと思っているが、今いる親しい人に心から打ち解けて全面的に心を開くことができないでいる」
D・「あなたは、人に好かれたいと思っているが、しかし好かれるための行動や言葉をうまく表現できずに、人から誤解されやすい」
E・「本当のあなたは、自分を大切にしてくれるドラマの主人公に憧れているロマンチストで寂しくてしかたのない人だ。仕事、生活の中や、恋愛や結婚のことで自信がないという悩みで心が揺れている」
●バーナム効果
これは、私(樺・かんば)が透視した「あなた自身である!!」というのは真っ赤なウソで、適当に書いた文章である。
どんな人にも「そういえば自分にも当てはまる」と感じるように書いただけなのだ。A、B、C、Dの全ての項目に「思い当る」と感じた人は、「運勢」や「姓名判断」「占い」「予言」の言葉に強い関心をもっているか、簡単に信用しやすい人ではないだろうか。
(2)A、B、C、Dの文章のように、誰にたいしても「自分に当てはまる」と感じさせることを「バーナム効果」と呼ぶ。
人気のあった「バーナム・サーカス」が「誰にも喜ばれる出し物がある」と評されたことに由来している。「占いの本」「占いの言葉」も同じで、どの項目も「誰にも必ず当てはまりそうなこと」が書いてある。
(3)「バーナム効果」をもつ「言葉」「文」「文章」には次の二つの特徴が共通している。
特徴の1…漠然とした曖昧な表現である。具体的な事実を指す名詞や理由にかんする説明はない。
言い放しで、責任のない、どうとでもとれる解釈しだいでいろいろな判断行動の可能性があるのに、しかし断定している。
特徴の2…生きている人間ならいつの時代でも、どこの社会の人間でも思い当る悩みのエピソードがたくさん列挙してある。同じ環境にいわば誰にも必ず当てはまるエピソードが過去の記憶を想起させる。
(4)これらは、「予言が当ったと思わせるテクニック」でもある。
心理学者スナイダーは、「人々」の「心理学の性格検査」や「占い」を受け入れるという「受け入れ方」に違いがあるのか、どうか?を調べた。
対のような実験をおこなった。
被験者たちを四つのグループに分けた。この四つのグループの人々に「同じ内容」の「性格検査」を行なった。
この「性格検査」の後、その「性格検査」のテストの種類を次のように付け加えて、検査の結果を伝えた。
aグループ…心理検査(投影法)
bグループ…筆跡学による性格診断
cグループ…占星術による性格診断
dグループ…「一般的に当てはまること」と告げて、診断の記述文を渡す
●スナイダーの「バーナム効果」の分析
そして「診断の結果が、自分の性格と合っていますか?」と尋ねた。その回答は、aグループ、bグループ、cグループは「自分の性格に当たっている」と答えた人が多かった。しかし、dグループの人は、「自分には当てはまらない」と答えた人が多かった。
人は「これがあなたの性格です」と特定されると「受け入れる自分のエピソード」を想起させる。しかし、「これは一般的に、多くの人に当てはまることです」と言われると、必ずしも「自分の体験」から当てはまるエピソードを想起させるとは限らない。
●日本人の「バーナム効果」のモデル
(5)心理学者スナイダーらが「バーナム効果」の研究に用いた「誰にでも当てはまるバーナム効果の文」から応用した日本人向けの「バーナム効果」のモデル
- 「あなたは誰からも好かれるし、必要とされる」
- 「あなたは、自分らしい魅力と個性をもっているのに、それを人に分からせる努力を怠っている」
- 「あなたの人から愛されるあなただけの魅力に、ひそかに気づいている人がいる」
- 「あなたの個性的魅力は、ひとたび発揮されるとまわりの人の心が震えて、あなただけを見詰めるが、しかし、その機会が目の前に来ているのに気がつかないことがおおい」
- 「あなたには、性的にぴったり合う人がいるが、経験不足のために、自分の性的な魅力に確信をもてないでいる」
- 「あなたの将来は非常に可能性に満ち溢(あふ)れているが、不運な人物の影響で制限を受けるという心配がある」
- 「あなたは、時々、自分の話したことや行なったことが、正しかったかどうか?で悩むこともあるが、おおむね喜ばれて、心の拠り所にされている」
- 「あなたは、いずれ劇的に変化してドラマティックな変貌をとげる人ではあるが、その日のために今は現状に満足している」
- 「あなたは、自分の判断力がよい結果をもたらすことを知っているが、そのことに気づいている人は少ない」
- 「あなたは、自分のことを他人に知られすぎることは賢明ではないと思っているが、あなたを必要としている人に伝える努力が不足している」
- 「あなたは理想とする目標をもっているが、考えすぎて目標から遠ざかり、実現に遠回りしている」
- 「あなたが小さい頃に抱いていた望みはたいてい実現したが、新たな望みができたために不安を感じている」
- 「あなたの日々の目標は生活の中の安全だが、しかし、勇気があれば全てを投げ打って脱皮したいという思いを抱えている」
●日本人の日本語による脳の働き方の解説
■ここにのべている「日本人向けのバーナム効果」は、もちろん、適当につくった「文」です。
この「文」の根拠は、日本人の「脳の働き方」にもとづいています。
それは、どういうものか?ということを少し説明します。
- 脳は、大脳新皮質、大脳辺縁系、脳幹の三層になっている。
- 言葉を生成するのは、大脳新皮質の中の「前頭葉」である。
- 前頭葉は、右脳、左脳の二つがある。
- 前頭葉にはイメージが表象する。
- 右脳・前頭葉には「像」が表象する。
- 左脳・前頭葉には「形象」が表象する。
- 左脳・前頭葉の「形象」は「言葉」「言語」になる。
- 右脳・前頭葉の「像」は「言葉の意味」になる。
- 「右脳・前頭葉の像」は恒常性として表象しつづける。
- 古代ギリシア哲学から近代哲学まで、「右脳・前頭葉の像」を「正しい言葉の意味」にするために、例えば、「英語の5文型」にみるような「規定態の形式を与えてきた(注・ヘーゲルの『精神現象学』はこの規定態の正しい発展のさせ方を解明したものである)。
- しかし、日本語(和語)は「右脳・前頭葉の像」を「言葉の意味」とはみなしていない(注・ここでいう言葉とは『概念』のことである)。
- では、日本語(和語)は、どういう「像」を「右脳・前頭葉」に表象させているのかというと、スナイダーの「バーナム効果」に倣った「日本人向けのバーナム効果の例」(注・1から13までの「文」)のとおりの「内容」のイメージである。
●『谷川うさ子王国物語』のご案内
■このような「右脳・前頭葉」の「像」を「言葉の意味」にしているのが日本人の使う日本語(和語)です。
解説すると「扁桃核」を中心とする「美化のイメージ」であり、「中隔核」のつくる「美化のイメージ」です。
このような実体の日本語(和語)を「概念」とその意味の「像」に変えるのが『谷川うさ子王国物語』のテキストです。
ぜひ、学習をおすすめします。
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TEL・東京03(3496)6645
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