みなさん、こんにちは。
全日本カウンセラー協会・ポルソナーレの谷川うさ子です。
●あなたの不安はどれですか
あなたの「不安」についてご一緒に考えてみましょう。
「不安」は、三種類あります。
一つは、「正常な不安」です。
もう一つは「病的な不安」です。
三つめは、「進化する不安」です。
一つめの「正常な不安」とは、どういうものでしょうか。
「5W1H」に当てはめてみると、ぴったり当てはまる内容をもつ「不安」です。
- 「5W1H」
- 「いつ」…「いつのことか?」「何年何月、何日、何時のことか?」
- 「どこで」…「場所はどこか?」「どういう施設、建物の、どんな空間のことか?」「地域はどこのことか?」
- 「誰が」…「主体となる人は誰か?」「実行した主体は誰か」「判断した主体は誰か?」
- 「何を」…「対象は何か?」「対象は、誰が、どのように確認したものか?」「対象の名称、その内容とはどういうものか?」
- 「なぜ」…「原因は何か?」「理由は何か」「目的は何か?」
- 「どのように」…「どういう経過をたどったのか」「どういう手段を用いたのか」「どういう方法でかかわったのか?」
この「5W1H」の各項目にあてはめて、説明が成立すれば「不安の理由」も「不安の原因」もよくつかめている不安です。
こういう「不安」を、「一般化された不安」といいます。ふだんから予測できるので、知的な対象にすることができる「不安」です。専門の知識を学ぶことで「不安」の内容を分かることができて、理性的な安心を持つことができます。
●病的な不安
二つめの不安は「病的な不安」です。
「5W1H」の各項目にあてはめても、「5W1H」による説明がつかない内容のイメージが思い浮びつづけます。「自分はこういう不安な気持だ」ということを説明できても、「なぜ、こういう不安を思い浮べつづけるのか?」の理由をつかめません。
- 例
- パニック不安…「突然、息苦しくなる」「突然、その場から逃げ出したくなる」「突然、なにもかも放り投げて止めたくなる」「突然、思考が混乱し、叫び出したくなる」。
- 全般性不安障害…「いつ、どこの、どういう状況でも、自分のグチ、不満のことを言ってしまう」、「相手の話を全て否定的に受け取り、攻撃的に話す」、「自分が不利になること、自分が困ったことになることが見えなくなって、そのとおりに話したり行動する」。
- 「社会不安」…「外出することに不安がある」、「学習など知的活動に集中できず、続かない」、「他者と安心関係を保てず、いつの間にか自分から関係を壊す」、「コエーとか、チョーとか、要(ヨー)は、など無意味な感情の音声チックといわれる発声で、会話を壊す」。
- 「単一恐怖」…「○○が怖い、だから△△をしない」、「○○が嫌だ、だから何もしないことが一番いいことだ」。
- 「強迫性障害」…「○○のことの心配のイメージが、いつでも、どこでもリアルに思い浮ぶ」、「過去の○○の嫌なことがいつも思い浮んで、その○○のことを話して確かめずにはいられない」「この△△のことをしなければ自分に悪いことが起こる…だから△△のことの行為が止められない」。
●進化する不安
三つめの不安は「進化する不安」です。「不安」とは、右脳・前頭葉に思い浮ぶイメージのことです。例えば「ガスストーヴの火を消したか?」と心配するとしましょう。「赤々と燃えつづけているガスストーヴの像がいつまでも消えずに、思い浮びつづける」のに、気になる不安の像を心的な眼でじっと見詰めながら、しかし「仕事をしている」「人と話している」「勉強をしている」という心的な状態が「不安」です。
「不安が進化する」とは、例えば、「ガスストーヴの火を消したかどうか心配だ」というときに思い浮びつづけている「赤々と燃えているガスストーヴ」のイメージが優勢になることをいいます。
この思い浮んでいるイメージのとおりのことを言葉に出す、あるいは、思い浮んでいるイメージを目的にして行動する、または、思い浮んでいるイメージを理由にして現実(仕事、勉強、人間関係などの一般的な行動)を否定する、ということが「不安の進化」です。
●「不安」の発生の仕方
「不安」とは、そもそも何でしょうか?直接的な不安の実体は、イギリスの精神科医・ボールビーが提唱した「母子関係の情緒的な安心のシステム」の『愛着』が不安定であったことが原因でつくられます。
不安定な『愛着』を測定して分類したのは、アメリカの発達心理学者(女性)のエインズワースです。エインズワースは『ストレンジ・シチュエーション』という『愛着』の測定法を開発して、4つのタイプに分類しました。次のとおりです。
Aタイプ…安心の対象の母親に無関心。成人すると、他者と協調して話せない、行動することができない。他者と生活しても、自分の安心のイメージの世界に閉じこもる。
Bタイプ…安心の対象の母親に執着する。依存して、離れられない。成人すると、安心の対象が自分を見離すのではないか?という猜疑心の目を向ける。
Cタイプ…安心の対象に「好意」と「敵意=攻撃」の両方の感情を向ける。アンビヴァレンツ型(両義的な価値を同時に抱え持つこと)という。他者と一緒に生活すると、相手を虐待するか、もしくは自分を破滅させる。
Dタイプ…安心の対象の母親が、初めから不安と緊張を及ぼす。行動によって自分の安心を手に入れるという能力が育たない。
●不安は、なぜ起こる?
「不安」は、右脳・前頭葉に思い浮びます。「赤々と燃えるガスストーヴ」のように、具体的な形をともなった像が思い浮びます。目で見ているような「視覚の像」が思い浮びます。この不安を感じる「視覚の像」は、なぜ、思い浮ぶのでしょうか?
人間は、誰でも「気持」が安心しないとちゃんとものを考えることができないということを本質にしています。イメージを思い浮べて安心することを「気分による安心の経路」といいます。
◎気持ちの安心の経路
- 感情…身体に直接、快感か痛みを感じて安心する(性、食べること、飲むこと、スポーツなど)。
- 心情…人間関係によって安心する。「愛着」がベースになる(相手が喜ぶから自分も喜ぶ。笑顔、親切・思いやり・優しさ・思いやりの言葉)。
- 気分…きれいなもの、美しいもの、勢いのあるもの、珍しいもののイメージを思い浮べて安心する(夕焼け空、お花、ペット、性の対象、現実と一致する言葉の『意味』)。
人間の「安心」の中では、3の「気分」の経路による安心が最も高度なものです。「右脳・前頭葉」に表象します。この「右脳・前頭葉」に思い浮ぶ像は、「目で見る」という時の「視覚の記憶」でつくられます。
目の視覚のつくられ方は「Y経路」と「X経路」という自律神経の働きがつくります。
◎右脳・前頭葉に思い浮ぶ「視覚の像」のつくられ方
- Y経路…遠くのものを立体的に認知する。動いているもののパターンや、ものごとをまとまりのある統一したものとして認知する(ゲシュタルト形態認知という。三次元や、二・五次元という空間のとられ方をする)。
- X経路…ものごとに焦点を合わせて認知する。近くのものを認知する(遠くのものは、近くにあるように、クローズ・アップさせて認知する)。
「不安定な愛着」は、母親をベースキャンプにして、自分の力で行動して、現実を「探索」できないということを意味します。
これは「視覚の記憶」の中に「Y経路」による認知が無いということです。ここを正しく理解しましょう。
エインズワースの『ストレンジ・シチュエーション』はアメリカ人の母子関係のものです。欧米人は、不安定な「愛着」を、英語の「5文型」に見るように「左脳・前頭葉」に規定態(文法の型のことです)を与えて、言葉の「概念」の力によって克服を試みているといえます。
●日本人であるあなたの不安のしくみ
しかし、日本人は、国語学者・大野晋が解明しているように、「Y経路」の三次元の対象を「遠いもの」と認知して、これを日本語の「構文」にしています。
◎日本語の「構文」の基本型
- 「遠いもの」…恐怖の対象だ。だから近づかない。しかし、遠いものには価値がある。だから敬して遠ざける。
- 「近いもの」…安心と快感の対象、だから近づくし、内に取り込む。しかし、近いものには価値がない、だから尊大、見下しの対象として扱う。破壊することもある。
日本人が右脳・前頭葉に思い浮べる「安心のイメージ」は、この「近いもの」が原型になっています(X経路の認知の対象です)。
◎日本人の「安心のイメージ」のつくられ方の例
- 「貴様」…始めは、殿様に言う言葉だった。これが内なる関係に向かって話されると「貴様と俺の間」「貴様は盗人か!!」などのようにののしり語に変わる。
- 「お前」…もともとは、「御前」は、「神様の前」の意味だった。これが、内なる関係に向かって話されると「お前」、「お前ら」というようにイバリ語、見下し語、相手を従属させる語、に変わる。
●不安の目的と効果
日本人の不安のイメージもこのようなメカニズムで表象されます。
「強迫神経症」のような「不安のイメージ」は、「Y経路による遠いもの」に相当します。この「不安のイメージ」は内(うち)なる「安心のイメージ」と対応しています。脳は、「快感原則」が働いていることが脳の働き方のメカニズムになっています。
すると、どうなるでしょうか。
先にあげた「赤々と燃えているガスストーヴ」の不安のイメージでいうと、「いつでも、どこでも、どういう状況でも思い浮ぶ」という表象の仕方をします。
人と話している状況で思い浮べば、この「人と話すこと」を破壊して「安心」という「美化のイメージ」を喚起し、ここでドーパミンを分泌させるのです。「対人不安」の状況ならば、顔のひきつり、目のひきつり、顔の歪みをつくり、これを見た相手がギョッとした顔をします。これが「関係の破壊」です。この「関係の破壊」を目にすると、「困ったな」と思いつつも、「自分は、相手を支配した」という尊大の美化のイメージが喚起し、活性化して「A9神経」が「トカゲの脳=中隔核」にドーパミンを分泌させるのです。
●これまでの治療と療法は、こんなふうに間違っている
現在までの「不安症状」や「恐怖の症状」への治療および療法は、「ストレス解消」…「疲れていますね」「お休みください」「ムリしない方がいいですよ」というものでした。しかし、不安(恐怖も)は、美化のイメージを目的にしているということを理解すると、「美化のイメージ=弛緩」ですので、対策は逆でなければならないことがよく分かるでしょう。
「美化のイメージ」を「よい意味の精神的緊張」に変えるという対策が必要です。
イメージ療法でそのようなプログラムを組み立てると、わずか10分くらいで変えられます。
ポルソナーレは、ご希望の方には、そのようなイメージ療法を、一人ずつの個人別のプログラムによって適用しています。
すると、例にあげた「赤々と燃えるガスストーヴ」の不安と、「現実を破壊した結果」の美化のイメージが「最良の精神的緊張をもつ自己」に変わって、強迫観念そのものが解消します。
ご希望の方は、ぜひ、お申し出ください。『お試しカウンセリング』として実施いたします。
●『谷川うさ子王国物語』のお試しカウンセリングのご案内
しかし、このイメージ療法は、あくまでも対処療法です。「不安定な『愛着』のAタイプ、Bタイプ、Cタイプ、Dタイプ」のうちどれが不安の原因か?をつきとめなければなりません。
その上で、「一般化された日本語」の正しい使い方と、知的な使い方の両方を学習する必要があります。
『谷川うさ子王国物語』は、そのための学習用テキストです。
ご入会していただけば、谷川うさ子さんは、喜んで「不安」(恐怖も)のイメージを即効で解消します。カウンセリングは予約制です。ぜひ、お早目にお申し込みください。
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■電話・東京03(3496)6645 |