ポルソナーレのサイト内検索
全日本カウンセラー協会・ポルソナーレのマスターカウンセリング
読むだけで幸せになる手紙 |
---|
わたしは、結婚して3年目になる主婦です。子どもは、2歳になる女の子がひとりです。 購入したマンションに住んでいます。 しつけの厳しい父親が、早く結婚して家を出て行けと言うので、見合いの相手と結婚しました。 夫とは、結婚の当初は、別々の部屋で離れて寝ていました。顔を見て話すことも、笑って夫の話を聞くこともありませんでした。 マンションには、小さい子どもをもつ女性が何世帯かがいます。子どもを、公園に連れていって遊ばせるのであいさつをしたり、話をして「ママトモ」になります。 いつも顔を合わせる若い主婦が2人います。 ひとりは、実家で美容院を経営していたという女性です。わたしはこの人とは気楽に話せます。 ところが、もうひとりの女性のきつい言い方にどうしても合わせることができません。 わたしは、一日を部屋の中で過すようになりました。子どもがまだ小さいので、世話をすると、心が慰められます。 マンションは三階の一室です。ベランダごしに空が見えます。雲の流れや時刻の移りゆきで空の色が変わるのをボンヤリと眺めます。夕方になり、子どもを外に連れて行こうと部屋を出ると、公園のあたりからニガテな女性の声が聞こえてきます。もうひとりの女性の楽しそうな笑い声も聞こえます。 この声が聞こえてくると、頭の中がまっ白になって凍りつくのです。 このままガマンして無理にでも公園に行こうかと思います。 そのニガテな女性が、横目でまるで嫌なものでも見るように、目を細めてじろっと見る表情が思い浮びます。 わたしはよっぽど嫌われているんだなと思うと、涙が出てきます。買い物に行くときは、どこの家でも夕食の仕度をする時刻にこっそりと、人目をしのんで出かけます。ほんとうは、サングラスにマスク、顔を半分包みこむマフラーを首に巻きつけて、あたりをうかがって部屋を出たいのですが、まだ、さすがにそこまでは実行できないでいます。 そのかわり、スマートフォンのアプリをじっと見ているフリをして、まわりのことに気がつかないことにして出かけます。 わたしは、友だちがいないので辛いのではありません。あの人は、友だちがいない人なんだね、と思われるのが悲しくて辛いのです。独身で仕事をしていたころは、お昼ごはんをいっしょに食べる人がいないので、ずっとお昼ご飯を食べずにすごしました。みんなが、スマホの画面を見ながらも、お互いに時々、顔を見合わせて楽しく話しているのを見ると、うらやましくてしかたがありませんでした。 今、中学時代も、楽しく話せる友人が一人もいなかったことを思い出して胃がムカムカしてきます。 ある日、寝ている子どもの首を絞めかけました。 ベランダのガラス越しの空にピンク色の物体がサッと横切って通っていくのが目の端に映りました。 「そういうことはおやめなさい」。 声が聞こえたような気がします。今のは、谷川うさ子さんだったかな?という気がしました。 また、別のある日。 帰宅した夫を、あまりの淋しさに鬼のような顔でニラみました。激しく文句を言い、どなり散らしました。 夫が怒ったので、なぜかパワーが出てきて、足で蹴りました。 なにかの気配を感じて、ベランダのガラス越しの夜空を見ました。まるいお月さまを背にしてピンク色の物体が浮んでいました。サッと消えました。 「そういうことは、おやめになったほうがいいですよ」 声が聞こえたような気がしました。谷川うさ子さんだったのかもしれません。 |
谷川うさ子さん |
ポルソナーレからのアドバイス 夕立鳴子さん(28歳・仮名)の物語です。 日本人は、人間関係を内扱いという関わり方でつくります。内扱いの原型は、アメリカ人などがおこなう「ハグ」や「おやすみなさいのキス」です。触覚の知覚のつながりです。欧米人は、言語の文法のしくみが、論理的な言葉中心なので、人間関係にもおのずと距離が生じます。 そこで、「親愛なる」とか「愛しているよ」とかわざわざ言い表して触覚の知覚で「親しさ」というものをことさらにアピールします。 日本人どうしが、道路や駅でハグをしている光景を見かけます。日本人どうしのハグは「内扱いの強化」というものです。 かくべつ「親愛の表現」ではありません。ほとんど、触覚が強調されて性的な接触に近くなります。 ポルソナーレのアドバイスをいただいて、わたしは、夫に、淋しいという気持ちを話しました。 こういうことは、今まで誰にも言ったことがなかったのです。 言えば嫌われるだろうと思えて言えなかったのです。 夫は言いました。 「ごめん。ぼくも、どんどん話しかければよかった。ぼくも嫌われていると思って、家に帰ってくるのに心が重かった」。 夫は、職場であったことや、新聞で読んだことを話してくれるようになりました。 夫の話を聞くと、いつも夫の頭上を、谷川うさ子さんがサーッと通り過ぎていったような、ピンク色の彩りがただよいます。 このごろは、公園で、「ママトモ」3人でお話を楽しめるようになりました。 |
谷川うさ子さん |
←前へ 次へ→