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全日本カウンセラー協会・ポルソナーレのマスターカウンセリング
読むだけで幸せになる手紙
自分はダメだと卑下するのはイバリの行動スタイル日本語のルールに謙譲形がある。 |
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津々地咲子さん(40歳・仮名)は、結婚して子どもが生まれました。男の子です。 まだ0歳8ヵ月です。子どもを乳児施設に預けて働いています。働くことが結婚の条件でした。夫は、何も言いません。 「ほんとうは、働くのは止めろと言ってほしかったのです。仕事、育児、家事の全部に自信がありません。 津々地咲子さんは、出版社の経理事務をしています。上司の女性から仕事を指示されてとりくみます。 「わたし、上司の言っていることがすぐに分からないのです。理解するまでに、長い時間がかかります。 質問すればいいのですが、何を聞けばいいのかが分かりません。だから分かったようなフリをして、仕事にとりくむのです」 津々地咲子さんは、仕事で指示されたこと、説明されたことがよく分からないのは、いつか、誰か助けてくれると思っているからです、と言います。 津々地咲子さんは、出産の時は、実家の母親にお世話になりました。4ヵ月ほど実家にいました。 「母親は、どんなことでも自分で判断してサッと動きます。会社の先輩も人から言われなくても目的をちゃんと分かって仕事にとりくんでいます。 わたしは自分ではこうしたいとか、自分の考えはこうだということを言えません。言いたいことが心の中で重く固まって、ナマリのようにはりついています。 息が苦しくなり、全身が疲れきってしまうのです」 津々地咲子さんは、実家の母親には気持ちのままに大声を出し、叫び、怒鳴ったと言います。 「会社では、自信がない、人にどう思われているかばかりを気にする、思っていることを言うと先輩の女性は自分の考えを言う、ここで自分の考えを捨てるので苦しくなります」。 |
谷川うさ子さん |
ポルソナーレのカウンセリングです。 物語の事例の女性の津々地咲子さんの問題は、「自分に自信がない」というのがご本人の説明の主旨です。 しかしよく説明を聞くと、「自信がない」というのは「会社」「仕事」の中でのことです。「夫」「子ども」「実家の母親」には自分の思うがままにふるまい、接しています。本来、生まれたばかりの子どもは、脳の発達と心身の成長のしくみからみても、せめて一歳半くらいか二歳までは同期と同調を中心とした愛着形成のために密着して過すことが望ましいのです。ここでは、子どもと夫が犠牲になっているといえなくもありません。その上での「自信がない」というのは、「これが私というものなのだ」という尊大を現わします。 日本語の謙譲表現は、たしかに自分を低く扱うこと、自分を卑下することです。これは、自分の目の前の相手に対しての謙譲(待遇表現)です。待遇すべき相手を「そういう人は存在しない」とイメージから消せば、「誰かが助けてくれる」「誰かがわたしの面倒をみてくれるのが当然」という行動の仕方に変わります。「認知による行動のみの成立」といいます。これは、自分の「欲」「感情」と一致するものと関わり、一致しないものとは関わらないという「非待遇表現」といいます。 「わたしはポルソナーレのアドバイスをいただきました。自分の心の中で思っていることが本当の自分で、表面に見える自分は人のことを気にする仮面の自分だという二律背反の自分を改善するというアドバイスです」 二律背反はカントの言葉です。アンチノミーといいます。理性中心の思考のことです。日本人は、このアンチノミーを自分の「欲」「感情」中心にして現実を分かろうとします。 津々地咲子さんは、理性(秩序)にこそ人間の心身の健康の土台があることを理解しました。 仕事を休職して子どもを育て、夫の話をしっかり聞いて、幸せに暮らしています。 |
谷川うさ子さん |
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