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全日本カウンセラー協会・ポルソナーレのマスターカウンセリング
読むだけで幸せになる手紙
見るだけ、聴くだけ、触るだけでは
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五月野風子さん(22歳・仮名)は、音楽大学の学生です。 地方から上京して、アパートで生活しながら学校に通っています。ピアノを演奏するのが専門です。 「学校に行くかたわら、ピアノの先生の教室でアルバイトをしています。中学生や高校生の生徒にピアノを教えるアルバイトです」。 五月野風子さんは、生徒にピアノを教えるとき、どんなふうに教えたらいいのかが分かりません。どう説明していいのか、どう指示すればいいのか?が分からないのです。そこで、五月野風子さんは、自分でピアノを弾いてみせます。 「このとおりにやってごらん」といいます。 生徒が中学生の女の子のときは、「できません」と言います。五月野風子さんはここで困ります。 ピアノの前でじっと身体を固くしている女の子の顔を見て、心の中で、じゃあ、あんた何しにここに来たの?と思います。すこし、怒りの気持ちもこみあげてきます。 生徒が高校生の女子の時は少し様子がちがいます。 高校生の女子は、もう何年もここの教室に通ってきているので、楽譜を見ながら楽曲を弾けます。ちゃんと譜面も読めます。 「弾いている曲を聴くとどこまでこの曲を理解しているのか?が分からないのです」 長音階と短音階の意味を分かっているのかしら?とおもいます。 思うだけで、尋ねてみるとか、質問してみるということができません。 そこで自分でピアノを弾いてみせます。 「このとおりにやってごらん」といいます。 その生徒も「できません」と言います。 そして、練習のためにとか、習いにくるとかのために教室に来なくなるのです。 五月野風子さんは、小さいころからピアノを弾く練習をしていました。家にはピアノがありました。 母親が買い与えたのです。 母親は「ピアノの練習をしなさい」と言いました。 「やったよ」と言います。 「それじゃ練習したことにならない」と母親が言います。母親がいいと言うまで練習をさせられました。 「母親が違う、いい、と言います。自分なりの判断の基準というものがもてなくなったのです」。 「親もとから離れてひとりで生活するようになりました。ひとりで人間関係をつくるようになってみると、わたしは、人から何か頼まれると嫌だと言えないのです。こころの中では怒りながら頼まれたことをひきうけます」。 五月野風子さんは、実家でピアノの練習をしていたころ、母親からいわれたとおりに練習すると、「やったよ!」とつよい口調で言いました。お母さんが言ったからピアノを弾いてあげた、やってあげた、という気持ちでした。 ひとりで生活する中で、人から何か頼まれると「やってあげたよ」という気持ちになります。 言葉では言えません。 |
谷川うさ子さん |
ポルソナーレのカウンセリングです。 吉本隆明さんは、歌手とか、ピアノの演奏とか、踊りとかの練習は、10年くらいつづけるとだいたいうまくなる、といいました。 これは、脳の働きでいうと感覚を働かせる部位の『実像』だけが働くことの説明です。 脳の中には、言語野があります。 脳の中の言語野が働いて、習いごとは、どんなことでも正しく上達するのです。 台所で料理するための包丁の扱いがうまくなっても、お客に喜ばれる料理人になれるわけではないことと同じです。 |
谷川うさ子さん |
五月野風子さんは、大学生ののこりの学年を、楽譜を手で書いてすごしました。ピアノの練習のかわりに、楽譜を書いたのです。この楽譜の中に、言葉で、光景とか場面とか、状況のコメントも書きました。 言葉で楽譜の表現するイメージをつくる練習をしたのです。 「ピアノを教える生徒さんに、演奏の目的を説明して、その手段としてピアノを弾く、ことを伝えられるようになりました」 生徒さんに喜ばれるようになって、決まっている就職にも自信をもって出立できると、五月野風子さんは自信満々です。 |
谷川うさ子さん |
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