全日本カウンセラー協会 ポルソナーレ

うさぎです。

Ⅶ期 21回め 平成17年12月10日

人の気持ち、考え、心理を
正しく分かる能力!!
ヒューマン・マネジメント特集

カウンセラー養成ゼミ NEWS LETTER 第136号

ハーバード流交渉術 聴覚と言語・編
脳の働き方と言語の学習回路(Ⅸ)



ドキュメント・主婦のうつ病
再び、カウンセリングの時代


ポルソナーレ式セカンドステップ・26
「井穴刺絡療法」でも治らない
「コルサコフ健忘症」との会話術

はじめに

 本ゼミは、今回から装いを一変して「再び、カウンセリングの時代」のステージを展開します。
 「浅見鉄男・井穴刺絡、免疫療法」が「疾患がなぜ、治るのか」「不安、恐怖の感情をなぜ、即効で解消するのか?」のメカニズムを解明しましたので、「症状、不安、恐怖」を取り除いた「心のトラブル」をカウンセリングの対象に設定します。
 まず、ステージが変わった一回めは「うつ病」を取り上げます。
 「今さら、なんでうつ病を?」とお考えにならないでください。
「井穴刺絡・免疫療法」で症状をどう治し、心の屈折をどう治すのか?をレクチュアします。

ポルソナーレ代表 田原克拓



学習に役立つ書籍


本号の目次

ケーススタディー

 ドキュメント・主婦のうつ病

ポルソナーレ式セカンドステップ26


 まとめ
 薬物療法の次元での「うつ病」とはどういうものか?
 「うつ病」の症状をつくる「脳神経」と伝達物質
 「うつ病」を治す「井穴刺絡・免疫療法」
 「今、再び、カウンセリングの時代」から見た「うつ病」
 「井穴刺絡療法」でも治らない「コルサコフ健忘症」
 との会話術・エクササイズ


ハーバード流交渉術

 ・ 交渉戦術1 設問と回答
 うつ病の症状は、「セロトニン」の不足がつくり出します

 ・ 交渉戦術2 設問と回答
 現代の「うつ病」は、分裂病がつくり出しています




 《参考文献》

『ドキュメント・主婦のうつ病』
  (『新潮45』2005 12月号、橘由歩、新潮社)
第43回・浅見鉄男主宰「簡易井穴刺絡学」
  研究会 2005 7 30資料
  「井穴頭部刺絡による脳脊髄神経調整療法研究室、
  症例と改善例」
  ★資料提供・井上光正さん(ゼミ生)
『脳、100の新知識、その形態から新知識まで』
  (森昭 胤編・講談社 BLUE BACKS)
『脳内麻薬と頭の健康』
  (大木幸介、講談社 BLUE BACKS)
ケーススタディー

ドキュメント・主婦のうつ病
再び、カウンセリングの時代

『新潮45』二〇〇五・12月号、橘由歩ルポよりリライト・再構成

ご案内いたします

一、本ゼミは、今回の号より「再び、カウンセリングの時代」をステージに立てて展開します。「井穴刺絡・免疫療法」によって心の病いを原因とする「痛み、不安、恐怖」などの身体症状は解消されることを確認できたからです。「再び、カウンセリングの時代」では、「心のトラブル」(ものの考え方。脳の働き方。精神活動)それ自体をカウンセリングの対象にする、という新しいステージです。

二、「井穴刺絡・免疫療法」の「うつ病」への適用は、左右H5(手の薬指の小指側)、F5(足の薬指の小指側)です。これにより、セロトニン減少による憂うつ感、悲哀感、イライラ感、意欲低下、自責、食欲低下、頭重感、早朝覚醒の不眠などは解消します。試してみてください。

(文中・敬称略)

川村敦子(仮名・30歳)のうつ病」
●二○○二年に診断
(1) 川村敦子(仮名・30歳)は、地方都市のアパートで大学生の同級生だった夫(30歳)と二人暮しだ。二〇〇二年に「うつ病」と診断された。
今も、療養生活をつづけている。
川村敦子は、広告デザインの仕事をしていた。
入社して4年が経っていた。仕事は、締め切りに追われていた。
「まず、ご飯が食べられなくなった。食べて、吐く、という日々が1週間、つづいた。食べ物の匂いも気持ち悪くなった。夫に相談した」。
「あなたの最近の様子は、おかしい」(夫)。
「仕事を止めたい、死にたい、消えたい」とボロボロと涙をこぼして泣いたという。
夫と一緒に「心療内科」を受診した。「うつ病」と診断された。
「仕事を休まなければ治りません」(医師)。
「はあ?」って感じだった。
「今、1ヵ月、仕事を休みなんてありえませんから」。
しかし、半信半疑ながら、休職した。
●うつ病の症状
(2) 川村敦子は、休職すると、とたんに混乱の日々に突き落されるようになる。
「2時に寝ようが、3時に寝ようが、必ず朝の4時に目が醒める。朝が早いと、電話もメールもできない。ものすごく孤独だった。
夜中まで仕事をしていた私が、一日中、家にいることじたいが屈辱だった。家事をする気にはなれない。本も読みたくない」。
「考えることは、ああ、面倒くさい、生きているのも面倒くさい、だった。私は、感謝されること、賞賛されることが自分の存在価値だと思っていた。これが無くなった。もう、地獄、地獄。地獄のロードだった」。
「いきつく結論は、あたしの精神が弱いから、だった。すべて私が悪い」。
「私の母親は、スーパー主婦だった。だから家事ができなくなった自分が情けなく、許せない。今日も、掃除をしなかった。洗濯はした。だが、ポケットにティッシュが入っていた。こんなことで生きているのが死ぬほど嫌になる。夫に、泣いて訴える。夫は、何も言えない」。
「時々、調子が良くなる。そんな時は本を読む。パソコンで検索してみる。
何をすれば、早く感謝されて賞賛されるそんな渦の日々に戻れるのか。パソコンの中にひたすら祈りをこめて求めた」。
●薬で治ったと思った
(3) 慢性的な疲労感と自責感にさいなまれるだけの無気力な状態が、約数ヵ月つづいた。薬を変えたら、一定の改善が見られた。
二〇〇三年一月。
川村敦子は、限定的に職場に復帰することになった。心療内科の医師は、「出来ません。分かりません。今日は帰ります。この三つの言葉を言うように」と指導した。
川村敦子は、好不調の波に揺れ動きながら仕事をつづけた。
●退職
(4) 二〇〇四年十二月。
川村敦子は、退職して本格的な療養生活に入ることを決意する。
「結局、思考のパターンが全く、何も変わっていないから、出来ません、分かりません、帰ります、という言葉を言うことがものすごい緊張をもたらした。自分を優先するということがどうしてもよく分からない」。
「職場から、?うつ病の治療はそんなに長くかかるものではない?と暗に辞職を勧告された。その日の夜、夫が帰ってくるのを待って半狂乱になった。ギャーギャー泣いて喚いた」。
「辞めてやるーっ、死んでやるーっどうせ、あたしなんか生きていてもしょうがない!」。
夫は、一晩中、「だいじょうぶだよ」と慰めてなだめてくれた。
私は、夫が眠った一瞬の隙に「今だって、2週間分の薬を全部、お酒で飲んだ」。
もう、べろん、べろん、どろん、どろんになった。「気がついたら病院のICの部屋の中だった」。
退職のきっかけはこの自殺未遂だった。
●自傷行為
(5)

「じつは、それまでも、支障のない範囲で自傷行為はやっていた。自分の存在が許せない、不快感でいっぱいになる、そんな時に自分を痛めつければいいと、自傷する」。
「心の底には、自分は?見捨てられている?という不安が冷たく固まりになって目を光らせている。その目と目が合う。
そこで演技をする。自分を攻撃してみせて、こんなに立派じゃないか、あんなにすばらしいじゃないかって評価と賞賛をねだる」。
「主婦は、人間関係が希薄になる。夫との関係もしだいに希薄になる。恋愛の時代には思ってもみなかった。夫に責められるとか、幼い子どもという逃げられない存在がいる人の場合、残された選択肢は、自分を攻撃することしかなくなる」

●薬でもうろうと
(6) 「今は、布団に入っても寝つけない。もんもんとして考える。いつ仕事に戻れるのか、今後、自分はどう なっていくのか。ものすごく不安になる。悲しくなる。思考を総動員して自分の何がいけなかったか?をぐるぐると探す。そのうちに身体を起こすことができなくなる。どの筋肉をどう使えばいいのか?動かし方を思い出せなくなった。
朝になる。夫が、口に薬を流し込む。
薬でもうろうとしてただ横になっているだけの日々が過ぎていく。辛いという感情が脳の真ん中あたりに湧き上がってくる。それがあふれてきて、耳や目に流れてくる。耳腫れになっている。目からもあふれて目をふさいでいる」。
●パソコンで
(7) 「うつ病は、心の病気というより も一時的な脳の機能障害といわれた。脳内神経伝達物質のバランスが乱れて、落ち込む、悲しい、不安だ、などの感情をコントロールできなくなる病気だとも。ストレスによる一時的な脳の機能障害だって。うつ病は、心の風邪といわれているって。それほど身近な病気だって。だから必ず治る病気だから薬を飲むこと、休養が不可欠と、ノートパソコンで、うつ病の主婦仲間と交信し合ってい る」
●「いいことがありますように」

(8)

川村敦子は、4畳半の和室で一日を過している。淡いグリーンのギンガムチェックのカーテン、黄色のラ ブチェアー、小さな食器棚がある。日本のテーブルと二脚のイスがある。「薬入れの箱」は動物の小さなぬいぐるみだ。アロマやお香もある。いいことがあった時にと、コインを入れる貯金箱もある。薬箱の側に置かれている。
「こんなに貯まっているよ」って分を励ますためだという。コインは箱の半分近くまでぎっしりつまっている。

吉田志保(仮名・40歳)のうつ病
●二○○五年五月
(1) 吉田志保(仮名・40歳)は、二〇〇〇年五月に精神科によるうつ病の治療が始まった。
住いは、山村留学で訪れた土地にある。
山村留学の時に知り合った今の夫と結婚して、住みついた。家族構成は、夫と6歳の長男と3人だ。
「私の母親は、兄を溺愛しててんよ。
“あんたは、お兄ちゃんに恵まれてよかったやないか。お兄ちゃんのために男の子を産みたかったんやけど、生まれてきたんは、女の子のあんたや”と言われた。“わたしの身体が弱いんはあんたのせいや”ってようなじられた。“あたしがボロボロになったんは、あんたが栄養を吸い取ったんや”」。
母親の口癖は「お母ちゃん、やさしくていい人やろ。天使みたいやろ」だった。
「ようできひん」という母親のために私は、小学生の頃から、大人のように一人で買い物に行った。食堂で一人でご飯を食べた。親戚にお中元を届けた。私は何でもできる子やってん」。
●生育歴
(2) 吉田志保は、手のかからない、家の仕事も学校の勉強もがんばる優等生だった。
学級委員もやった。母親の言葉にしたがって大学卒業後は、中学の教員になった。
24歳の時に「結婚しよう」という相手があらわれた。結婚の日取りも決まった。
母親が言った。
「志保ちゃん、私、血を吐いたわ。あんた、結婚止めるって言ってくれるか?そしたら治るんやけどな」。
母親に毎晩、言われた。精神的に耐えきれずに、自分で結婚を破談にした。
●31歳
(3) 31歳になった。
母親からの呪縛から逃れようと、「山村留学」という名目で家を出た。
一九九八年。33歳で結婚した。次の年に長男が生まれた。
●ショック
(4) 「子どもが0歳8ヵ月の時、父親が死んだ。実家の片づけを一人でやっていた。
子どもが高熱を出して病院にも通っていた」。
母親が「あんた、いつまでここに居座る気やの?さっさと出て行って!」と言った。ショックだった。
●ヘルペス
(5) 吉田志保は、帰宅すると「帯状疱疹」(ヘルペス)で入院した。
「入院中に、学童保育の指導員になるために履歴書を書いとった。もともと社会復帰したかった。母親との関係で疲れていたから違うところに飛び出して気分を変えたかったんやね」。
働き始めたらよくなると思っていたのに、ガンガンと、ものすごい頭痛がつづいた。「鎮痛剤を飲んでも全く治らへんねん」。
夫が、「ゴールデンウィーク、楽しみだね」と言った。いつもなら「そやね」と言う私が「ごめーん、あたし、楽しくないねん」と答えた。この瞬間、「あたし、調子悪いわ」って気づいた。夫に「精神科に行っていい?」と言った。
初めて精神科を受診した。
●「嬉しかった」
(6) 精神科医から言われた。
「お母さんのことは、かなりひどいものがある。子育てだけでも大変なのに、慣れない土地で本当によくがんばってきましたね」。
この言葉はとても嬉しかった。
「罪悪感をもたないで子どもを園に預けたまま、身体を休めてください」と言われた。うつ病の投薬を開始して、仕事は辞めた。
●イライラは夫にぶつける
(7)

「ひどい時には、全く何もできない。ただ、ソファに横になっている。窓の外の風景をぼんやりと眺めるだけしかできない。
長男が遊ぼうと言えば、身体の上に乗せるのが精一杯やねん。夫に、“ごめーん、何か食べさせて”と全部、家事をやってもらう日々になった」。
「そこまで落ちていない時は、子どもだけは何とか、やらなと思ってて。身体を使った遊びはできない。絵本を読むことはできた。食事を作るのは無理やった。コンビニ弁当、お惣菜を夫に買ってきてもらう。
辛くても、イライラは子どもにはぶっつけなかった。イライラは、夫にぶっつけた」。

●子どもの幼稚園
(8)

ある日、息子が幼稚園に行くのをぐずった。
こちらもしんどくて動けない。9時までに登園せなあかんのに、10時になっても“休みます”の電話ができひんねん。身体が固まって動かへん。そのまま1時間がすぎた。どう しよう、どうしようと、どんどん落ちていく。薬を16分やった。
もう、幼稚園こわい、幼稚園こわい、こわいよーってそれだけがガンガンと頭の中でいっぱいになった。夫が帰ってきて、なんとか戻った」

●義母
(9)

「夫の母、義母が近くにいる。お米もとげなくなった、と病気のことを話した。
“夕食、食べに来るかい?”て誘ってくれた。好意に甘えた。その後、電話がかかってきた。“ところで、いつ治るんだい?いつまでも甘えてんじゃないよ。がんばりなさいよ”
“甘えでも、わがままでもなくて、気力がなくなる病気なんです”と言うのが精一杯だった。電話を切ったら、涙があふれてきて止まらんかったわ」。

●全く動けない
(10) 最近、ようやく、料理を作れなくてもいいやって開き直れた。無理してカリカリ作るよりも、休んでる方が早く作れる日がやってくるやろなって。
 義母のことも受け流せるようになった。幼稚園の役員も断った。引き受けたら自分の容易を超えてやってしまうのが目に見えているから。
 夫は、私が動けなくなると、よかったねと言う。動けなくなるまで必死に無理してやりつづけるからなんやて。休む勇気をもつことが大事なんだと、今、本当にそう思っている」。
山下真由(仮名、35歳)の うつ病
●一九九六年六月
(1) 山下真由(仮名、35歳)は、一九九九年六月に「うつ病」と診断された。
二〇〇二年三月まで闘病生活を送った。
現在、2歳の娘の母親である。職業は、「元・研究者」である。
●家事
(2) 「今、思えば、引っ越しうつ病だったと思う。結婚して、知らない土地に来た。
友人もいない。家事と研究に明け暮れて忙しい日々だった。
いっしょうけんめいに慣れない家事をやった。そのハードルはものすごく高かったのだろうと思う。今まで、困難は努力すれば報われてきたから。
家事も努力すれば報われると思ってやってきた」。
「夫は、入社して一年目で、自分のことで精一杯だった。今までは、がんばれば結果を出せた。ところが、なぜ、うまくいかないのか、分からない。自分を責める気持ちになる。思い詰めるように家事をやった。
ある日、午前中、ベッドから起き上がれなくなった」。
医者から「うつ病」と診断された。
「なんだ病気だったんだ」と、ホッとした。病気なら治れば、また努力して結果を出せる。
●実家で
(3) 「実家に帰った。すると、寝たきりの状態になった。脳から身体の命令系統の全てが壊れた」。
「実家の住所すら思い出せない。
手が震えて字も書けない。頭がボーッとして何も考えられない。ただ寝ているだけになった」。
「突然、身体の中から激しい感情が噴き出してくる。赤ん坊のように泣いてわめく。感情にまかせてただ、泣くだけになった」。
●メモ
(4) 「枕元にメモ用紙だけは置いていた。今日、何をしたか、それだけでも書き止めようと思った。研究者の訓練のせいかな。
“トイレに行った”と一行しか書けない日もあった」。

●パソコンで
(5) 「起き上がれる日は、本を読んで、パソコンで検索して、病気のことを知ろうとした。今までの自分と全然、違う自分になったのは、なぜなんだ?と」。

●うつ病の正体
(6) 「私が知りたかったのは、生活レ ベルでうつを生きるとはどういうことなのか?しかも、主婦という立場でのうつとは?ということだった。それは、どこにも見つからなかった。だから、書かなければだめだと思った。自分は、確かにおかしいけれど どういう状態になっているか、一〇〇%、患者の立場で書く。
とても辛い作業だったけど、病気を客観的に突き放すことができたと思う。苦しいけど、正体を捕まえているから大丈夫と思えた」。

●三ヵ月
(7) 「うつ病」という診断から三ヵ月が過ぎた。「闘病記」を書き上げてネットの上に置いた。
「同じ経験をしている人がきっといるはずだ、と思った。絶対に、誰かいるはずだ、気持ちを分かってくれる仲間が、って。誰かとつながりたかった」。

●寂しさ
(8)

「主婦のうつ病の本質は、寂しさ、なのだと思う。とにかく社会とつながっていない。こんな自分は価値がない。
孤独だっていう寂しさ。寂しさが堂々めぐりをする。こんな寂しさがつづくなら消えてしまいたいって思う」。
「夫が、側にいないという寂しさではない。
ずっと側にいてほしいという寂しさではない。自分が生きていることに意味がない、社会の中で価値をもっていないという孤独感の寂しさだ。これが、主婦のうつ病の中核にあると思う。ふだんは、この観念の中をぐるぐる回っているけれども、たまに遠心力で外に出ると、自傷行為、自殺未遂をやってしまう」。
山下真由の手首にも傷跡がある。

●サイト
(9)

「うつ主婦のためのサイトを立ち上げた。
うつ主婦の仲間が、寂しさや孤独を癒してくれた。掲示板は救いだった。
お互い、行動レベルのことしか書けない(書きたくても書けない)けれど、“久しぶりに晴れたねえ。洗濯できなかったけど”だけで梅雨の晴れ間に洗濯できなかった自分なんか死んじゃえばいいという“孤独”が分かる。
だって、同じだから。そうやって繋がることで、一人じゃないって確認し合えてホッとするんです」

●自分を変えること
(10)

「うつから回復することとは、元に戻ることではなく、作り直すこと」と山下真由はいう。
「サイトに、簡単料理とか、手抜きのコツなど“生活の知恵コーナー”を作った。うつを生きるには、どういう思考がいるのか?を示したかったから。
料理一つでも、今までと違う解決の仕方を探すことで考え方を変えてほしいと思う。
このうつ病は、自分が変わらないと治らない。それは、自分を変えていくしかないものだから」。
山下真由は、「橘由歩」が取材した中で唯一のうつ病卒業者である。

まとめ

ドキュメント・主婦のうつ病
再び、カウンセリングの時代

ポルソナーレ式セカンドステップ
まとめ
(1) 『新潮45』(二〇〇五・12月号号)で橘由歩(たちばなゆうほ)が三人の「主婦」のうつ病を取材してルポを書いている。
「川村敦子」(仮名・30歳)、吉田志保(仮名・40歳)、山下真由(仮名・35歳)だ。それぞれの「うつ病」の特徴をまとめると次のようになる。
●川村敦子(仮名・30歳)のうつ病の場合
  仕事は、広告デザイナーの仕事だった。入社して4年だった。
仕事は、締め切りに追われる。仕事を中途半端にして帰れない。
夜の2時、3時になっても仕事を終えて帰った。
家では、「あれがいけなかった、これがいけなかった」と自分を責める。
「自己評価」が低くて他人の感謝と賞賛を行動基準にしていた。
  1. 数ヵ月の休職期間は、「感謝も賞賛もない生活」を「めんどくさい、生きてるのも」と考える。家事、掃除、洗濯ができない自分を死ぬほど嫌になる。
  2. 限定的に職場復帰する。職場で「うつ病の治療はそんなに長くはかからない」と言われて辞職勧告を受けた。自殺未遂(薬を2週間分、酒と一緒に飲む)を起こして退職する。
  3. 症状は、「食事が食べられない」「食べて吐く」。夫に訴えて泣く。「早朝に目が覚める不眠」「自傷行為」
●吉田志保(仮名・40歳)のうつ病の場合。
  仕事は、中学校の教師だった。
母親から「あなたのせいで体調がおもわしくない」と言われて、小学生の頃から買い物に行く、食堂で一人で食事をする、親戚にお中元を届けたりしていた。一人で何でもできる子、という育てられ方をした。
24歳の時、自分で決めた結婚の日取りまで決めていた式を、母親から結婚を止めろと責められて、破談にした。
「山村留学」の中で出会った相手と結婚して、33歳で長男を出産する。
  1. 帯状疱疹(ヘルペス)で入院する。退院後、学童保育で働きはじめるとガンガンと頭痛がして精神科で「うつ病」と診断される。
  2. 子ども、夫のための食事がつくれない。子どもの幼稚園への連絡もできない、など。気力が起きない、動けない、という状態になる。
  3. 症状は、慢性的な疲労感、無気力。
●山下真由(仮名・35歳)のうつ病の場合。
  仕事は、元・研究職。
結婚して地 方に引越した。「引っ越しうつ病」 と考えている。
「結婚生活はこうあらねば」というイメージがあった家事と研究に追われるようになり、 慣れない家事を「ハードルが高い」と感じ、努力で克服しようと思い詰めたように家事をやった。午前中、起き上がれなくなった。
  1. 「うつ病」の診断で実家に帰ると「寝たきり状態」になった。「実家の住所が出てこない」「手が震えて字が書けない」「何も考えられない」「ただ寝ているだけ」の日々になる。「感情にまかせて、赤ん坊のように泣きわめく」という状態になる。
  2. 闘病から三ヵ月後、「闘病記」を書いて、ネットの掲示板に置く。「うつ主婦」との交流を図る。「生活レベル」での「うつ」を生きるという一〇〇%、患者の立場で行動次元での記録を書いて交流させた。
  3. 症状は、「社会とつながっていない寂しさである」ととらえる。「社会の中で価値をもっていないという孤独感の寂しさ」であると「主婦うつ」を定義する。自傷行為、自殺未遂、うつを治すとは、元に戻ることではなく、自分を作り直すこと、自分が変わらないと治らない、とする。
(2) 薬物療法の次元での「うつ病」とはどういうものか?
 
  1. 脳の中で、活動を活発にしたり、興奮をうながす際に作用する「神経伝達物質」は、「モノアミン」(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン)と呼ばれている。これらの物質が不足すると「うつ病」を引き起こすと考えられている。

  2. このため、「うつ病」を治療する「抗うつ薬」として「モノアミンの減少を抑えるもの」が用いられている。
    「モノアミンを分解する酵素の働きを阻止する薬」「放出されたノルアドレナリンとセロトニンが、再び、神経に取り込まれるのを防ぐ薬」「放出されたセロトニンが、神経への再取り込みを阻止する薬」など「再吸収阻害薬」と呼ばれているものが使われている。

  3. 抗うつ薬……「モノアミンを分解(代謝)する酵素(モノアミン酸化酵素)の働きを阻止する薬。モクロベミド、フェルシンなど」。
    「放出されたノルアドレナリンとセロトニンの再取り込みを阻止する薬。アミトリプチン、イミプラミン。特異的にセロトニン、ノルアドレナリンの再取り込み阻害薬(SNRI)ミルナシプラン」。「放出されたセロトニンの再取り込み阻害薬(SSRI)、フルボキサミン、フルオキセチン、などの選択的ノルアドレナリン・セロトニン再取り込み阻害薬(SSNRI)、ミルナシグラン」。

おもな副作用……「ムスカリン性副交感神経抑制の症状。口が渇く、目がかすむ、便秘、尿が出にくいなど。「α1アドレナリン受容体遮断の症状」立ちくらみ。

(3) 「うつ病」の症状をつくる「脳神経」と伝達物質は「ノルアドレナリン」と「セロトニン」である
 
  1. ノルアドレナリン……ノルアドレナリンは、ニューロンの終末部でドーパミンの側鎖のβ位が水酸化された生成される。副腎髄質で、ノルアドレナリンはアドレナリンに転換する。
    脳においても、一部はアドレナリンになる。

  2. カテコールアミンレセプターは、α型とβ型に分かれる。α型のレセプターの生体機能は血管収縮、散瞳、腸管拡張である。βレセプターは「血管拡張」「気管支拡大」「心筋の収縮力増加」「伝達速度の増加」「腸管拡張」の調整である。

  3. 脳内ノルアドレナリンは、脳幹の青斑核に集中している。線維を「視床下部」「小脳」「前頭」に送っている。
    「覚醒の維持」「脳の報酬系」「レム睡眠」「気分調整」。

  4. 躁うつ病の「モノアミン説」は、「躁病」ではノルアドレナリン作動性ニューロンの活動の亢進。「うつ病」「躁病」の成因は、セロトニン作動性ニューロンの機能低下、である。

  5. セロトニン……セロトニンは、アミノ酸トリプトファンから生成される神経伝達物質である。セロトニン含有ニューロンの細胞体は、主として「脳幹中央部」の「縫線核」に一致して分布している。
    「セロトニン」は、「覚醒」「睡眠」「自発運動」「摂食、飲水行動」「攻撃的行動」「学習、記憶の能力」「性行動」「中枢性血圧調節」にかかわる。

  6. セロトニンの一部は、「メラトニン」に転換する。「松果体」のセロトニンとメラトニンの光(明るさ)による変化は「生体時計」の役割を演じている。

  7. 「高血圧治療薬」の「レセルピン」を投与すると「脳内セロトニン」が枯渇する。この時、しばしば「うつ病」が発生することから「セロトニン作動性ニューロンの活性の変化」が「うつ病」とかかわっていると考えられている。ここから「三環系抗うつ薬」は「脳内アミン量、とくにセロトニン量を増加させる」とされている。
(4) 「浅見鉄男・井穴刺絡療法」で、「うつ病」を治す「井穴刺絡・免疫療法」
 
  1. 左右H5(手の「薬指」の小指側)
    F5(足の「薬指」の小指側)

  2. 「井穴刺絡・免疫療法」から見た「うつ病」は、「脳の働き方」が、身体レベルでの「アレルギー」と同様の症状をあらわしていることが分かる。すなわち、「血圧が高くなって交感神経が高止まりする」という脳の働き方である。これは、「無呼吸状態」から「口から息を吸い込む」ことをくりかえして、脳の血管(血液中)に酸素の濃度を高くし、脳の神経に至る「毛細血管」にショートカットをひき起こす。
    これは、脳の血管の中の血液が酸素過多でアルカリに変わるために起こる。この「脳神経」「左脳の前頭葉の脳神経」の血流のショートカットの血液不足が「セロトニン」分泌を低下させる。「セロトニン」は自律神経の「副交感神経」支配に対応しているからだ。


  3. 「井穴刺絡・免疫療法」は、「心臓のANP」(心房性ナトリウム利尿ペプチド)の活性化を起こす。これが、前頭葉に血管を通じて伝わり、「POMC」(プロオピオメラノコルチン。βエンドルフィン前駆物質)を合成させ、これを分解して「βエンドルフィン」を分泌させて、「脳内の血流のショートカット」を解除して左脳・前頭葉の脳神経の「セロトニン」の分泌を正常に復元する。

  4. 同時に、視床下部よりCRF(ACTH放出ホルモン)を放出し脳下垂体よりACTH(副腎皮質ホルモン刺激ホルモン)を分泌、これにより「副腎」が「副腎皮質ホルモン」を分泌して「うつ病」の無気力、慢性的疲労、頭痛などの炎症、症状を解消する。
(5) 「今、再び、カウンセリングの時代」から見た「うつ病」のカウンセリング
 
  1. 脳の中の「脳神経」からみた「うつ病」は「セロトニン」と「ノルアドレナリン」とが対応していることを分かる必要がある。
    「ノルアドレナリン」は「A6神経」の働きを伝達する「神経伝達物質」である。「セロトニン」は「A6神経」(ノルアドレナリン)の働きが「高止まり」することで脳内の血管の「ショートカット」を起こし、これにより「セロトニン分泌の低下」が起こっていると理解する。

  2. すると、一体、何故に「A6神経」(ノルアドレナリン)の働きがストップするのか?が「うつ病」にとっての問題になる。ここが「カウンセリング」の対象になる。

  3. 「A6神経」は、「言語」のための脳神経である。(「言語」は、左脳でつかさどっている)。川村敦子(仮名・30歳)、吉田志保(仮名・40歳)、山下真由(仮名・35歳)のそれぞれが「A6神経」を用いる「言語」(左脳・前頭葉)が対象とすべきものは、「非社会性の世界」の「結婚生活」(夫との関係、子どもとの関係、親との関係、義理の親との関係、および、これらとのかかわりを媒介させる家の中の生活、性の関係、など)だった。これらの「非社会性の世界」の対象と不適応を引き起こしていることで「A6神経」の働きの上限が発生している。「上限」での不適応が継続していることから「血圧」が上昇し、交感神経の働きも「ここまでが限度」という「高止まり」にぶつかっている。
    「うつ病」とは、「孤立」のことである。自らの「女性」の本質(非社会性)から孤立して「分裂病」を引き起こしている。(「自分は賞賛されない」(川村敦子)、「母親の求めに応じて、動けなくなるまで無理をする」(吉田志保)、「家事も、研究の仕事と同じで努力してハードルを超えるものである」(山下真由)、などが「分裂病」。)
    これらの「非社会性の世界」の対象の「概念」の取り違えが「自分の女の本質」を消滅させて、「幼い女の気持ち」を浮上させている。心情の能力の欠如。「感情」という血縁意識だけでつながりを求めようとする「ミュンヒハウゼン症候群」をつくり、自傷行為をおこなっている。
    「うつ」は「女の世界」と「自分の女の本質」からの孤立の部分だけが該当する。
ポルソナーレ式セカンドステップ

  「井穴刺絡療法」でも治らない
 「コルサコフ健忘症」との会話術
エクササイズ

 「今日は、職場の中の人間関係で、なぜ、緊張するのか?ということの原因についてのお話をする予定になっています」
 「今回のポルソナーレのニューズレター(第136号)を拝見しますと、三人の女性の主婦の方々がひどいうつになっていて、自傷行為やら、自殺未遂をおこなっているという内容になっています。私の場合、結婚して、主婦になっていて、逃れられない関係の子どもがいて、という立場にはありません。
 しかし、職場での人間関係の能力についての自己評価が低いという点は共通している気がします。この三人の女性の方々はご縁があってご結婚なされたと思いますが、我が身に置き換えて考えてみますと、同じようなひどいうつの中に入っていくようでちょっとおびえる気持ちになります」
 「今回のゼミのケーススタディにとりあげた三人の女性に共通するのは、仕事という社会的な知性の対象とも、結婚という非社会性の世界の家事や子育て、夫との関係、ともうまく適応できていないという点に注目すべきなのです。
 一人は広告デザイナー、一人は中学校の教師、一人は、大学か大手企業か政府関係の組織の中の研究者、です。共通しているのは、誰かからホメられたり、高く評価されるということを気持ちの安心の拠り所にしています。すると、このような行動基準の立て方では、どこで何をしてもつねに不安になることはまぬがれません」

 「一人の女性の方は、母親の求めに応じて、小学生の頃から一人で何でもできる子どもで、大人になってもまだ母親の言葉にしたがっているので、自分は、母親からの愛情を受け取っていないので、自分の気持ちが安心できていないのに、他者が喜ぶことを与えることはできない、ということでしょうか」
 「おっしゃるとおりです。人間は、大人も子どもも、男性も女性も、気持ちが安心しないと正しく行動できませんし、ものを正しく考えることもできません。
 社会人になってからの自分の気持ちの安心のさせ方の原則は、三つです。まず一つは、リスクの大きいものには近づかないで、逃げ出すか避けることです。二つめは、安全で利益の大きいものには最大限に、積極的にかかわっていくことです。三つめは、うまくいかない事態にぶつかったら相手や現実に依存しないで自分の行動基準を変えること、です。
 ケーススタディの三人の女性たちは、ガマンして努力して、自分の努力が評価されるまで自律神経の交感神経を限度いっぱいまで働かせているので、リスクを手に負えないくらいふくらませすぎています」

 「私の場合でいいますと、職場の同僚の女性たちと仲良くなれなくて、親しく話すことができていないのは、自分の努力が足りなくて、仲良く話ができるという評価を得られていないと考えることを止める、ということでしょうか」
 「そのとおりです。前回のお話で自己同一化ということをお話しました。
 自己同一化とは、幼い子どもの例でいいますと、ペットの動物と自分とを同一視するという認知の仕方のことです。人間の気持ちの世界のしくみでは、感情という皮ふ感覚による認知の仕方です。
 子どもは、これによって小動物を家族と同じに見ています。大人の次元では、あたかも血縁関係にあるかのように認識する仕方になるのです」

 「ケーススタディの三人の女性は、はっきりした形では二人の女性が自傷行為をおこなっています。これは、感情という気持ちでのつながりを求めていて、これ以外には自分の安らぎはないと思っているので、相手の目をとおして自分を見て、相手の人が情けない奴だと思っているに違いないので自分を罰するということをおこなっているのでしょうか」
 「全くそのとおりです。相手と自分とを自己同一化として認知しているので、自分に目を向けてほしい、見放さないでほしい、自分をいたわってほしいという劇的な状況をつくり出してい
ます。
 よくやっているのにここまで無理することはないとなぐさめてほしいというメッセージが自傷行為です」

 「先ほど、社会人になってからの自分の気持ちの安心のさせ方をお教えいただきました。一つはリスクの大きいものとの関わりは止める、二つめは、安全で利益のあるものと全力で関わる、三つめは、ものごとがうまくいかない場合は、相手や現実に甘えたり、依存しないで自分の行動基準を変える、ということでした。これは、気持ちの世界のしくみでいうと?心情の能力?ということになりますか?」
 「その理解でよいのです。自己同一化は、恋愛や結婚の中で自然な血縁意識としておのずと成り立つものです。したがって、社会性の場面では、自分と他者とを区別する判断の基準にして、代わりにマナーや礼儀によって置き換えられるべきものです。自分への評価は、どれだけ成功したか?ではなくて、どれだけリスクを防いだか?によって得られるべきです。自分の気持ちの安心は、自分の行動によって、相手が喜ぶという心情の能力によってもたらされると理解しましょう」
 「だいぶ、分かってきたように思います」
 「今日は、おもに自分を変える、自分のものの考え方を自由にコントロールする、ということをお話しました。また、ひきつづいてお話しましょう」
 「よろしくお願いします」

ハーバード流交渉術

ドキュメント・主婦のうつ病
再び、カウンセリングの時代

交渉戦術 1 ・ 2

ご案内いたします

一、 今回より、本ゼミは、本格的に「カウンセリングの方法」を展開します。「セカンドステップ」のエクササイズの中でも触れているように「人間関係」も「社会の中での仕事」も「家庭」も「リスク」をふまえて、より安全で、安心を求める時代と社会に変わってきているからです。

二、 「うつ病」の治し方は、まず、「症状」の部分は、本号の「まとめ」の中でレクチュアしているとお りです。「井穴刺絡・免疫療法」の実技と合わせて、その理論をマスターしてお役立てください。

(文中・敬称略)


ハーバード流交渉術 交渉戦術・1

うつ病の症状は、「セロトニン」の不足がつくり出します
設問  うつ病の薬」は、本号の「まとめ」でご紹介しているとおり、「脳内の神経」の神経伝達物質の「ノルアドレナリン」と「セロトニン」の分泌の減少と、枯渇が原因になっていることへの対応になっています。しかし、ケーススタディの三人の女性のうち二人は、まだ、うつの症状の苦しみから解放されていません。

 さしあたり「セロトニン」の分泌は「抗うつ薬」で可能になっても、「A6神経」の伝達物質のノルアドレナリンが正常に分泌されてうまく働いていないからです。「薬によるうつ病の治療」が長引いたり、人によってはいっこうに治らないのは「A6神経」「ノルアドレナリン」が正しく働いていないからです。

 ケーススタディの一人の女性(山下真由さん、仮名・35歳)だけはなんとか「うつの症状」からの離脱が成功しているように見えます。

 「自分を変える」「自分のものの考え方を変える」というように「A6神経」の働かせ方に「うつ」の原因があったことに気づいているからです。では、この女性「山下真由さん」は、本当に「うつ」が治っているのでしょうか?

回答・1

●女の本質の心情の能力が不全 

 うさ子さんの親友のパイナップルさんです。
 ケーススタディの女性(山下真由さん)は、もともと自分の社会的な評価が得られなくて、社会から孤立しているということが「うつ」の理由になっています。家事の能力を回復したので「うつからの離脱」と考えています。「主婦への適応」という点では「半分の回復」です。
 しかし、心情の能力の回復には至っていないので、まだまだ辛い道のりはつづきます。

回答・2

気持ちのしくみの「感情」だけで主婦をやっている

うさ子さんのクラスメートのオレンジジュースさんです。
 ケーススタディの女性(山下真由さん)は、「自分のうつの実体」を自己観察することでとらえています。
 情緒によって思考が破綻していない点は、「うつからの離脱」と考えてもよいのです。
 しかし、「自傷行為」などにみられるように「他者」「仕事」「家事」などを「自己同一化」でかかわっているので、女性の「女の本質」の学習がないとまだ、危険域に立っているといえます。

回答・3

うつ病を「ハイパーリラックス」に移行させただけである

 うさ子さんの竹馬の友のにんじんさんです。
 ケーススタディの女性(山下真由さん)は「うつ」を治すのに実家に戻って、「寝たきり」になって取り組んでいます。実家で気持ちの安心を享受して、主婦の立場から外れて回復をこころみています。これは「ハイパーリラックス」による副交感神経を優位に立てての回復のさせ方です。
 これは、仕事に戻ると再び、気持ちが不安定になるので、「うつ」は治ったとはいえません。

ハーバード流交渉術 交渉戦術・2

現代の「うつ病」は、分裂病がつくり出しています
設問  「再び、カウンセリングの時代」の観点からみますと、ケーススタディの三人の女性の「うつの症状」は「自発的行動の低下」「早朝に目が覚める不眠」「覚醒が乏しくて睡眠状態におちいる」「記憶力が退化している」「血圧が極端に下がって朝、ベッドから起きれなくなっている」などによって「うつ病」と診断されます。これは、「セロトニン」の分泌の低下がもたらす症状です。

 しかし、「橘由歩」のルポをよく読むと、「自傷行為」や「イライラを夫にぶっつける」など、「うつ病」ではない病理もあらわしています。「自傷行為」は「ミュンヒハウゼン症候群」です。「分裂病」の症状です。

 「分裂病」が「うつ病」をつくり出しています。では、どういう「分裂病」がなぜ、どのように「うつ病」をつくり出しているのでしょうか?

回答・1

「女の本質」をとり違えているという分裂病です

 12月になって、「建物震度の強度の偽装問題」とか、小学生の子どもの殺害事件に、皆さまといっしょに胸を痛めている人気のうさ子さんです。
 ケーススタディの女性たちは、仕事、仕事で、「女の能力」の訓練を忘れているのです。
 「女でもない、男でもない」という中性型の性格をつくって、「女一般からの孤立」を不安に思っています。ここがよくつかめていないところが分裂病です。

回答・2

人間関係」は、「媒介」でかかわるという社会性の能力の解釈が分裂病です

 12月は、「犬」と話し合って、「来年はあんたの年でいいよ。ゆずった。犬も歩けば棒に当るという積極心を配信してね」とにっこり握手で人気のうさ子さんです。
 ケーススタディの女性たちは、誰も家事ができないことで嘆いています。これは、「相手が喜ぶ」という橋渡しの媒介としての「食事づくり」を学んでいないことを意味しています。
 ということは、思いやり、親切、優しくする、などの能力を身につけていないという分裂病が「うつ」をつくり出していることになるのです。

回答・3

疲労するとアレルギーの世界に陥り、仕事も分からなくなる、という「分裂病」です

 12月は、「ナルニア国の物語」の中に出てくるたくさんの「もの言う動物」とお友だちになれて「心の健康とはこういうものだ」と皆さんにもせっせと教えている人気のうさ子さんです。
 ところで、ケーススタディの三人の女性は、仕事をしながら「主婦」もやる、というふうに生活しています。
 疲労が血流のショートカットをつくることは全く考えられていません。
 「運動が不足している」ことが、仕事に限界をつくってこれが「仕事の分からなさの不安」という分裂病を生み出したと思われます。


学習に役立つ書籍



カウンセラー養成ゼミ NEWS LETTER 第136号

あわせてご覧ください

 ゼミ・イメージ切り替え法 『ドキュメント・主婦のうつ病』 うつ病の原因、うつ病の治し方」 ニューズレター






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