全日本カウンセラー協会 ポルソナーレ

うさぎです。

期3回め 平成17年3月12日

ポルソナーレ式イメージ切り替え法
ゼミ・イメージ切り替え法 NEWS LETTER 第123号

聴覚療法 9 眼と耳の知覚情報と脳の働きの言語(Ⅸ)

柳田邦男
14年目にやってきた男の出番

分裂病(5)
恒常的不安を治すセカンドステップ
 薬物療法から逃れるための会話術とロールプレイ

はじめに

 ポルソナーレ式セカンドステップの9回めをお届けします。今回も「薬物療法」を採り上げます。ご紹介しているエクササイズの「薬物療法の人」は実例の人です。薬の名称や副作用は事実のとおりです。病理の中身はプライバシーの保全のためにつくり変えています。副作用とは、どのようなものかを観察しましょう。

 本ゼミは、ロールプレイをとおして会話術のスキルを学んでいただくカリキュラムになっています。「会話術」「質問術」のスキルを系統だてて学習してください。

 「エクササイズ」は、声に出して読む、モデルとして覚える、というように活用しましょう。

 また、薬物療法は、度を超すと自律神経の交感神経の過緊張をつくり出す、これが恒常的不安を新たに派生させるという本質を学んでください。

ポルソナーレ代表 田原克拓



学習に役立つ書籍

本号の目次

ケーススタディ『柳田邦男・14年目にやってきた男の出番』

  「二分脊椎」という障害 / 「ダウン症候群」という障害
  「あなた方には資格と力があります」 / 「療育」の考え方
  「ぼくは働きたいよ」 / 「やれることは何か」を考える
  道標、底無しの奈落にうがつ

ポルソナーレ式セカンドステップ

  「分裂病」恒常的不安を治すセカンドステップ
  「薬物療法」から逃れるための会話術とロールプレイ
  エクササイズ

まとめ

  「特別の個人指導」
  薬物療法から逃れるための会話術のスキル

ポルソナーレ式イメージ切り替え法

  聴覚療法



 《参考文献》

『柳田邦夫・14年目にやってきた男の出番』(『新潮45』
  二○○五・3月号、 柳田邦男、、新潮社)

『神経言語プログラミング』(リチャード・バンドラー、
  ジョン・グリンダー、酒井一夫訳、東京図書)

『頭をつかえば自分も変わる、神経言語プログラミング』
  (リチャード・バンドラー、東京図書)
聴覚療法 9 眼と耳の知覚情報と脳の働きの言語(Ⅸ)

柳田邦男
14年目にやってきた男の出番

『新潮45』ニ○○五・三月号、柳田邦男リポート、大幅リライト・再構成

ご案内いたします

一、『柳田邦男・14年目にやってきた男の出番』のケーススタディをご紹介いたします。くわしい内容は、『カウンセラー養成ゼミ』のニューズレター(第118号)をご参照ください。
 このケーススタディでお伝えしたい主旨は「療育」ということです。先天的に障害をもって生まれた子どもが「療育」によって生き延びることができ、しかも「働いて社会参加を果たしている」という実例に注目しましょう。

二、「障害」といえば最も保護されるべき弱者であるというイメージが流通しています。しかし、ご紹介しているケースでは「ダウン症の子ども」が「療育」によって「ホームヘルパーの資格2級」を取得し、単独で働いて自立しています。

三、「療育」とは、「何ができないか」ではなく、「何ができるのか」に注目して健全な機能を最大限に発達させること、です。
希望と可能性をくみとりましょう。

(文中・敬称略)

(1) 柳田邦男が『14年目にやってきた男の出番』というリポートを書いている(『新潮45』二○○五・三月号)。
 このリポートで書かれている主旨は「療育」ということだ。「療育」のもともとの意味は「先天的に障害をもって生まれてきた子ども」を自立に向けて生き延びさせて、普通の生活ができるように社会的な学習や訓練を施すことだ。
●「二分脊椎」という障害
  柳田邦男は、実際にあった二つのエピソードを紹介している。一つは「二分脊椎」という障害をもって生まれた子どもの話だ。男の子だった。「手術をして、二十四ヵ月生きた例がある」というくらいのきわめて生き延びること自体が困難な障害だ。「脊椎」に異常があるからだ。母親は二十二歳だった。
絶望して「死ぬしかない」と思い詰めたという。だが、この二十二歳の若い母親は「二分脊椎」の障害の子どもに「療育」をおこなった。
「二分脊椎」の男の子は、二十四ヵ月以上、生き延びた。成人した。車椅子で仕事にも就いている。
●「ダウン症候群」という障害
   もう一つの「療育」のエピソードは、「ダウン症」の男の子の話だ。
 「ダウン症」とは、「ダウン症候群」と呼ばれている。イギリスの内科医ダウンが初めて報告した。(J.Lang don.Down1826-1896)。ヒトの二十番目の染色体の過剰によって起きる。発達、成長障害のことだ。先天性の心疾患をともなう。「精神遅滞」の一種と考えられてきた。かつては「蒙古症(モンゴリズム)」と呼ばれた。目が吊り上がり、上まぶたが目がしらで下まぶたを覆うという表情をしている。鼻が低く、舌が大きく、皮ふが厚い、という特徴をもつ。
 「心臓の奇形」「ヘルニアの奇形」をともなう。特効薬はない。「治療教育」、すなわち「療育」が非常に大切とされている。
「精神発達の遅滞」が特徴の一つだから「早期の療育」が一日も早くおこなわれればそれだけ成長や発達の遅れがカバーできると考えられている。
この「ダウン症候群」の障害をもって生まれた男の子に「療育」がおこなわれた。
(2) 「ダウン症候群」の男の子は「裕介君」(次男)といった。 父親は江口敬一だ。一九四九年 生まれで現在、55歳だ。
●「あなた方には資格と力があります」
  「ダウン症候群の裕介君」にはどのような「療育」がおこなわれたか。
 まず、勤務地先のアメリカ(西海岸シアトル)の医師の言葉から始まった。
「あなた方は、障害をもった子どもを立派に育てられる資格と力があることを神様が知っておられてお選びになられたご夫妻です。
どうぞ愛情深く育ててあげてください」。
江口敬一は、医師のこの言葉で立ち直った。
江口夫妻は、アメリカから日本に引き上げてきて、日本で「ダウン症の裕介君」を育てる。「療育」をおこなう。その考え方とはこうだった。

●「療育」の考え方

   「他人の痛みが分かる、思いやりのある人に育つようにしよう」。
 「できないことは、自分の意思で他者にサポートを頼んで、普通に生きられるようにしましょうね」。
 「他者のことをちゃんと考えられる人間に成長させよう」と言っている。また「何から何まで他者に依存するのではなくて、どうしても自分の力でできないと思える時は、自分はどうなりたいのか、自分は何が欲しいのか、自分はどうありたいのか、を正しく他者に伝えられる人間に成長させよう」とも言っている。結論を正しくのべる、自分の主張をはっきり言葉で言いあらわす、ということだ。対話ができる、他者の言葉を正しく聞ける能力を身につけさせようということだ。
江口敬一夫妻は、「ダウン症の裕介君」の「療育」をこんなふうにおこなおうと教育方針を決めて考え方を一致させた。
「療育」とは、心や精神を健全にして、家の外の「他者」と適合して生きる力をつけるということなのだ。
(3) 「ダウン症の裕介君」は「小学校」「中学校」は、地元の子どもたちが通う学校に通わせた。「いじめられるのではないか」「人に迷惑がかかるのではないか?」などとは心配しない。「できないことは他者に自分の意思でサポートを頼む」「普通に生きられる力を身につけていく」とは、自分で自分のことを悪く考えないということだ。他者を信頼して、積極的に自分から明るく打ちとけていくということだ。これが「療育」の考え方だ。

●「ぼくは働きたいよ」

  「ダウン症の裕介君」は、「高校」は「養護学校高等部」に進んだ。「高等部三年生」になると社会参加するための「職場実習」がある。「ダウン症の裕介君」は父親と母親に言った。
「お父さん、お母さん、ぼくは働きたいよ」。
「療育」とは、社会と適合するものの考え方を身につけて独力で生きていける社会性の能力を最大限に発達させるということだ。

●「やれることは何か」を考える

(4) 「ダウン症の裕介君」は、高等部を卒業すると「高齢者デイ・ケア・サービス・センター」に就職する。事前に「就業可能」の適正実習を受けている。客観的に評価されて採用が決められている。
「障害者」だから何ができない、とは初めから考えてはいない。「できることがある」「与えられた課題には積極的に取り組む」というものの考え方が身につけられている。
就職先は「アンデスのトマト」という高齢者を介護する施設だった。利用者にお茶を出す、お菓子を出す、フロやトイレのそうじをする、洗車をする、昼食の配膳をおこなう、レクリエーションの手伝いをする、などが業務だった。

●ホーム・ヘルパー3級の資格

(5) 働いて2年が経った。「ダウン症の裕介君」は、父親の江口敬一が手に入れてきた情報を聞く。
 「知的障害の人のためのホームヘルパー3級の養成講座」の話だ。
 「ダウン症の裕介君」に江口敬一はたずねる。
 「勉強したいか?」
 「勉強したいよお父さん。教えてくれてありがとう」。
 「ダウン症の裕介君」は二ヵ月間の講習を受けて「ホームヘルパー3級」の資格を取得する。

●ホーム・ヘルパー2級の講座を受ける

(6) 「ホームヘルパー3級」では利用者の身体に触れる介護はできない。「障害のある人」にはどうしても身体をサポートする介護がともなう。そこで「ダウン症の裕介君」は「ホームヘルパー2級」の資格を取得する養成講座に挑戦することを考える。
 「お父さん、がんばってみるよ。応援してくれてありがとう」。
 「ダウン症の裕介君」は、要介護の高齢者の身体に触れてお世話をする「ホームヘルパー2級」の養成講座に通い始める。
講義の中に「ダウン症についての説明と講義」があった。
「なんや、ぼくと同じやないか」。
「お父さん、お母さん、ぼくにはひょっとして知的障害があるかもしれへんよ。今まで気がつかなかったけどね」。
●「お母さん、サポート!!」
(7) 「養成講座」は実技編に入った。「排泄・尿失禁の介護」の実習もある。課題に「自宅で紙おむつをつけて寝てください」というものがある。「ダウン症の裕介君」はこの課題にとりくむ。
その夜。
「サポート、サポート、お母さん」と自室から呼ぶ声がする。江口夫妻が行ってみる。ベッドの上で裕介君が仁王立ちになっている。「紙おむつ」は赤ちゃん用で小さい。なかなかうまくつけられない。
「うわーっはっはっはっはっは、わーっはっはっはっは」。
江口夫妻は爆笑する。「ダウン症の裕介君」も爆笑する。
「あーっはっはっはっはっ、うわーっはっはっはっはっ」。
母親が手伝ってなんとか「紙おむつ」をつける。その夜、裕介君は「紙おむつ」をつけたままで寝た。
 窓からまるい月が銀色の光をさしこんでキラキラ光っている夜だった。
●道標、底無しの奈落にうがつ
  「ダウン症の裕介君」は「ホームヘルパー2級」の資格を取得した。講座の参加者は七名だった。七名の全員が取得した。
「知的障害者」が「2級の資格」を取得したのは「大阪」では初めてのことだった。
それは、「障害」をもった人が社会参加して自立し、単独で生きるということの一里塚の道標を底無しの奈落にうちこむ、画期的な出来事だった。
「おかげさまでね、お父さん、お母さん。励ましてくれてありがとう」。
二○○四年三月のことだ。
ポルソナーレ式セカンドステップ

分裂病(5) ・ 恒常的不安を治すセカンドステップ

「薬物療法」から逃れるための会話術とロールプレイ
「母さん。励ましてくれてありがとう」。
二○○四年三月のことだ。
庭には、春風を受けてピンクのチューリップが、うさぎの耳のようにゆらゆらと揺れているステキなそよ風の日のことだった。
(9) 柳田邦男の『14年目にやってきた男の出番』のルポの中から「二分脊椎」と「ダウン症候群」のケーススタディを紹介したことには意味がある。
それは「定義」と「条件」をつねに考えようということだ。
●「定義」をおこなおう
  「二分脊椎」も「ダウン症候群」も「先天的な障害」ということが共通している。この先天的な障害は、ともに社会的には福祉の対象とみなされている。「保護されるべき対象」という社会通念がある。社会参加はできない。一人で普通の生活はできない、働くことができないから経済的にも自立できない、というのが社会 通念からみた「定義」だ。
「条件」は、脳にも、身体にも障害があって社会参加はおろか「生きること」そのものに重大な欠陥や欠如がある。それが先天的な障害をもつ人である、と「先天的な障害」の事情や事実関係を説明する。
●定義を転覆させた
  ところが、柳田邦男のルポに紹介されている「二分脊椎」の男の子と「ダウン症候群」の男の子の親は、この「定義」と「条件」を転覆させた。
「療育」という概念を学び、「療育」というコンセプトにもとづいて子どもを育てた。すると「先天的障害」をかかえていても「自立は可能である」「働いて単独で生きて普通に生活していくことは可能である」という「定義」に変えた。それは、「何ができない」と考えるのではなくて「何ができる」と考えるという「条件」によって実現された。その具体的な方法とは「他人の痛みを分かる人に育てよう」「できないことは、自分の意思でサポートを頼み、普通に生活できるように育てよう」というものだった。

●「左脳の聴覚野を発達させる」が、自立

  それは「脳の働き」でいうと「左脳の聴覚野」(右の耳に話す。右の目でものを見る)に語りかける、というものだった。「社会化する」もしくは「社会的に自立する」「社会の中で単独で生きる」ということは、「左脳の聴覚野」に向かって話しかけること、「左脳の聴覚野」をつかって言葉を話すこと、が定義になる。
(10) 「心の病い」の人は、たいていこの「療育」の定義から外れたところで「現実について話す」ということをおこなっている。「現実の事実」を対象にしていないのだ。
「社会に参加する」とか「社会の中で働いて単独で自立して普通に生活をする」という定義から外れて言葉を話している。そして行動する。すると「先天的な知的障害」に社会通念として与えられているような「何ができない」という負の言葉と負の行動を選択している。「それでしょうがない」と親も、まわりの人も「条件」づけている。

●負の定義をおこなっている

  「何ができる」という健康で、健全な「脳の働き」や「身体の機能」を「何ができない」という負の条件で「定義」づけている。
 この考え方をがらっと変えようというのが「療育」というコンセプトだ。

●見限るな

(11) 大切なことは、まわりの人が「見限らない」ということだ。「これだけ言っているのにやらないのは本人だ」「もうどうしようもない」と判断を諦めないことだ。
「心の病いの人」の「分裂病の人」は、「いいか、悪いか」「ダメか、そうでないか」の価値判断をおこなう。その結果「社会参加しない」「単独で自立して普通に生きることをしない」という選択をし、じっさいにそのとおりの行動をおこなう。そのような価値判断に合わせて、また、そのような生き方を許容するということが「見限り」、「諦める」ということだ。それが「社会通念」の一つにもなっている。このような社会通念を固定観念という。この固定観念を転倒したのがケーススタディの「ダウン症の裕介君」の父親、江口敬一だ。「知的障害者」ばかりを雇用して二年間で「単独黒字」にし、現在、「経常収支を黒字」にしている。「療育」は経済的利益を生み出せるということを実証している。

●エクササイズ

分裂病?・恒常的不安を治すセカンドステップ
薬物療法から逃れるための会話術のロールプレイ

  「ここに、ついこの間までは働いていて、結婚生活を維持していた一人の女性がいる。知的障害者ではない。ごく普通の健康な心身をもつ人だった。 
それが、社会参加できなくなり、寝たきりに近い状態になった。「療育」というコンセプトの上に立ってカウンセリングをおこなうとする。ポルソナーレ式セカンドステップの「会話術」をもちいたカウンセリング技法を適用してみる。

 「つよい不安を感じて、くりかえし不安の考えが頭の中に浮かんで消えないので、神経科で薬を処方していただいたということです。もうどれくらいの間、薬を服用しておられますか?」
 「三カ月くらいです。最初のうちは処方された時の指示のとおりに服用していましたが、今は、不安になった時だけ服用しています」

スキル・1…会話では、必ず「定義」をするということをおこないます。いいとか、悪いとかの価値判断の基準を示すことが定義です。「定義」をしたら次は「条件」を設定します。ここでは、薬を服用しているという現状を定義しています。その具体的な内容が「条件」です。つよい不安がくりかえしイメージされるので、その不安から逃れるために薬を自分の意思で求めて服用しているという現状をカウンセリングの価値判断の対象にしています)。

 「不安というのはどのような内容のものかを教えていただけますか?」
 「これが不安だという定まったものはないのです。いろいろのことが不安になります。気になると何も手につきません。誰かに聞いてもらいたくて、いろんな人に電話したり、メールを出してなんとか不安をふりはらおうとしますがうまくいかなくて、それで神経科の医師に相談しました。医師は話を聞いてくれて、薬を処方してくれたのです」

スキル・2…薬を服用しているという現状は、内発的な不安がつづいて消えないので服用しているということが定義されています。「不安」は、現実から強いられたものではなくて脳の働き方として起こっているという「条件」が明らかになっています。神経科の医師はこのような内発的な不安をパニック障害と診断していることが分かります。とにかく不安感が鎮静すればよいという価値判断がクライアントと医師の双方にあることが観察されます)。

 「思い浮かべられる不安とは、例をあげるとこういうものだということをお話いただけますか?」
 「何もかもが不安です。生きていることも不安になります。三カ月前に仕事を辞めましたが、この仕事の引き継ぎをきちんとしなかったのではなかろうか?と不安になります。父親の仕事を手伝うという理由で辞めたのですが、その仕事に取り組めていないことも不安です」
 「念のためにおうかがいいたしますが、誰かからクレームをつけられたとか、批難されたという事実があったのでそれを気にしている、ということはございますか?」
 「いいえ。そういう事実はありません。ですが、私は悪く思われているに違いないと確信しています。父親だっていつまでも仕事にかかわらないのではとんでもないやつだと思っていないはずはありません。だから帰宅した父親に文句を言うこともしばしばあります」
 
「ご質問にお答えいただいてありがとうございます。お話をうかがうと、頭の中にひとりでに不安なイメージが思い浮かべられてくる、その不安が恐怖のイメージに変わる、とご説明しておられます。そのような不安はパニック障害と診断されるのです。
人それぞれに不安の内容はちがいますが、特定の場面や特定の事実とかかわるとつよい不安におそわれてパニックになるのです。薬が利いて治るということはありません」。

 「私の場合は、仕事がちゃんと進まないとか、人と約束したことをちゃんと果たせない、などについて不安が迫ってきます。なんとか謝りたいとか、いやあの人のせいでこうなったという怒りとかが湧いてきて深い絶望にとらわれて逃げ出したくなるようです」

スキル・3…「会話術」で大切なのは事実をのべるにせよ、よい・悪いの価値を説明するにしろ、根拠を明らかにすることです。これがないと、「分裂病の人」は自分の不安な感情についてどこまでも話そうとするからです。聞きっぱなし、話しっぱなしになって問題解決から遠去かっていくことになると理解しましょう。根拠を説明する方法は、何かを説明したり主張した後に「なぜならば」とつけ加えて説明をつづければよいのです)。

 「今、服用している薬とはどういうものか?を教えていただけませんか?パニック障害は薬では治らないことは医師もよく知っておられるはずです。薬の名称が分かれば現実のどんなトラブルを抑制しようとしているのかがおおよそ判断できます」
 「レキソタンとデプロメール、それにマイスリーです」
 「ありがとうございます。医師は、パニック障害とも考えたかもしれませんが、むしろうつ病と診断しておられるようです。人間とか仕事から孤立しているという判断になっています。
 レキソタンは、神経症や心身症から起こる不安、緊張、強迫観念、自律神経失調症の症状を抑える薬です。つよい依存症があって止めにくい薬です。副作用は、眠気、方向困難、構音障害、食欲不振、喉が閉じる、などです。
 デプロメールは、抗うつ薬です。気分安定薬ともいわれます。強迫性障害に投与されます。副作用は筋肉痛、関節痛、呼吸困難、筋強鋼、呑みこみ困難、アナフィラキシーショック、協調異常、そして急性腎不全により死亡例がある、などです。
 マイスリーは、催眠、鎮静薬です。精神緊張にともなう不眠などのために投与されます。副作用は依存症、眠気、目まい、精神錯乱、健忘症、下肢脱力、疲労、複視、錯視などです。
 全体的にパニック障害の不安を抑制する効果が求められています。大脳辺縁系でノルアドレナリンが過剰分泌しているので起こる症状の不安を抑制するという目的は果たされているようです」

 「今、一日中寝ていて、起きれない状態です。食事も摂れません。全く食べないことはないのですが、食欲不振で食べる意欲がなくなっています。表に出れず、そうじもできず、仕事をするという気にはなれません。薬の副作用のせいでしょうか」

スキル・4…現状についての新たな定義をおこなっています。薬によって、新しいトラブルがつくり出されているという事実です。定義の条件は、それまでできていた社会参加ができなくなっていること、普通の生活ができなくなっていて、身体活動もストップしていることです。また、薬によってパニック障害の不安が全く消えているわけでもないこと、です)。

 「このパニック障害の直接の原因は、無呼吸状態からつくられています。ふつうはここで過呼吸症になるところですが、そうはならないのは、不安の対象にたいして回避したり、逃亡しようとは考えないからです。むしろ、不安の対象にたいして執着したり、取り込もうと考えています。その結果、自分が壊れるか、対象を壊すか、という関わり方がおこなわれています。取り込めば社会参加が可能になるし、うまくいかなければ自分が破綻するという不安がパニック障害をつくっています」
 「すると私の不安は、今、薬の副作用がつくり出しているような全く身動きがとれないようなものの考え方を身につけていたということが原因なのでしょうか?」
 「おっしゃるとおりです。パニック障害の遠因は、典型的には親の放置とか虐待です。脳幹からのA6神経がつねに過剰に働くということが疲労物質の乳酸や炭酸ガスをつくり出し、延髄の呼吸中枢に刺激を受けて呼吸が止まるという誤作動を引き起こすことでパニックが発生するのです。
 不安がくりかえしてイメージされるのは現実破壊の経験が遮断されているからです。おそらく、これまでパニックにならずにすんだのは、仕事のまわりがもっと破滅的だったのか、ご自身が恋愛などで何かを壊してきたなどの経験があったからだと思われます」

 「では、私の不安がなくなるには、現実を壊さないようなA6神経の働かせ方をすることだ、ということになりますか?」

スキル・5…今の問題とは何か? 今の原因を明らかにしている。ここから新しい社会適合の方法と、これが問題を解決することを説明する。A6神経が過剰に働くということは、左脳の前頭葉の社会の言葉、秩序、ルールが壊れているということだ。
 「交感神経の過緊張」ということだ。
 『カウンセラー養成ゼミ』ニューズレター第118号の本文を参照
 生理的身体は副交感神経のハイパーリラックスで、アレルギー症状をひきおこしているということだ。これが恒常的な不安の「パニックの不安」をつくり出している。対策は、刺絡療法が有効である)。

「ご自身は、自分はつねに否定されているというコンプレックスにとらわれているようです。
そんなはずはないという考え方から、自分の価値を恣意的に解釈して自分を認めさせるために無意識にイジメとか、もしくは恋愛の中での収奪をおこなってきたのではないでしょうか。
ちょうどDVのような心理状態です。現実の触る、見る対象とその言葉を意味から説明できるように、絵本の読み、語り、書き、憶えなどで左脳の聴覚野を発達させる学習をおすすめします」

 「具体的な実践の仕方については、別途、特別の個人指導をとおしてご指導を受けたいと存じます。
さしあたり刺絡療法と脚の運動・家の中の秩序の回復からとりくみたいと思います」

まとめ

「特別の個人指導」

ポルソナーレセカンドステップ

分裂病?・恒常的な不安を治すセカンドステップ
薬物療法から逃れるための会話術のスキル

恒常的な不安を治すセカンドステップ
薬物療法から逃れるための
会話術のスキル
  「特別の個人指導」
(1) 柳田邦男のルポの『14年目にやってきた男 の出番』で紹介されている「療育」というコンセプトを立場にする。
「無意識の観念の運動」とは?

「自分は、仕事、学校、人間関係から悪く思われていると考えている自分」のイメージ
(2) 「療育」とは、「治る」「治す」という教育プログラムを系統立てるということである。 「中止すべき無意識の観念の運動のイメージ」とは?

「自分は、人の目や人の耳をとおして自分のことを考えているので、これを中止すると考えている自分」のイメージ
(3) 「何ができないか」ではなくて「何ができるのか」に注目して健全なところ、健康な機能(脳と身体)を最大限に発達させる。 「自覚的に考えるべき観念の運動のイメージ」とは?

「自分は、自分がかかわるべき現実について正しく定義し、その条件も明らかにしてこれを憶えていると考えている自分」のイメージ
(4) 「治る」「治す」ということは、ケーススタディにあるように「経済的な利益」を産みだすと正しく解釈する。これにより「保護」とは「消失」の負の価値しかないことを正しく理解する。 「さらに自覚的に考えるべき観念の運動のイメージ」とは?

「自分は、現実の事実(対象)にもとづいて主張と結論をのべ、その根拠、判断の基準、価値観も説明する、と考えている自分」のイメージ
世界的水準の「脳の働きと言語の学習回路」にもとづく聴覚療法

ポルソナーレ式イメージ切り替え法
演 習
(1)右の目」を「右の下」に向ける
・ 20秒以上。(顔を正面に向けたまま、右目だけを「右下」に向ける。以下同じ)。

? 「自分は、社会の中に入ると不安を感じる、と考えている」と考えている自分のイメージを思い浮かべる。
(2)「左の目を」「左の上」に向ける
・ 自分は、「仕事、勉強、人間関係などを壊して孤立している」と考えている自分のイメージを思い浮かべる。

? 脳の働き方のトラブルは、「現実社会の言葉をつくり変えて定義や条件が乖離し現実と対立している言語障害だ」と正しく分かる。
(3)「右の目」を「右の上」に向ける

?左脳の頭頂葉でイメージされる。
?自分の「分身」の谷川うさ子を呼ぶ。

(1)(2)の「自分」のいる「右脳の頭頂葉」へ「谷川うさ子さん」といっしょに行く。

(4)「右の目」を「右下」に向ける

?自分の分身の「谷川うさ子さん」といっしょに「(1)(2)(3)(4)をくりかえして憶えている自分」をイメージする。

(5)「左の目」を「正面」に向ける
・「右脳」の頭頂葉でイメージする。
上記の(3)の、「右の目を右の上に向ける」という「イメージ切り替え法」が「ポルソナーレ式イメージ切り替え法」です。

 「分裂病(逃亡と美化のイメージ)を実現するために「社会不適合」をおこしている、を治すためにあなたの頭頂葉の「谷川うさ子さん」といっしょに、次のようなことを実践しましょう。
「ポルソナーレ式セカンドステップ」が柳田邦男がリポートした
二つのケースをご紹介するのは、次の二つの点です。
(1)「早期療育」ということ。 脳や身体の全体に刺激を与えて、普通の生活、普通の学校生活、普通の人間関係を体験させる。「他人の痛みが分かる思いやり」を育てる。
「できないことは、自分の意思で、どうしたいか、自分はどうありたいか、何がほしいのか」を述べて、他者にサポートを頼めて普通に生きられる力を育てよう。
(2)「社会参加」をさせる。 そのためには親も学ぶ。「仕事」ができるということが自暴自棄を防ぎ、その結果に心が生きられる恋愛と結婚がやってくる。
「谷川うさ子さん」は、あなたの「左脳の頭頂葉」にいます。
 分裂病(現実との不適合を深める破壊)をつくっている絶対的孤立感を治すために、「谷川うさ子さん」といっしょに、子どもの教育のためにも、次のことを理解しましょう。
●ハイパーリラックス 「ハイパーリラックス」とは、「脳の働き方」でいうと「A10神経」か「A9神経」によって「大脳辺縁系」でドーパミンを分泌するということです。
 ちょうど「社会の言葉」とかかわっている中で、「対象」から乖離して逃避したり、逃亡したり、回避している「脳の働き方」に対応しています。

 それは、次のような「脳の働き方」になっているでしょう。

?恣意的に解釈する
?自分のことを過度に考える
?人の目をとおして自分のことを考えつづける
?過去のことをふり返って考えつづける
?現実にたいして、感情
(怒り、恐怖、妬み、好き、嫌い、痛い、辛い、苦痛などの生の感情のこと)
で認知しようとする

など、です。これが「脳の働き方」の中の「ハイパーリラックス」(A10神経か、A9神経でドーパミンを分泌させる強迫観念のこと)です。

最後に、上記を参照のうえ、下記の空白の欄に
ご自分で記入して、演習してください。
(1)「無意識の観念の運動」とは?



(2)「中止すべき無意識の観念の運動のイメージ」とは?



(3)「自覚的に考えるべき観念の運動 のイメージ」とは?



(4)「さらに自覚的に考えるべき観念の運動のイメージ」とは?






ゼミ・イメージ切り替え法 NEWS LETTER 第123号 了




あわせてご覧ください

 カウンセラー養成ゼミ第118号 『柳田邦男・14年目にやってきた男の出番』 ニューズレターサンプル


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女性の脳の働きが伸ばす「人格=パーソナリティ」を目ざましく発達させる!が教育の方針です。 女性が社会性の世界(学校・仕事・社会の規範・人間関係のルール・合理的な思考)と、知的に関われる!を一緒に考えつづけるカウンセリング術です。

ストレスを楽々のりこえる女性の「脳」を育てる!!が教育の人気の秘密です。女性は、脳の働きと五官覚の働き(察知して安心。共生して気持ちよくなる)とぴったりむすびついて、一生、発達しつづけます。


脳と行動の診断

人の性格(ものの考え方)が手に取るように分かる「心の観察学」

心の病いに感染させられない「人間の関係学」がステキに身につきます。

心の病いを救出する、心と心をつなぐ「夢の架け橋術」

相手に好かれる「対話術」がまぶしく輝くので、毎日が心の旅路。

相手の心の働きのつまづきが正しく分かって、「正しい心の地図をつくれる」ので、損失、リスクを防げます。

性格のプロフィールが分かるから正しく「教え・育て・導く」ができる本物の社会教育の実力が身につきます。


よくある質問

学校に行くとイジメがこわいんです。私にも原因ありますか?

怒りっぽいんです。反省しても、くりかえしています。治りますか?
脳と心の解説

「仕事・人生・組織に活かすカウンセリング」です。他者の心身のトラブルを解消できれば、自然に自分の心身のトラブルも解消します。

プロ「教育者」向けのカウンセリング・ゼミです。
人間は、誰でも「気持ちが安心」しないと正しく「ものごと」を考えられません。

「脳を最大限に発達させる」が教育の狙いと目的です。「指示性のカウンセリング」とは、 「一緒に考える」「共感し合って共に問題を解決する」カウンセリング術です。ものごとには「原因」(脳の働き方)があるから「結果」(心身のトラブル)があります。

「脳の健康を向上させる」、が教育のテーマと目標です。「指示性のカウンセリング」は、「考えたことを実行し、考えないことは実行しない」 という人間の本質を、最後まで励まし、勇気づけるカウンセリング術です。

脳の働きがつくる「人格=パーソナリティ」を育てる!が教育の方針です。
「指示性のカウンセリング」は社会性の世界(学校・仕事・社会の規範・人間関係のルール・合理的な思考)と正しく関わる!を一緒に考えつづけるカウンセリング術です。

ストレスに強い、元気に働く「脳」に成長させる!!が教育の魅力です。
「指示性のカウンセリング」は五官覚(耳、目、手、足、鼻)を正しく発達させて、言語の能力も最高に発達させるカウンセリング術です。


脳と行動の診断

「心の病いの診断学」が楽しく身につきます。

心の病いの予防と解消の仕方の「人間の理解学」が身につきます。

心の病いに気づける「人間への愛情学」が驚くほど身につきます。

「交渉術」の知性と対話の能力が目ざましく進化しつづけます。

相手の心の病理が分かって、正しく改善できるので心から喜ばれます。「心の診断術」

病気になるということ、病気が治るということが正しく分かる、最高峰の知性が身につきます。


よくある質問

朝、起きると無気力。仕事にヤル気が出ません。うつ病でしょうか?

仕事に行こうとおもうと、緊張して、どうしても行けません。治りますか?
バックナンバーの一部を9期後半分より、随時掲載していきます。
詳しくは下記をクリック
 ゼミ・イメージ切り替え法
 バックナンバー第7期まで
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入会も随時受け付けています。
入会と同時にご希望のバックナンバー等、ビデオ(DVD)学習で、学んでいただけます。


ゼミの見学、ゼミのバックナンバービデオ(DVD)試聴も無料です
ニューズレターと共にお送り致します。 詳しくは「入会案内」をご覧下さい。
ポルソナーレのゼミの様子をYouTubeに公開しました。

脳を発達させる日本語トレーニングペーパー 谷川うさ子王国物語

一部公開しました。
トップページ NEW! 年間カリキュラム 学習の感想と学習成果 「日本人の思考」と「谷川うさ子王国物語」と「グローバル化の恐怖」
学習内容(サンプル) 「言葉」 日本語の影響。その仕組みと感情、距離感、人間関係について
「脳を発達させる日本語トレーニング・ペーパー」の役立て方の資料
『分裂病の自己診断表と自己診断』
男性に嫌われない女性の話し方
女性に嫌われない男性のしゃべり方
を教えます

ポルソナーレのマスターカウンセリング

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クマ江
クマ江さん

《クマ江版・おそろし》
スクールカーストと
脳の働き方 百物語
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うさ子
谷川うさ子さんの
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「第20期」(平成30年・2018年)ゼミ、開講中!
受講生の皆様へ 平成25年冬版 ポルソナーレからの真実の愛のメッセージ
受講生の皆様へ 平成25年5月5日 版 ポルソナーレからの真実の愛のメッセージ 詳しくはこちら!

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