日本人の最大の問題は、要介護状態が誰にでも発生すること、にあります。直接の原因は、認知症(痴呆症)と、その内容の周辺症状です。周辺症状とは、「行動の部分、限定の止まり」が定義です。
脳の働き方から解明すると、周辺症状とは「幻覚」と「幻聴」のことです。
会話のときに、「相手の顔、目を見ない」、「相手の顔、目を見ても、作り話を話す」と「幻覚」、「幻聴」がつくり出されます。
要介護状態に陥らない、認知症(痴呆症)にならない、ための対策の基本は、「相手の顔、目を見ながら話す」「自分の顔を相手に見せながら話す」「相手の話はおしまいまで聞く」、です。
これが、ポルソナーレのカウンセリング・ゼミが研究・開発した「要介護状態の治し方」「認知症(痴呆症)の予防と改善の仕方」です。
慣れるまではガマンして実行しましょう。「やわらかく相手の顔、目を見る」ことがコツです。
認知症(痴呆症)とは、ひとくちにいうと「行動が部分的、限定的の止まること」です。
「学校に行かない」「引きこもり」「昼まで寝ていて、入浴しない」「一日中、オンラインゲームばかりしている」といったことが「行動の部分、限定の止まり」です。ひとりの力でトイレに行く、たまには入浴する、時々は家の外に出る、という「行動」はおこなわれているので「部分的、限定的な行動の止まり」です。
認知症(痴呆症)というと、「人の名前を忘れる」とか、「自分の身近な人の顔も忘れること」だといわれてきました。長期記憶ができないことが認知症(痴呆症)だといわれてきました。
しかし、この理解は誤りです。人間の脳の働き方から説明すると、長期記憶というのは、脳の言語野で空間構造というルール、きまり、約束を記憶する領域があって、この領域を働かせることをいうのです。日本人の使う日本語は、「自分自身にとって」という已然(いぜん)、未然(みぜん)が話し方とか書き方の構文になっているので、短期記憶の言語領域しか働いていません。
日本人の脳の働き方は、全員、一人残らず短期記憶なのです。
短期記憶とは、「短い間しか憶えることができない」ということではありません。色とか、味とか、香りといったことしか憶えないということです。
だから、言葉でいうと、名詞とか形容詞、抽象名詞というものは「憶えない」のです。
日本語は、短期記憶のための言葉です。それが「已然」と「未然」ということの本質です。
山下秀雄は『日本のことばとこころ』(講談社)で日本語の「已然」と「未然」について分かりやすく説明しています。
《已然と未然の文例》
A「人はだれでも野菜を食べる」
B「ぼくは毎日、野菜を食べる」
C「わたしは今、この野菜を食べる」
Aは、「食べる」の一般論です。ふつう「現在形」といわれている形です。
Bは「食べる」という行為が成立しているし、同時に進行状態もあらわしているので「已然」です。
Cは、まだ「この野菜を食べていない」ので「未然」です。
D(問い)「わたしたちは、目でどんなことをしますか?」
E(答)「わたしたちは、目でこの部屋の黒板を見ます」
Dは、「目の働き」の一般論を尋ねています。したがって「已然」ではありません。
Eの答えは「未然」の言い表し方です。しかし、正しくは、一般論としての「目の働き方」を答えればいいので「見ます」とだけ言えばよいことがわかります。ここでの「見ます」は「已然」ではなく、一般論です。
F「友だちが、いま居る」
G「友だちが、いま帰る」
Fは「已然」です。話し手と友だちとは、同じ時間、同じ空間の中に立っているからです。Gは、友だちが同じ場面にとどまっていますが、やがて「帰るだろう」と「まだ」を言い表しているので「未然」です。
H「あの子はおやつを食べているのよ。あと少しで食事だからもうおやつは食べさせないでほしいね」
I「毎日、深夜まで働いていて、休日も働くのってとてもつよく精神力だね」
J「毎日、職場のブラックな状態を見ているのに、病人が出るまで放置していましたね」
Hの「已然」は「…ている形」です。「完了後の現状」をあらわしています。
Iも「完了後の状態」をあらわす「已然」です。
Jも「已然」ですが「現在の状態」をあらわしています。
この山下秀雄の日本語の已然(いぜん)と未然(みぜん)の説明で重要なことは、「自分自身にとって」という判断の仕方であるということです。
已然と未然の意味は「自分自身にとって」ということです。已然と未然は「動詞」、すなわち「自分の行動」を憶えるという脳の働き方になります。
日本語の構文では已然(いぜん)と未然(みぜん)が基本の表現形式になっているということは、「相手」とか「複数の人間にとって」ではなくて、「自分にとって」、を言いあらわすということです。
「相手」「複数の人間」のための言葉とは、「名詞」「抽象名詞」「形容詞」です。
すると、已然と未然の動詞中心の言葉は、ルール、きまり、約束にかんする言葉は「聞かない」「話さない」(省略する、無視する、忘れるということです)ということを本質にしています。
この「相手についてのことを話さない、聞かない。自分の動詞の言い表す言葉しかしゃべらない」というのが「内扱い」です。
人間の脳は「左脳」と「右脳」で成り立っています。
左脳と右脳は、共時して働きます。そして独立しても働きます。
◎左脳…言葉をつくり出す。ルール、きまり、約束を学習する。
◎右脳…行動をつくり出す。行動の目的や必要を学習する。
◎左脳の視覚野、聴覚野…「場面」「状況」を見る。名詞、抽象名詞、形容詞の中の法則を聞く。
◎右脳の視覚野・聴覚野…行動の対象の色、味、香を見る。風の音、動物や小鳥など自然音を聞く。
日本語の「内扱い」は、「左脳の視覚野」「左脳の聴覚野」に受容される知覚情報を「右脳の視覚野」「右脳の聴覚野」で否定するということです。
已然と未然の動詞文が、「外扱い」の「名詞」「抽象名詞」「形容詞」のもつルール、きまり、約束といった「法則」を否定するということです。
これは、人間の顔についている「目」「耳」の働き方に影響を及ぼします。
母親が子どもの「顔、目を見ない」「子どもの話すことをおしまいまで聞かない」という「視覚」と「聴覚」の働き方になります。ここで当の子どもは「目」と「耳」の自律神経の交感神経が働かないので、副交感神経中心の「見方」「聞き方」をおこないます。副交感神経を働かせる血管の中の血液には、生化学物質のセロトニン、ヒスタミン、アセチルコリン、プロスタグランジン、ロイコトリエン、コレチストキニンなどの苦痛、痛み、不快感をつくるホルモンが滞留します。これが大脳辺縁系の中枢神経の扁桃核や海馬、線条体に作用して不安定な記憶のイメージを選択的に表象させます。
母親が子どもの「顔、目を見ない」というときの子どもの脳(右脳・実像)の「感覚の知覚」の領域には、「外側核」(食べたい欲)に、已然と未然の「動詞文」が移行して「人の言葉を憶えない」「書かれたものを憶えない」「行動の秩序も憶えない」という周辺症状をつくり出します。
人間に対して敵対的な「幻覚」をイメージします。
外側核は「過食症」を中心とする症状をつくり出します。
母親が子どもの「顔、目を見る」しかし「作り話を話す」というケースは視床下部の「腹内側核」にシフトします。ここでは、子どもの目の自律神経の交感神経は働くので「食べたくない欲」の腹内側核に、已然と未然の「動詞文」がシフトするのです。
ここで母親の話す「作り話」は「名詞」「抽象名詞」を壊すという話し方になります。
「お隣の山田さんは変な人なのよ」(人の悪口を話す)、「お母さんはね、悪い病気になっているのよ」(自分の病気の話をしゃべる)「お母さんもね、中学生のころから人の目が気になっていたのよ」(自分の妄想を話す)「お母さんは、あなたのお父さんのことを尊敬しています」(本当は、不安の目で見ている)などの「作り話」が、子どもの「脳」(右脳・実像)の「知覚の認知」(知覚の了解作用の過程)(吉本隆明によります)に、「幻聴」を表象させます。
「幻覚」も「幻聴」も「行動の目的」になるので「右脳・ブローカー言語野・3分の1の領域」に常に「自己」として無意識化して表象しつづけています。
パソコン、スマホ、デバイスなどのテクノロジーによる画面(ディスプレー)は、これらの「幻覚」と「幻聴」が「ネット検索」によって選び取った「文字」「文」「画像」を表示させます。「幻覚」と「幻聴」とディスプレー(画面)表示の「ネット情報」とは同値です。つまり多くの人にとっては、已然と未然の「動詞」によって「入力」「指先で検索」した「幻覚」と「幻聴」を「見る」「聞く」ことをおこなっています。自分の目が見ている、耳が聞いているので、「見る」「聞く」という「行動」(已然と未然の動詞)が「已然」として完成します。
すると「手、足の行動」もディスプレー(画面)に見る「已然」のとおりに止まるのです。
現在の認知症の周辺症状(幻覚、幻聴)はこのようにして「行動の止まり」をあらわしています。
このような脳の働き方の解明から日本人の要介護に至る認知症(痴呆症)の周辺症状を予防し、改善するのが、ポルソナーレのカウンセリング・ゼミの教育の狙いと目的です。
この第18期のカウンセリング・ゼミも変わらずに厚い御支持をいただきますようどうぞよろしくお願いいたします。
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