■ 相談の事例
「私は、卒業の近い大学生。社会に出て行くことを思うと、体の調子がおもわしくなくなり、人間関係もうまくいかなくなって困っています」(長野茂夫。23歳。男性。大学生。滋賀県坂田郡)
(注・人物は仮名です。特定の人物、職業、地域、団体とは無関係です)
● 相談の内容
私は、大学生です。来年卒業の予定です。私は、もともと人と接すると、見られていることに不安を感じやすくて、呼吸が乱れ、胸が詰まる感じにとらわれます。言葉や態度が不自然になります。
自分が何かで気分のいい時には人と接してもこういうことは起こりません。メールとか電話で話す時は気にならないのですが、何かのきっかけで、息が詰まる気分、何をしゃべったらいいか分からない憂うつ感にとらわれます。
どういうときにこういう不調感にとらわれるのかといいますと、就職のことを考える時です。自分に合う仕事があるのか、こんな対人緊張症をかかえてこの厳しい競争社会を一人の力で歩いていけるのか?と考えると、呼吸が乱れてきて泣きそうな気分になります。
こんな状態の時に、人と話すと赤面します。強迫感みたいなものがいつも胸の奥底にどろどろとうごめいている気がして気になってしかたがありません。
この頃は、とくに、女性と話している時も気分がうわずっている感じになり、話をするどころではなくなりました。
私は、本当に情緒不安定で、時々、何もかもどうでもよく感じられることがあります。人からもよく言われます。人と面と向かってしっかり話せない時などに避けられている気がして、よほど自分は変に見えるにちがいないと思います。
この私の呼吸が乱れて、息が詰まり、涙ぐんでしまい、オドオドとおびえる症状というのは、どこから来ているものなのでしょうか。「脳の問題」だとすると、急には治らなくて、脳の疾患のような検査と治療を必要とするものなのでしょうか。時々、カウンセリングなんかで治るわけはないと、めんどくさく、「もうどうでもいいや」とバカらしく思うこともあります。
● ポルソナーレの「指示性のカウンセリング」とはこういうものです
現在のポルソナーレの「カウンセリング・ゼミ」では、ここにご紹介している事例の男性が抱えている「人と話せない」「人と話すと胸に圧迫感を感じる」「赤面する」「情緒が不安定」などという症状は、イメージ療法で30分くらいで解消できています。
症状とは、関係性の中の了解の不全がつくる過緊張のことですから、自律神経の交感神経の「高止まり」を解消すれば、たちどころに消える、という性質のものです。
問題は、特定のパターンの「関わり方」「関係づけの仕方」をおこなっている「ものの考え方」にあります。この「ものの考え方」がたえざる症状を生み出しています。したがって、何にたいして、どういう「関わり方をしているのか?」を改善しなければ必ず、姿と形を変えた「症状」が再び発生することは今から予測されることです。その「関わり方」とは、「赤面する」「涙目になる」「めんどくさくなってどうでもよくなる」という「右脳・ウェルニッケ言語野」の触覚の認知を中心にした「社会のルール」(社会性の言葉)の形式的な関係も保てないし、自発的に壊してしまうというところに求められます。
今、こういう関係の「形式」も保てられない脳の働き方の人が、自滅型の「ものの考え方」をあらわしていることは、どなたもよくご存知のとおりです。
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