みなさん、こんにちは。
全日本カウンセラー協会・ポルソナーレの谷川うさ子です。
平成22年3月7日の日経の「社会面」に「子育てゲームに熱中」「0歳3ヵ月の娘を餓死させる」という小さな記事が報道されていました。
この事件の起こった国は、韓国です。「ソウル=共同通信」による配信です。
●「少女キャラクターを育てるゲーム」
事件のあらましはこんなふうです。
- 「インターネットカフェ」で「少女キャラクターを育てるゲーム」に熱中した夫婦がいた。
この夫婦には、0歳3ヵ月になる娘がいた。
- この夫婦は、自宅に0歳3ヵ月の娘を一人だけ残したまま、近所の「ネットカフェ」に入り浸った。
昨年の9月には「1日12時間」もゲームをつづけた。娘は、1日に1回ミルクを与えるだけだったので栄養失調になった。そして9月に栄養失調のために死亡した。
夫婦は「遺棄致死の容疑」で逮捕された。
- 韓国のメディアは「ゲーム中毒になった。実の娘への現実的な関心を失い、仮想世界(バーチャル)の子育てに集中した」と報じた。韓国社会に衝撃を与えている。
- 事件の理解の仕方は「脳の働き方」のしくみを分かることです
誰もが抱く関心は、なぜこういうことが起こるのか?にあると思われます。これは、脳の働き方のしくみを正しく分かるための知的教訓になる問題なのです。
脳は、「大脳新皮質」「大脳辺縁系」「脳幹」という三つの層で成り立っています。
さらに、「脳幹」にある「視床」から上部の「大脳新皮質」は、左脳と右脳とに分かれています。そして、「大脳新皮質」は、「後頭葉」、「頭頂葉」「側頭葉」「前頭葉」の四つの野(や)に分かれています。
人間には、人間の特質として「人間的な意識」があります。この「意識」はどうやってつくられるのか?というと、「右脳・前頭葉」に思い浮ぶイメージを、「左脳・前頭葉」に思い浮ぶ「記号・数字・言葉・言語の形象」によって変化させる、ということが「人間的な意識」なのです。
この、「右脳・前頭葉」になぜ、どのように思い浮ぶのか?というと、自律神経の「恒常性(ホメオスタシス)が「像」を表象しつづけます。
つまり、「人間は、右脳・前頭葉に像を思い浮べつづける」という動物一般にはない特質をもっています。
●人間の意識の素材は「像」(イメージ)です
この「像」は何か?というと、「言葉の意味」を形成する素材になるのです。「左脳・前頭葉」に思い浮ぶ「記号性としての形象」が「言葉の意味」をつくります。
この「意味づくり」が「認識」といわれるものです。
「意味づくり」がうまくいったときが「知性」です。そして「像」を次々に変化させること、この「変化」そのものを「記号性の言葉」で叙述するときが、「学」というものになります。
大切なことは、この「像」は、「現実の対象」と「一義性をもつ」ということを本質にしているということです。
●「像」は「現実の対象」と合致しない場合にトラブルが発生します
しかし、「現実の対象と一義性をもつ」というような「像づくり」をしない場合があります。それが、今回の「韓国」の「バーチャル」による「像」を「右脳・前頭葉」に思い浮べる場合です。
これは、「夢」だとか「心と精神のつくる妄想」だとかとも共通しています。
「言葉」の訓練が不足していたり、言葉の「意味」を正しく分からないのに「意味抜きのままに言葉を暗記する」というときに、独力で「像」を変化させる、という能力が不足します。
幼い子どもが「バーチャルの金魚」を「本物の金魚との区別がつかなくなる」ということが起こるのは、「左脳・前頭葉の言葉」の「学習不足」から生じる問題です。これと同じことが「韓国」の事件を起こしました。
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「韓国」の事件は、決して他人事ではなく、全世界に共通する問題です。日本では、「ケータイ」とか「音楽」とか「ゲーム」の「バーチャル」が一般的になっています。「韓国」の事件ほどストレートではなくても類似したことが起こっていると考えることのきっかけをこの事件は教えています。
ポルソナーレの『谷川うさ子王国物語』はこういう状況だからこそお役に立ちます。ぜひ学習をおすすめします。
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