みなさん、こんにちは。
全日本カウンセラー協会・ポルソナーレの谷川うさ子です。
●「考える」とは?
「人間は、誰でも自分が考えたことを実行して、考えないことは実行しない」。
この法則を疑う人はいないでしょう。
では「考える」とは、何のことでしょうか?
それは、「右脳・前頭葉」に思い浮ぶイメージのことです。
人間は、「右脳・前頭葉」に思い浮ぶ「イメージ」(像)のとおりに話すし、手足を動かすのです。この「右脳・前頭葉」に思い浮ぶ「像」(イメージ)は、言葉の意味の素材です。
●英語の5文型
欧米人は、古代ギリシャ哲学以来、近代哲学まで「右脳・前頭葉」に表象する「像」(イメージ)を考察してきました。知的な認識を目的にした動かし方を考察してきました。そのひとつのモデルが「英語」の「5文型」です。
具体的に確認してみましょう。
- 第1文型:SV
例文=He died.
- 第2文型:SVC
例文=He looks happy.
- 第3文型:SVO
例文=I like cats.
- 第4文型:SVOO
例文=I gave him a CD.
- 第5文型:SVOC
例文=I will make you happy.
この英語にみる文型(構文)は、「右脳・前頭葉」に表象する「像」を変化させるための「形式」です。この形式にのっとって現実のものごとの概念を当てはめると「右脳・前頭葉」には、例文のとおりの「像」が表象します。すると、表象した「像」のとおりに行動が可能になるのです。
「例文」の「形式」と、「形式」にあてはめた概念の意味が「右脳・前頭葉」に思い浮ぶ「像であることがよくお分りでしょう。
●ヘーゲルの「精神現象学」
この英語の5文型に象徴される「右脳・前頭葉」の「形式」をつくってきたのは古代ギリシャ哲学者らです。ソクラテス、プラトン、アリストテレス、カント(近代・プロイセン)といった人たちです。「形式」を完成させたのがG・W・F・ヘーゲルです。
ヘーゲルの『精神現象学』を読んで、その主旨をくみとると、「左脳・前頭葉」に適用する「形式」の言葉を「命題を立てる」とのべています。
「命題」とは、
「地球はまるい」。
といったふうな「真」か「偽」(ぎ)かを問う平叙文のことです。
この「命題」の平叙文だけでは「右脳・前頭葉」に「像」は表象しません。「地球がまるい」ということを万人が認める事柄として証明する必要があるからです。
証明の仕方は二つあります。一つは「演繹法」です。もう一つは「帰納法」です。
「演繹法」の例
- 人との別れは必ずやってくる。
- 友だちとも別れるだろう。
- 両親との別れもいずれ来る。
(演繹法=一般的、普遍的な真理、法則を元にして事象や事例が真理であることを判断する。)
「帰納法」の例
- チャーチルは死んだ。
- ソクラテスは死んだ。
- リンカーンも死んだ。
- だから、人は必ず死ぬものだ。
(帰納法=個々の事柄から一般的な法則、真理を見出す思考法。)
- まとめ
- 演繹法とは、一般的、普遍的な真理を立てる。故に、事例、事柄は真であると判定する証明の仕方。
- 帰納法とは、個々の事柄をいくつか比較して、この比較の中から共通の特性を見出し、一般的な真理を判断する証明の仕方。
●「像」を動かすしくみ
このようにして、ようやく「右脳・前頭葉」に表象されている素材としての「像」は「真」としての「像」に変わるのです。
「演繹法」の例でいうと、
- 人との別れは必ずやってくる。
- 友だちとも別れるだろう。
- 両親との別れもいずれ来る。
というように、1,2,3という「像」をつくって、「3・両親との別れもいずれ来る」の「像」が最後に残ります。
これが「命題」(1)の意味になるのです。
日本語(和語)の「文法」(構文)は英語の5文型のようにはなっていないので、「演繹法」か「帰納法」のような証明の仕方でなければ「右脳・前頭葉」に表象する「像」は変化しません。すると、行動の主体はつねに「偽」としての「像」を思い浮べるしかなく、この故に「不安」を感じざるをえないのです。
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