全日本カウンセラー協会 ポルソナーレ

うさぎです。
ポルソナーレ 今の日本の脳の働き方と病気のリポート
「個人べつの病気と症状の傾向」 No.25
『私の脳の働きはどうなっている?』
26歳にもなっているのに、中学生以来の対人恐怖がまだつづいています。

■相談の事例

「私は、今、26歳です。恋人もいますが、仕事の中でいつも人間関係に不安を感じています。この対人不安は、中2からずっとつづいているものです。恋人にだって心から安心したことはありません」
(野田優子。26歳。女性。会社員。滋賀県栗太郡)
(注・人物は仮名です。特定の人物、地域、職業、団体とは無関係です)

■相談の内容

 私は、3人姉妹の末娘として何不自由なく育てられました。小学校のころは何ごともなく、幸せでした。中学に入り、中2になってから状況が変わりました。

 ある女の子と友だちになったのですが、この女の子が超わがままで、この女の子の世界に引きずりこまれました。
 ほかにも友だちをつくればよかったのですが、この女の子に付き合わされてしまい、(付き合った自分もバカだったのですが)、すっかり回りから浮いてしまいました。この女の子は、あの子はバカだとか、あの子は性格が悪いとか、あの子は誰からも嫌われている、などということをいつも話していました。
 この言葉に影響を受けた私もどうかしていたのですが、いつの間にか、その女の子の態度、行動に似てしまったらしく、まわりからすっかり嫌われていることに気がつかなかったのです。私は、なぜ、人が私をこんなにも嫌がっているのか、キラうのかに全く気がつきませんでした。

 中3になって、これは友だちの女の子の影響だ、と気がつきました。その女の子が、まわりの人からイジメられ、バカにされているのに気がついたからです。私も同じような態度、行動をしていました。姉にも同じような態度をあらわしていたので注意されました。「そんなことやっていると、いずれ、社会人になっても誰もあんたのことを相手にしなくなるよ。それでもいいの?」。

 不幸なことに、中3になってもその女の子は同じクラスでした。まわりの人からは相変らずうとんじられて嫌がられました。その女の子は、相変らず「あの子はバカだ、あの教師は変なやつだ、あの男の子はアホな奴だ」と私に言いつづけました。
 メールでも、電話でも聞かされつづけました。どういうわけかこの女の子は、どこで覚えたのかコトバをいっぱい知っていて、妙に筋の通った説明の力があって、いつまでもしゃべりつづけることができました。
 ちなみに、この子は、高校を卒業してすぐ「風俗」の世界に入ってまわりの人とゴタゴタを起こしてタイホされました。

 私は、高校になっても、イジメられたことが尾を引いてとっつきにくい、カラにとじこもった性格になりました。友だちも少なく、スキマだらけのかわききった生活をしました。世間知らずの常識のない女の子という目で見られていました。大学も、友だちがつくれず、友だちといっても上辺だけのおしゃべりで、私といるよりも、誰か別の人としゃべっている方が話題性もあって楽しそうで、相手にされていないことを感じていました。授業に出ても何も頭に入ってこないので、大学2年生で中退しました。母親はひどく反対しましたが、父親は、話もしてくれず、何も言いませんでした。

 会社に入ると、自分の性格がまともに出てたった4ヵ月で辞めさせられました。声が小さい、しゃべらない、愛想が悪い、などで対人の接待も、電話の応対も非常に下手だったためです。辞めさせられたと人には言えず、夜も眠れず、悲しい日々をおくりました。二つ目の会社は、人の目を見てしゃべれないことと、人と目を合わせてにっこり笑えないのとで一年で辞めました。対人恐怖と緊張が自分でも思いのほか、ひどくなっていたのです。

 私は、母親ともあまり打ちとけてしゃべれるほうではありませんが、父親とは、話が出来ないのです。
 父親は、会社では課長をやっていて部下も10数人いるようなのです。かなり仕事もできて、まわりの人から尊敬もされています。
 しかし、私は、父親とはしゃべれません。私にしてみると視野が狭く、厳格なものの考えか方をすることがニガテなのです。他人の言い分など聞きいれようとしなくて、しゃべれば鼻であしらうような独断にみちてからかうようなしゃべり方をします。それと、いっぱいしゃべるので、何を言いたいのか、何を言われているのか、よく分からずに、緊張します。息が詰まってくるのです。
 向かい合って食事をすると手が震えてきて、会話どころではなくなります。姉は、それほど緊張しているふうではありません。でもさりげなく避けているのがよく分かります。

 私は、今、やたらと人の顔色をうかがって気にする性格になりました。恋人もいますが、一緒にいても、どこか緊張していてしゃべれない自分を感じます。もう3年も付き合っているのに、私はこの人のことを本当に好きなのかって疑問に思っています。ホテルに行っても、ぜんぜん楽しくありません。いつか別れることになるのだろうなあ、と思っています。

 私は、自分にたいしてものすごいコンプレックスをかかえています。年上の人と話すと、話がとぎれがちで、ぎこちなく、話がつづきません。
 まわりに変な雰囲気を与えているようなのです。いつも考え込んでいて、思うように自分を表現できません。私の脳の働き方って、どこかおかしいのでしょうか?

●ポルソナーレの「指示性のカウンセリング」とはこういうものです

 人間の脳は、大脳、大脳辺縁系、脳幹の三つの層で成り立っています。「大脳」とは、「左脳」と「右脳」のことです。「左脳」はデジタル脳で、言語を覚えて表現します。「右脳」はアナログ脳で、五官覚で認知したことをイメージします。言語表現のときは、「脳梁」や「前交連」をつかって「左脳」の言葉と「右脳」のイメージとをむすびつけています。「山」という言葉を言いあらわすと「右脳」に「山のイメージ」が思い浮ぶのです。

 ところが、日本人は、「左脳で学習するコトバ」を「右脳」の触覚の認知(ウェルニッケ)をデータベースとして、サーバのように憶えこんでいます。自分が行動するときのための言葉として憶えているのです。

 自分が「親の位置」に立つときは「親としてのかかわりのための言葉」を、後付けとして引っぱってきて、しゃべったり、書いたりします。

 しかし、事例の相談のように、「自分が子どもの位置」に立つことしか知らないときは、ここに「親としての位置の言葉」が無いので、「依存してあたりまえ」「甘えてあたりまえ」という「イバリの態度」(本人はそう思っていなくても、相手からはイバリに見える)という態度をあらわすのです。
 これが、相談の事例の女性が、誰とも仲良くできなくて、相手にもされず、安心して人間関係をやれない原因になります。

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