全日本カウンセラー協会 ポルソナーレ

うさぎです。
ポルソナーレ 今の日本の脳の働き方と病気のリポート
「個人べつの病気と症状の傾向」 No.28
日本人の脳の働き方がつくる心の病い 『脳の働きとうつ病』
私は主婦です。うつ病で抗うつ剤を飲んでいます。薬を何度も変えましたが、効きません。眠れないし、横になると居ても立ってもいられない不安が襲ってきます。あと、人間関係でもすごく緊張します。
■相談の事例

私は主婦です。うつ病で抗うつ剤を飲んでいます。薬を何度も変えましたが、効きません。眠れないし、横になると居ても立ってもいられない不安が襲ってきます。あと、人間関係でもすごく緊張します。
(浅田慶子。30歳。主婦。福島県西白河郡)。
(注・人物は仮名です。特定の人物、職業、地域、団体とは無関係です)。

■相談の内容

 私は、19歳のころから対人不安で悩んできました。人が大勢いるところでは心臓がドキドキしていました。赤面するし、話すと声が小さくなって震えます。本当に私って、なんでこうなんだろうて思っていました。仕事は個人病院の事務をしていました。
 母親が結婚しろしろとうるさく言って、母親の知り合いの女性が「いい人いるよ」と紹介してくれる男性と結婚しました。学歴も高くて役職に就いている年上の男性でした。
 会えば酒ばかり飲んで、会社のことを悪く言う人でした。自分の仕事の不満ばかり聞かされていました。まるで自分のことを悪く言われているようでドキドキしていました。でも、妊娠したので諦めて結婚したのです。今、生まれた子どもは4歳です。私に似て、なんか無口で、いつもビクビクしておどおどした目付きをしているのが気になります。子どもが生まれたのは25歳の時でした。

 子どもが生まれてから、眠れなくなりました。精神科に行ったら「うつ病だ」と言われました。薬を飲んでも眠れなくなったのです。医師に聞いたら「副作用で眠れるよ」と言われました。確かに眠っているような気はするのですけれども、夜、食事が終わると頭がボーッとのぼせてきて胸がドキドキします。肩がひどくこります。横になってもいろんな不安がどこからともなく押し寄せてきて、このまま死んだらどうしようとか心配になります。その場から逃げ出したくなるのです。夫が言うのでいろんな病院に行ったり、拝んでもらいもしましたが、ちっとも治りません。むしろ、前よりももっとひどくなってきているような気がします。

 それでも、何とか今まで生きてきましたが、結婚しても、子どもが生まれても何も変わりません。逆に、未来というか、招来の幅が狭くなって生きていく道が細く、暗くなっているような気がしています。味気なく、つまらない人生を生きてきたような気持ちで虚しくなっています。こんなだったら、23歳の時に本当に死ぬほど好きだった人との間で妊娠していれば、同じ苦しい毎日でも充実していたに違いないと悔しくて涙が出てきます。

 私は、自分のことをちょっとでも悪く言う人がいるとすごく頭にきて、その人のことが大嫌いになって、憎むようになっていたのです。男性にかんしては、必要以外、何もしゃべりたくはありませんでした。
 でも、こんな私に、くじけるな、嫌なことがあってもそれでも前を向いて進まなくてはいけないって言ってくれた人が、初めて好きになった男の人でした。
 「前に進め」ったって、「後ろに進めるわけないじゃん」とその時は浅はかにもそんなふうに思っていました。今ごろになって「前に向かって進む」ってことの意味がよく分かってきました。5年か、6年も前にこういう言葉をちゃんと分かるかしこさを身につけていれば、たぶん、今ごろ不眠症にも、うつ病にもならなかったんだと思います。

 その頃の私は、無口な方で必要なこと以外、何もしゃべらない人間でした。
 自分では明るくふるまっていても、「おとなしい」とか言われるととても嫌になって悲しくなっていました。人間関係では、いつも悔しい思いを抱えていました。ちょっとでも悪く言われると胃が痛くなります。今、結婚している「夫」は、学歴も高いし、資格もいろいろ持っているので頭はいいと思うのですが、言葉にトゲがあるのです。「あの部長がこういうことで文句を言うけど、自分のことをタナに上げて人にはあれこれ言うのは、一体どういうわけだ?」とか、詰問調というか、問いかけ調で話します。私には、何のことかサッパリ分かりません。すると、黙って聞いているとこういう調子で、毎日、グチグチと「問いかけ調」での話が襲ってくるのです。私が何かをしたかのような、罪人みたいな気分になってきます。
 こんな「夫」から逃げ出したいとも思ってしまいます。この頃では、「夫」の顔を見たり、声を聞いただけで胸のあたりがズキンと痛く響きます。

 母親にこういうことを話したら、「お母さんなんかはもっと辛い目に合った」と言われて口を封じられます。
私はもっとヒドイ思いをしたのだから、お前もそれくらいのヒドイ思い、辛い思いをするのは当然だと言われているような気がします。すると、母親と話したり、声を聞くのも嫌になってくるのです。

 私は、まだ不眠の日がつづくのでしょうか。ポルソナーレのことを知ってから「私にはもうこれしかない」と思っています。こんな私でも治るのでしょうか。

●ポルソナーレの指示性のカウンセリングとは、こういうものです

 事例の女性は、嫌な思いをするとその嫌な思いのイメージがくりかえし思い浮ぶということをのべています。このように「嫌な思い」(イメージ)がくりかえし思い浮ぶことを「常同症」とか「常同反復症」といいます。「脳幹」(首の後ろから脳に入りこんでいる脊髄のおしまいの部位)にドーパミンやノルアドレナリンやセロトニンを分泌する神経の群があります。このノルアドレナリンとセロトニンの分泌が変調したときに「常同症」が起こります。ノルアドレナリン(人間的な意識を覚醒させる)が分泌しなくなり、セロトニンの分泌も減少するからだ、と「薬理学」は考えています。そこで「セロトニン」を分泌させるクスリを服用させると、大脳辺縁系の中の「線状体」や「淡蒼球」が「不安をくりかえしつくり出す」「恐怖をくりかえしつくり出す」という中枢神経の興奮状態が止まる、と考えられています。
 そのためのクスリの代表的なものが「クロミプラミン」です。セロトニンが再吸収されることを防いで、神経伝達作用がスムースにいくように作用させる、というキャッチフレーズです。
 「スルピリド」というクスリも、よく服用させられている薬です。事例の女性は、「うつ病の薬」として「スルピリド」を服用していました。

 しかし、この事例の女性は、「クロミプラミン」も「スルピリド」も効果をあらわしていません。理由は、「結婚」「人間関係」ということのための社会的に意義のある言葉が無いからです。
 現実には、結婚しているので「夫」や「子ども」との人間関係は避けられません。「夫」と「子ども」と関わって行動するための「言葉」が必要です。行動は、楽しいこと、自分に利益があることのためにおこなわれるからです。この女性は、「結婚」にも「子どもを産むこと」にも自分が楽しいと思える言葉や自分に利益をもたらす言葉がありませんでした。ただ「母親が早く結婚しなさいと言ったから」という記号としての言葉が「結婚」というコトバでした。

 この女性が結婚したのは、「妊娠したから」というものです。誰にも分かるように妊娠して子どもが産まれても、その「夫」との人間関係が「楽しい」とか「自分にとっての利益になる」ことの二つを満足させるとは限りません。「こんなことなら初めて好きになった男の人と妊娠すればよかった」と事例の女性が言っているように、本当の「欲求」や「気持ち」は経験したこと、学習したことと、その「記憶」の中にあるのです。人がよく「思い出があれば生きられる」と言い、悲惨で孤独な境遇の中でじっと耐えしのんで生きているのはこういうメカニズムになっています。

 どんな言葉でもいいのですが、「行動」にむすびついて「楽しさ」や「自分にとっての利益」のイメージを「右脳」に表象(ひょうしょう)しない時は、「行動」が止まるのです。「行動が止まる」ということは、「負の行動のイメージ」が右脳に思い浮ぶという脳の働き方になっています。「負の行動のイメージ」とは、「楽しくない」「自分はひどい損害をこうむっている」というイメージのことです。これが右脳にいつでも喚起します。この喚起のことを「右脳だけの働きとして思い浮ぶ」ので「表象」(ひょうしょう)といいます。

 しかし、事例の女性は、子どもを産み、「夫」との関係を強いられています。「行動が止まっているはずなのに、しかし、ムリヤリの行動がある」という状態です。
 すると、A6神経は、左脳ではなくて「大脳辺縁系」に作用して働くのです。
 A6神経は、覚醒、言語、思考、身体を健全に動かすための副交感神経です。「左脳」「小脳」を中心に分布している神経回路です。これが止まるので、対応しているセロトニンも分泌しなくなります。
 これが「薬理学」が観察している大脳辺縁系の中の「セロトニン不足」です。

 セロトニンもノルアドレナリンも「左脳」の働きのために必要なホルモンです。
 「行動が止まっている」から「負の記憶のイメージ」が喚起するのでセロトニンの分泌を「クロミプラミン」で促進させましょうといっても、「負の行動のイメージの表象」は止まりません。
 ムリに行動、嫌な思いの行動はつづくので「大脳辺縁系」でのノルアドレナリン(A6神経)の作用はつづくからです。この「嫌な思い」「辛い行動」が「線状体」や「淡蒼球」で不安をかきたてて、「海馬」の過去の嫌な思いの記憶を想起させます。これが「無意識」といわれる脳の働き方のメカニズムです。

 「嫌な夫との関係がある」という経験は、「嫌な過去の人間関係の記憶を想起する」というようにむすびつきます。これが「オペラント条件反射」といわれるものなのです。事例の女性が「悪く言われると、その人を憎んだ」という記憶を想起させているのは、「夫」との体験がつくり出した「オペラント条件反射」であるのです。



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