■相談の事例
「私は、看護学生です。寮に入って学校に通っています。人の目が気になるので、寮の女の子たちとしゃべれず、勉強も手につきません。人間関係がうまくいかないのに看護の仕事ができるのだろうか?と悩んでいます」
(山岡まり子。19歳。京都市左京区)
(注・人物は仮名です。特定の人物とは関わりはありません。また、特定の職業、団体、地域とも無関係です。相談の内容もいくつかの内容を合成して再構成してあります)。
■相談の内容
私は、看護学生です。広島からこの京都にやってきて寮生活を送っています。広島出身なので広島弁をしゃべります。寮の生徒は、みんな関西弁をしゃべります。聞いていて疲れます。私は、関西弁はしゃべれません。寮の子と話す時は、無理をして標準語を話します。これも疲れるのです。
毎日、苦しいのです。しゃべるのが辛くて、暗い気持ちにもなっています。なぜ、こんな遠い京都まで来たのかと悲しくなってしまいます。
学校から帰って部屋で勉強するのですが、教科書を目で見ても文字を目で追っているだけで内容を理解できません。いつも頭がボーッとしています。いつも試験があるので憶えなくちゃと思うのですが、勉強していると身体が固くなってきて、耳も痛くなって、死を考えてしまいます。息が出来なくなります。
身体を動かそうと思ってジョギングをしていました。でも、いつも頭がどんよりと重くて、走っていても人の目がひどく気になります。まわりの景色がきれいだとは一度も思ったことはありません。
私の部屋には兵庫の子がいます。
二人部屋です。とてもいい子で気が合うのですが、いつもCDをつけて音楽を聴いています。食事の時とか、二人で話をしている時などです。
その音楽が気になって何を話していいのか、何を考えていたのかを忘れて気が散って、頭が重くなります。学校で授業中にも、その音楽が頭の中に鳴り響いていて、目の前の授業に集中できません。
●ポルソナーレの「指示性のカウンセリング」とはこういうものです
事例の女性は、この後、学校を辞めました。そして、家で何度かの自殺未遂をくりかえし、父親と折り合いが悪くなって家出します。しばらくしてのち、働かない男性と知り合い、意気投合して一緒に生活を始めます。
働かない男性から求められて風俗の仕事を始めて、警察沙汰になり、家に連れ戻されます。家にいて出会い系などで知り合った男性と一緒に暮らしたり別れたり、をくりかえして精神が破綻して、精神科に長期入院するまでになりました。
日本の女性は、勉強したり、社会の中で自立して単独で自分の生活を支える、ということがどうしてもできない、という脳の働き方を抱えています。社会の中で自立して生きていく力がどうしても身につかない、というモデルとして事例を紹介しています。
その場その場で、何かとうまくいかない自分に気づき、そんな自分の不安を日々、膨張させて、必ず、「その場」から逃げ出したり、逃亡することを考えます。実家に帰っても父親でなければ母親と折り合いがつかなくて、出会い系サイトなどで男性と「出会い」、脳の働き方がつくる病気をもっと悪化させます。
人間の身体は、ある年齢まで正しく出来ていた「ラジオ体操」が、しばらくラジオ体操をやらないと、以前は出来ていた動き方が全く出来なくなっている、というように固まります。「小脳」が記憶するのです。
「小脳」が記憶したとおりに神経系の細胞が記憶して、筋肉の細胞も「動かない形」に変化します。
人間の脳も、まったく同じように「記憶のメカニズム」で働いています。
日本の女性の脳の働きの記憶のメカニズムは、「X経路」を中心に動いているので、「意識」も「言葉」も、「何が」「どうした」という言葉しか「記憶」できないように働いています。
「何が」「どうした」というのは「水を飲んだ」「ご飯を食べた」というように「行動」が完結したり、終了したり、停止している時の「言葉」です。
同時に、「母親」から与えられた時のように「何を」「どうした」と受け身で、保護されていて依存し、甘えている状態の時の「言葉」です。
すると、日本の女性は、いつでも、どこでも「負の行動のイメージ」の「自分は楽しくない」「自分は損をしている」という不安や恐怖の「記憶」を「右脳のブローカー言語野」の3分の1のゾーンに表象させつづけている、ということができます。
恋愛をしても、結婚しても、この脳の働き方のメカニズムは変わりません。
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