全日本カウンセラー協会 ポルソナーレ

うさぎです。
ポルソナーレ 今の日本の脳の働き方と病気のリポート
「個人べつの病気と症状の傾向」 No.67
日本人の脳の働かせ方の仕組み
■日本人の「うつ病」の脳の働かせ方のメカニズム
■特集・「日本の中小企業の経営者の自殺」

みなさん、こんにちは。ポルソナーレの谷川うさ子です。

 平成20年5月25日付の日経の「社会面」の『社会人』欄に「中小企業の経営者」が自殺しているので、これを防ぐ目的で設立されたNPO法人『蜘蛛(くも)の糸』のリポートが載っていました。理事長、佐藤久男(64歳)の活動です。

 経営不振に苦しむ中小企業の経営者が、次々に自殺していくのを、面談によってアドバイスし、「自殺」を思いとどまらせようというのが活動のおもな内容です。これまで、のべ1,000人の中小企業の経営者の相談にのった、とリポートされています。しかし、面談したにもかかわらず「自殺する人」はいる、ということです。

 中小企業の経営者は、なぜ自殺するのでしょうか。自殺を思いとどまる人もいるので、自殺の原因は、必ずしも「負債を抱えたから」とか、「会社が倒産したから」ということが直接の原因ではありません。もし、そういうことならば、佐藤久男も自殺していなければならないという理屈になります。
 佐藤も負債を背負って、しばらく「自殺する自分の姿」の幻影に怯えていました。

 ポルソナーレの掲示板でも何度かご紹介しましたが、『そうじをすれば、お金持ちになれる、仕事もうまくいく、ツキがめぐってきて好運が舞い込む』といったたぐいの本が「ベストセラー」になっています。「中小企業の経営者がたくさん集まるセミナー」をおこなっているということでした。全国規模の展開です。

 佐藤久男が会った1,000人近い「中小企業の経営者」が、この『そうじをすれば、仕事がうまくいく』といった類(たぐい)の本を熱心に読んで「セミナー」にも参加していた、という証拠はありません。しかし、「そうじをすれば、大金持ちになれる」といったようなことを信じて、そのとおりの「脳の働かせ方のメカニズム」をつくれば、「うつ病」が深刻になり「自殺する」ことはありえます。

 「脳の働き方」から見た「うつ病」とはどういうものでしょうか。簡単にいうと「仕事」でも「遊び」でも「日常生活」でもいいのですが、「行動することは、即、楽しくて快感に感じることでなければならない」と考える思考パターンのことをいいます。

 「自殺する」とは、何のことでしょうか。これも脳の働き方のメカニズムから解析すると、「行動することは、即、楽しくて快感を感じることでなければならない」という生の感情と欲求を、「自分が死ぬ」というバッド・イメージの実現によって実現するという「実行」のことです。
 みなさまも、自分が現実の中で孤独感がつづいた時、「物を叩いて壊す」ということをひょっとして経験したことがあるかもしれません。ガチャンと音を立てて皿を割って壊すとか、紙をビリビリに引き裂いて破ってちぎった時に、胸がすっと気分よくなったという経験がおありになるのではありませんか。これが「バッドイメージ」とその実現による「快感の発生」という脳の働き方のメカニズムです。

 「自殺する人」は、皿を割って壊すとか、不要になった紙をわざとぐしゃぐしゃと音を立ててメチャメチャにするかわりに、「自分自身」を壊してしまう「バッドイメージ」を、右脳のブローカー言語野に表象(ひょうしょう)させているのです。

 したがって、「うつ病」の症状は、この「バッドイメージ」による「破壊の行為」にあらわれると理解していただくことができます。それは、必ずしも「物を叩く」とか「物を壊す」といったことにあらわれるとは限りません。「母親が子どもを叩く」「夫が妻を叩く」「恋人が、相手を叩く」なども「バッドイメージ」の表象(ひょうしょう)に現実を一義的にむすびつけて「ドーパミン」を分泌させています。

 自分自身の日常の現実には、「行動すること」が、即、「快感になること」はほとんど無くなったか、もともと、病的な行動によってしか「行動・即・快感」を享受できていなかったために、制約や制限が迫ってきて「飢餓感」を感じる時間が圧倒的に増えてきたことが、「物」の代わりに「身近な他者」をイジメるのです。

 「そうじをする」こととは、一体、何でしょうか。「そうじ」とは、概念です。
 概念とは、「意味が定まっている言葉」のことです。概念としての「そうじ」とは、ホコリや汚れを取り除いてきれいにする、という意味をもっています。これは、どんな辞書にも載っています。
 また、害のあるものを取り除く、という「意味」も、概念としての「そうじ」の内容です。

 「そうじをすれば、心がキレイになる」とか「そうじをすれば人から好かれる」「お金が勝手にやってくる」「職場をそうじすると仕事の能力が伸びる」などは、概念としての「そうじ」の「意味」にはありません。そういう「意味」は、どんな辞書にも載っていません。普遍性が無いということです。恣意的にくっつけられた「認識」です。こういう似ても似つかない認識のコトバのことを「認識のバイアス」といいます。

 「認識のバイアス」とは何のことでしょうか。「月にはうさぎがいて、モチをついている」「四つ葉のクローバーを見つけると幸運がおとずれる」「死んだ母親が台所で泣いているのを見た」などというものが「認識のバイアス」による言葉です。「うつ病になると、抗うつ薬を飲めば治る」というのも「認識のバイアス」です。「バイアス」とは「歪み」とか「片寄ったネジレ」といったほどの意味です。

 「そうじをする」と「お金持ちになる」ということは、「そうじ」という行為や行動をイメージした時、このイメージを拡大して、大きくクローズアップさせることから発生します。テーブルの上のリンゴをじっと見つめつづけると大きくクローズアップした視覚のイメージとして右脳ブローカー言語野に表象されます。これは、一回とか二回の「見つめること」ではこんなふうにはなりません。何日かつづけると、「クローズアップのイメージ」が表象します。長期記憶として「オペラント条件づけ」による表象(ひょうしょう)が成り立つようになるのです。

 もともと、「現実のものごと」をクローズアップさせた「視覚のイメージ」として「認知する」という「脳の働き方」のメカニズムをつくっている人が、「リンゴ」なら「リンゴ」を目で見たり、また「リンゴ」という「コトバ」をくりかえし耳で聞いた時に「クローズ・アップさせる」のです。

 「そうじをすると、いいことがあるよ」と耳で聞いたり、イラスト付きの本を目で見てパッと反応する人がいる、ということです。「いいこと」のいくつかの言葉をまず「クローズアップの視覚のイメージ」として思い浮べる、という脳の働き方のメカニズムをつくっている人のことです。「クローズアップのイメージ」は、「リンゴ」の例でも分かるように、自分の身体の皮ふ感覚にぴったりとくっついてくる「認知」を内包しています。

 どういう脳の働き方のメカニズムか?について、分かりやすい例をあげます。

 人が自分について、「批難がましいことを言った」という状況があります。
 「批判した」「叱った」「文句を言った」、などの状況です。ここで、この言葉を受け取り方は、二通りです。一つは、「自分の人格、人間性を否定されたかのように受け取る」というケースです。もう一つは、その言葉の正否や真偽を観察して知的対象にする、というケースです。「ものごとを、つねに、視覚のクローズアップのイメージとして表象して、自分の身体の皮ふ感覚にくっつけて、了解する」という脳の働き方をする人は、前者のケースです。良いことも、悪いことも、全て「クローズアップ」から「触覚の認知」に還元して「安心したり、もしくは不安になる」という「脳の働き方のメカニズム」をつくっています。

 人間の脳の働き方は、「言葉」を生成して、行動をあらわすことに本質があります。この「言葉」は、視覚、聴覚、触覚のいずれかの「認知」を視覚、聴覚、触覚のいずれかの「認識」で記憶して、この記憶を表象させるか、表現させる、というメカニズムとして生成されます。
 視覚、聴覚、触覚のうち、「触覚」だけで「気持ちの安心」を得るという生育歴をもつ人が「うつ病」になるのです。

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