全日本カウンセラー協会 ポルソナーレ

うさぎです。
ポルソナーレ 今の日本の脳の働き方と病気のリポート
「個人べつの病気と症状の傾向」 No.68
日本人の脳の働かせ方の仕組み
■日本人の「グレーゾーンの分裂病」の脳の働かせ方のメカニズム
■特集・「エセ脳科学」を喜んで受け容れる日本人の病理の現在……『フリーズする脳』(思考が止まる・言葉に詰まる。築山節・つきやまたかし)に見る日本人の病理の実体とはこういうものです。

みなさん、こんにちは。ポルソナーレの谷川うさ子です。

 NHK出版から、築山節(つきやまたかし)が『フリーズする脳』(思考が止まる、言葉に詰まる・生活人新書)という本を出しています。
 「パソコンがフリーズするように、不意に思考が止まる、たびたび思考が停止する、人や物の名前が思い出せない、そういう空白の状態がつづくと、深刻なボケ症状になる」という主旨で書かれています。
築山節(つきやまたかし)は、「医学博士」「埼玉県立小児医療センター脳神経外科医長」「高次脳機能外来を開設」という立場の人です。
 築山は、なぜ、「脳がフリーズするのか?」の理由と原因について、こんなふうに書いています。

  1. 手術後にボケていく患者の治療に一定の成果を上げはじめたことが評価されて「高次脳機能外来」には、ボケ症状に苦しむ患者が多く来る。
  2. 彼らは、脳が壊れているのではない。しかし、脳の機能が低下している。
    ふつうの生活をしているのに、深刻なボケ症状に陥っている。そういう人がたくさんいる。
  3. 彼らの話を聞いて、分かったことがある。脳の使い方が偏っている。
    彼らは、「何か」をしなくなっている。
  4. 自分の考えをまとめて話せない人は、仕事上、マニュアル的な対応しかしていない。その他の場面では、ほとんど単語で話している。
  5. ボケの原則は、自分の脳を使っていない。もしくは使い方のバランスが悪いことが原因になる。
  6. 自分でしなくなっていることの何か」を別の誰かが補っている場合が多い。その誰かとは「パソコン」「インターネット」「携帯電話、カーナビ」などの道具のこともある。
  7. ボケ症状に苦しむ患者は、年々、若年化している。かつては40歳代、50歳代の人が多かったが、今は、20歳代、30歳代まで広がっている。
  8. 内容がうまく伝えられない、相手の話をしっかり聞かなければならないところで何となくボンヤリする。相手の話の内容をうまく捉えられない、言葉が記憶に残らない、自分の考えを伝えようとしてもそれがうまくまとまらない、単語しか出て来ない。これが「フリーズ」だ。
  9. 「理解する」「考えをまとめる」「相手の思考を読む」「感情を抑える」これらを総合して「自分の行動を決める」「それを意志的に、計画的におこなう」のが高次脳の機能の「前頭葉」だ。
    この「前頭葉」の機能が低下しているのが「ボケ症状」だ。
  10. 治療というより訓練で「ボケ症状」を治している。「脳機能」を回復させている。最近、話題になっている「音読」や「計算ドリル」も脳機能を回復させることに有効である。これを実践の中で確かめている。
  11. 脳機能を低下させて「フリーズ」を起こす要因の一つに、感情の問題がある。人間は、強い感情刺激を受けると、当り前に出来るはずのことができなくなる。これは、「感情系」に脳のエネルギーが集中して、「思考系」のエネルギーが落ちるからだ。
  12. 「感情系」は、大脳辺縁系(扁桃体や帯状回など)を中枢とする脳のより原始的な機能だ。人間は、脳の中に、意思とは無関係に働く「動物」を飼っている。この動物が刺激を受けて暴れようとしたり、逃げ出したりする。

 築山節(つきやまたかし)が、ここでのべていることで、一体、どこがおかしいのか?について指摘できるのは、おそらく日本はもちろん、世界の中でもポルソナーレだけでしょう。

 どこがおかしいのかというと、まず「脳の前頭葉」だとかが、「使われていない」という説明がおかしいのです。
 ロルフ・デーゲンの『フロイト先生のウソ』(文春文庫)の指摘によると、世界中の脳にかんする学者の調査では、脳は、どんなに異常なコトバや行動を生成して、あらわしていても、「つねに、いつも、どこかは使われている」と実証的に証言しています。


 つまり、「ボケ症状の人」も、「痴呆の人」も、「前頭葉」は使っているのです。築山のこのような「認知」や「認識」の歪みは、川島隆太らなどの「MRI」を使って脳の血流を調べた、という「発言」に依拠しています。「音読」や「計算ドリル」をやらせたら「前頭葉に血流が集まっていることが分かった」というものです。

 しかし、ロルフ・デーゲンの調査では、脳は、効率のいいコンピューターと同じで、使っているところの電流(つまり、脳でいうと血流のこと)は少ししか消費されない、という「MRI」のデータを示しています。川島隆太のいう「音読をさせたら前頭葉に血流が集まってきた」「計算ドリルをやったら血流が集まってきた」などというのは、逆にいうと、築山節(つきやまたかし)のいう「ボケの人」「痴呆の人」も前頭葉を使っていることの証明になるのです。

 ポルソナーレの「脳の働き方のメカニズム」の解明では、脳は、「病気の言葉と行動」も「健康な言葉と行動」の両方を生成します。すると、現代の日本人の「ボケ症状」や「痴呆症状」は、単なる「離人症」とか「意識の乖離」というもので、そのような「症状」をつくり出す「脳の働き方のメカニズム」をあらわしているにしかすぎません。

 築山節(つきやまたかし)は、なぜ、「前頭葉が使われていない」などと、見てきたようなウソを語るのでしょうか。築山は、脳を手術したり、治療をおこなう「外科医」です。つまり「ハードウェア」としての脳を専門に見る医師です。「ハードウェアとしての脳」は、機能的に分類して脳の部位を観察するというように理解されます。すると、「首から下の身体の器官の機能」と同じように見えるというのが築山の学的な立場です。そこで、「身体の筋肉と同じように、使われなければ衰えるのだろう」という「認知バイアス」を起こしたのです。この「認知バイアス」が「前頭葉」に注目して、「前頭葉が使われていない」「前頭葉が使われなければ、創造性もなく、計画性もないだろう」というような「負のバーナム効果」の「記号としての言葉」を次々に思いつきました。
 そして、「使われていなさそうな現実の場面」の「行動」を別個に、アイディアとして思いついて並べたててみた、というのが、築山節(たかし)がこの本を書いた手法です。

 これは、「願いのことを思いつづければ叶う」とか「そうじをすればお金持ちになれる」といった類の本を書いた「なになに博士」と全く変わらない「エセ科学」(者)らと同じ位置に立っていることになります。

 また、NHKテレビの司会をやって「脳科学者」を自称している茂木健一郎と同じ虚偽を語っていることにもなるのです。
 茂木は『文藝春秋』(5月号)の中で、「脳を臓器である」とのべているからです。臓器とは「内臓」のことです。脳は、脊髄から発達した中枢神経の集合体というべきもので、「胃」や「腸」といった内臓とは、はっきり区別されています。現代の身体解剖学では、そのようになっています。このことを知らない「脳科学者」というものが存在するのか?と問うとき、ここに「脳科学者」とくりかえしテレビのテロップに表示させている茂木に「多元的無知」が、今の日本の病理を大きなトレンドであることを見ることができるのです。

 「多元的無知」や「バーナム効果」は、「現実のものを見ているのに、しかし、見ていない」というグレーゾーンの分裂病をつくり出します。「現実の実体を見ていない」という「意識の乖離(かいり)」が生じます。つまり築山のいう「ボケ症状」のことです。築山のいう「痴呆」とは、まさに、築山のおこなっている「脳を、筋肉と同じと見なす」という言葉のことをいうのです。

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