全日本カウンセラー協会 ポルソナーレ

うさぎです。
ポルソナーレ 今の日本の脳の働き方と病気のリポート
「個人べつの病気と症状の傾向」 No.77
日本人の脳の働き方のしくみ
■日本人の「心の病気」の脳の働き方
■特集・性格と心の病気

みなさん、こんにちは。
全日本カウンセラー協会・ポルソナーレの谷川うさ子です。

●中学3年生の心の病いの実体

 平成20年7月19日に、埼玉県川口・父親刺殺事件が起こりました。この事件の容疑者は、中学3年生の長女(15歳)でした。父親を刺殺した動機について二つのことを語っています。一つは、「日頃、勉強しろと言っていた。うざったいと思っていた」、です。これは、夢の中で、家族に危害を加える父親を止めるか、怒りにかられて逆上して父親を攻撃した、という主旨がくみとれます。

 長女のこの供述の報道を読んで、どこかの大学教授は、「夢遊病の一種の病気が原因ではないか?」とコメントしています。動機に、合理的な整合性がないことから、もっとも納得しやすい理由を思いついたものと思われます。

 平成20年8月2日の日経の報道では、長女が最初の供述をひるがえしたと書かれています。
 次の二点です。
 「事件の当日は、12時ごろ寝たと言ったが、じつは寝ていない。ずっと起きていた。寝ないで、起きていた」。
 「事件の前日(7月18日)、学校からかかってきた電話に出たのは、自分だ。弟ではない。自分が弟になりすまして、姉は風邪で寝ているとしゃべった」。

 県警は、長女の供述を初めから虚偽が語られていると判断していたと思われます。事件の直後、弟と母親に事情聴取をして、事実の確認のための調査をおこなっているからです。弟にも「あなたは、姉の学校から電話がかかってきたとき、姉は風邪で寝ていると話しましたか?」と尋ねたにちがいありません。ここから、長女の話には、嘘が多いととらえられたと思われます。

●心の病いは、「うつ病」か「分裂病」の二つが基本です

 心の病いとは、基本的には「うつ病」か「分裂病」のことです。全ての心の病いは、この長女の事件についての供述に見られるように「事実」(現実の中での行動のこと)について、「虚偽」や「事実を隠す」というような発言の仕方をします。話せば、本当のことではなかったり、ウソになったり、虚偽を語る、という言いあらわし方になります。

 心の病気とは、本当のことを言わない、現実のことについて虚偽の言葉で話す、という脳の働き方をするから心の病気といえます。虚偽を語る、本当のことを隠す、というように脳が働くから心の病い、といいます。

●脳の働きから見た心の病いの作られ方

 脳の働き方のメカニズムとは、言葉を生成すること(長期記憶にする)、行動を生成すること(長期記憶の言葉が自立した行動を生成する)、この二つです。

 脳が生成する「言葉」とはどういうものか?というと、「記号としての言葉」、「概念」、「言葉の「意味」としての言葉」(概念の「意味」)の三つの要素のことをいいます。

 心の病気の言葉とはどういうものか?というと、「記号としての言葉」で言いあらわされる「右脳系の大脳辺縁系にある海馬」に記憶している「触覚の認知」が行動であらわされることをいいます。心の病気も、「左脳系の海馬」で記憶されている「記号としてのコトバ」を用いて「表現」されるのです。

●心の病いは「右脳系の海馬」が生産しつづけます

 「右脳系の海馬」は、何を記憶するのかというと、「右脳系の大脳辺縁系」の中にある「線状体」(不安を記憶する)、「扁桃核」(嫌い、好き、敵、味方の感情的な価値を記憶する)、「中隔核」(性的な快感、物や現実のことがら、他者を壊して、バッドイメージを快感に変える、SMなどの性的なイメージ、株式など目先の利益のイメージなどを記憶する)、といったことの「エピソード」を記憶するのです。
 これらの中枢神経のエピソードを記憶する「右脳系の海馬」が、いつ、どこで、何を、どのように、などの因果を想像して、「右脳系のブローカー言語野」に「イメージ」を表象させます。この「イメージ」にもとづいて、「左脳系の海馬」から「記号としてのコトバ」を想起して、「言葉」で言いあらわします。「行動を可能にする」ことが目的です。

●親の家庭教育の意義

 乳児、幼児、そして小学生の低学年までは、ほぼこのような「病気としての脳の働き方」で行動します。
 「言葉」を「概念」として憶えることができていないからです。
 だから、親の保護、監督のもとで「行動」が管理されるのです。「その行動は、こうせよ」から、「その行動には、こういう結果が待っているから、このようにせよ」というマネジメントがおこなわれます。これが家庭教育の本質です。

 小学4年生以降、子どもは「自我」が成長します。性的な機能や能力が育ってくることが「自我」の実体です。すると、性的な快感を「安心」のベースにした「右脳系の海馬」のエピソードが表象されやすくなります。そこで、「左脳系の海馬」に、「記号としてのコトバ」の一つ、一つに「コトバの意味」を「言葉」として憶えて、社会と適応した「行動」を成長させる必要があります。これができるようになった「脳の働き方」が「パーソナリティ」(性格)です。

●うつ病、分裂病の「性格」は、幼いものの考え方を小学4年生以降もあらわすこと、です

 すると、「うつ病」や「分裂病」の脳の働き方は、幼児、小学生の低学年のときと同じように、「右脳系の海馬」のエピソードをつねに「右脳系のブローカー言語野」に表象させつづけている人のことをいいます。こういう性格を、キャラクター(気質)といいます。

 したがって、「うつ病」と「分裂病」には、二通りがあります。
 一つは、パーソナリティの破綻タイプのうつ病、ないし分裂病です。これは、仕事をしていて、その仕事が突然に崩壊したことが原因で、「行動が止まる」という場合です。次の新しい仕事のための言葉が長期記憶として「左脳系の海馬」に無いので、「運」だの「ツキ」だの「気力」だのといった「右脳系の海馬」のエピソードの表象(ひょうしょう)に、それまでは、「概念」として憶えていた言葉を記号化してむすびつけるケースです。「商品擬装」などが好例です。

 もう一つは、気質性の「うつ病」「分裂病」です。パーソナリティの形成が親のマネジメントの欠如によってうまくいっていないことが原因の「うつ病」と「分裂病」です。小学生の高学年くらいから「人見知り」をしていた、友人とうまくいかなかった、人にたいして緊張していた、などをずっと引きずっていて、成人してもなお、破綻がつづくといったケースが「気質性の心の病気」です。

●心の病いをマネジメントする教育法とはこういうものです

 今の日本の若い世代の心の病気は、「気質性のうつ病、分裂病、そしてこの混合型の相互性の発病」という傾向になっています。

 対策は、親のマネジメントの欠如を社会教育としておこなって、学習によって、パーソナリティ化するというものになります。気質(キャラクター)中心の脳の働き方を「パーソナリティ」としての脳の働き方に変えることが必要です。
 ポルソナーレの「ワンマンカウンセラーコース」(初級編)のDVD通信教育は、「社会とは何か?」「人間関係とは、どうあるのが正しいのか?」などのテーマごとに順序立てて脳の働き方をパーソナリティ化するので、すぐれた効果と成果が期待できます。

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