みなさん、こんにちは。
全日本カウンセラー協会・ポルソナーレの谷川うさ子です。
●日本人の全員に広がる「うつ病」の実体
日本人の心の病いの「うつ病」が日常化しています。具体的な事例の一つが「小中学生の2年間連続、不登校の増加」です。
平成20年8月8日の日経に、文部科学省の「学校基本調査連報」(2007年対象)が報道されています。
2年連続で、不登校児が増えているとリポートされています。
●小中学生の「うつ病」
小中学生の不登校の理由は、次のとおりであるとされています。
一位…「なんとなく登校できない」「集団の中に入れない」など本人の「性格」にかかわる問題で学校に行かない(38・8%)
二位…いじめを除く「友人関係」で学校に行かない(18・4%)
三位…「いじめ」が理由で学校に行かない(3・5%)
「都道府県の教育委員会」のコメントは次のとおりです。
「人間関係をうまく構築できない子どもが増えている」(93%)
「欠席を安易に容認したり、嫌がるのを無理に行かせることはないなどと、保護者が考えている」(65%)。
「文部科学省の児童生徒課」のコメントは次のとおりです。
「学校に行くことを強く促すことが自殺につながるケースもあり、登校を無理強いしない、という保護者の意識が広まっている」。
●大人にも日常化している「うつ病」
一方、子どもではなく、「大人の、うつ病で仕事に行けない」という問題も社会問題になっています。自治体は、「うつ病」で「仕事に行けない」「仕事に就けない」という人のために「公的な支援制度」をつくって「支援」しています。8月10日の日経の「くらし安心」欄には、次のように書かれています。
- 「メンタルヘルス」(精神面での健康状態)の不調で一ヵ月以上「休職している人」のいる企業は6割以上である。3年前よりも約1割増えている。(上場企業など、大企業二百五十社を調査)。
「うつ病」の人の人数は、一社あたり平均「9・5人」である。
- 「重度のうつ病」で、長期にわたり社会生活への制約が認められれば、「精神障害者保健福祉手帳」が取得できる。
(国の制度。税金などが軽減)。
- 「障害者年金制度」。
1級、2級、3級の認定制になっている。「2級」の認定では、「年間・80万円弱」の給付が受けられる。
●場当り的な「うつ病」への「支援」
各都道府県の「地域障害者職業センター」では、「職場復帰支援」をおこなっている。(独立行政法人、高齢の障害者雇用支援機構)。
- 東京都障害センターは、年間40人程度を受け容れる。復職率は約8割。
- おもに「コーディネイト」をおこなう。患者本人、企業主治医の3者が「職場復帰の合意」をかわすところからバックアップする。3者の意見が一致しなければ復帰は難しい。
「うつ病」になった人の職場復帰の対策を独自におこなっている「企業」がある。
「富士通」は、社内に「メンタルヘルスサービス部」をつくり、「職場復帰」に取り組む。
- 一年前から、本人、産業医、上司の「三者面談」を取り入れた。
- 出勤の練習をうながすために、休職中の社員の交通費の実費補助を始めた。
JR札幌駅近くの「さっぽろ駅前クリニック」では、「サイコドラマ」による「職場復帰プログラム」がおこなわれている。
- 「東京サイコドラマ協会、スーパーバイザー」(磯田由美子)が、参加者から、その場で聞き取った「悩み」をもとに、「即興劇」をつくる。
- 参加者の男性(35歳)は、職場で忙しそうにしている上司に話しかけられないことがストレス。
プログラムの中で、忙しそうにしている上司役にも話しかけられない。
- プログラムで、男性と上司役が入れ替る。すると男性は、「上司は、部下からの報告で仕事が中断されても怒るものではない」という「心理状態」を体験する。
- サイコドラマは、認知の歪みを正す有効な方法である」(横山太範院長)。
NTT東日本関東病院(品川)の「職場復帰プログラム」をおこなっている「作業療法士・岡崎渉」、「秋山剛精神・神経科部長」の話。
- パソコンで企画書を作る練習をしている。
- うつ病で休職した患者ら25人が、作業室に「出勤」する形をとる。(参加者に合わせて、プログラムを個別に組んでいる)。
- パソコンや書類をつかっての細かい作業はストレスになるが、そのようなストレスとの付き合い方も学ぶことも重要だ。
「うつ病になる前よりも、自己管理ができるくらいになることが望ましい」。
●なぜ「うつ病」になるのか?については誰も理解できていない
■日本人の心の病いの「うつ病」の実体についての事例をご紹介しました。
この事例をとおして分かることは何でしょうか。
ひとつめは、「うつ病」とは、なぜ起こるものか?の原因が説明されていない。(支援はあっても、原因についての究明はおこなわれていない)。
ふたつめは、なぜ、このように、多くの日本人が「うつ病」に陥っているのか?の根本への考察がおこなわれていない。とくに「子ども」から「大人」へと「うつ病」が広がりがあることについて、誰も関心をもっていない。
三つめは、「年々増えている小中学生の不登校」は、明らかに「うつ病」であるのに、「親」がこれを許容していることの「うつ病の世代間の連鎖」について、「社会的な観点」からの問題意識が全く無い。
●「うつ病」で連続10年間、3万人以上の人が自殺している
さっとまとめてもこれだけのことが浮び上がります。これらのような問題意識をもてないことが、「うつ病」の終着点の、10年間連続で3万人以上の高い自殺率の推移を保存しているのです。
事例をとおして誰の目にも明らかであるのは、「うつ病」の具体的な局面は「対人関係」です。ここにはのべられていませんが、「人の目が気になる」「人と何を話していいか分からない」といった「対人不安」や「対人緊張」といったことが「うつ病」の心的な契機になっています。
●日本人の「うつ病」は「見る」「見られる」の対人意識が共通の原因
今の時代は、パソコンやケータイが普及していて、じかに「対人不安」や「対人緊張」を感じなくなっています。「対人不安」や「対人緊張」を感じざるをえない局面が、「学校」や「職場」です。
事例にあったように「上司への報告」をメールやネットをつかったブログなどでおこなうわけにはいきません。自分の口で、「言葉」をとおして話す、ということがおこなわれなければなりません。メールやブログなどで人とコミュニケーションをおこなうことを日常的な対人関係の仕方にしていると、「不安」なら「しゃべらなくてもいい」、「緊張」するなら、「相手からのメール、電話にも出なくてもいい」という安心の仕方、緊張の回避の仕方をあたりまえのようにおこないます。
一度でもこういうことをおこなって「安心する」「楽だ」と感じる人が「うつ病」を露出させるのです。
●対処療法ではなく、「社会教育」によって「脳の働き方」を変えませんか
このような日本人の「うつ病」の原因を示す実体を明らかにしているのが、ポルソナーレのDVD通信教育「ワンマンカウンセラーコース」(初級コース編)のカウンセリング・ゼミの講座です。
この中では、日本人の対人意識のしくみは、「見る」「見られる」という「距離のない対人意識でつくられている」ということをくわしく、わかりやすく説明しています。
「見る」「見られる」という対人意識は、「言葉の無い関係」のことでもあります。
「言葉の無い関係」とは、いいかえると、そこで話される言葉は、「記号性としてのコトバ」で、話される言葉の一つ、一つには、「社会的に通用する言葉の意味」は何も無いということです。
だから、メールやケータイのしゃべりコトバには、学校教育で教える「文法」や「文章としての正当性」は何もありません。「距離のない相手」ということが了解されない場合、「何を言いたいのか」「何のために話されているのか?」「どういう動機で話されているのか?」などは何も分かりません。
●「うつ病」をつくる「性格」は変えられます
これは、「右脳系の海馬」で表象されている欲望か、さもなければ不安が語られているだけのことです。こういう「性格」を「キャラクター」といって、原始的な生の感情を言いあらわす「ものの考え方」といいます。
このような「性格」(脳の働き方)を正しく改善するのが「ワンマンカウンセラー・コース」(初級コース編)のDVD通信教育の「カウンセリング・ゼミ」です。
どんどん広がっている「うつ病」の中で、いつの間にか「うつ病」のままに自分を崩壊させていくことを防ぐためには、ぜひ、学習をおすすめします。
「ご入会」のご案内は、こちらをどうぞ。https://porsonale.com/t7.html |