みなさん、こんにちは。
全日本カウンセラー協会・ポルソナーレの谷川うさ子です。
●ポルソナーレのゼミは、脳の働き方を変えるためのゼミです
ポルソナーレのカウンセリング・ゼミは、今、「脳の働き方のソフトウェアのメカニズム」を解明してレクチュアしています。平成20年9月現在は、「脳は、どのように話し言葉を生成するのか?」のメカニズムを解明しました。
脳の働き方のソフトウェアのメカニズムを正しく理解するには、「メタ言語」という学的な理解が必要です。「メタ言語」とは、実際に表現された言葉と、まだ表現されていない未表現の言葉とを区別して分かる、という言語の理解の仕方のことです。「メタ言語」の「言語」はこの時点ではまだ「言語」として表現されていないので「ものごとの分かり方」というしくみで説明されます。
●遠山啓の「幼児への数の教え方」と脳の働き方について
この「メタ言語」ということを、遠山啓(ひらく)の教える「幼児の算数」(国土社刊)の中の「子どもへの数(かず)の教え方」を例にあげて説明します。
ふつう、日本人は、子どもに「数(かず)を教える」というときは「数(かぞ)え主義」ということをおこなっています。ある教師から聞いた数(かぞ)え主義の教え方はこうです。
「サイコロをころがす。サイコロの目の数(かず)だけ、階段を登らせる」。
「子どもが、サイコロの目の数(かず)と同じだけ階段を登ることができれば、子どもは、数(かず)を理解して学習したことになる」。
しかし、遠山啓(ひらく)は、このような「数」(かず)の憶え方は「数(かず)」の暗算主義、数(かず)の唱え主義であるとして実害をもたらすと批判しています。「サイコロの目」が「6」であったとしましょう。ここで子どもは、何を理解したことになるのでしょうか?「6」という数(かず)の数称と、「6」だけ段階を登る、ということの二つを憶えたことになるのです。
このような教え方の問題は、「階段を6つだけ歩いて登る」という行動だけを可能にします。しかし、「階段」以外の行動はできないので、そのつどまた憶え直さなければならないという問題を抱えています。
「バス停で並んでいる動物のイヌ、ネコ、サル、ゾウ、ライオン、トラで『6』に当るのはどれ?」という問いにたいして、初めから数え直して、「6」と「トラ」とを暗記する、ということを憶え直すというのが「数(かぞ)え主義」です。
●日本人の数の教え方の「数え主義」(暗記主義)とその欠陥について
遠山啓(ひらく)の「数(かず)の教え方」は、「階段の1」も「バスを並んで待つ動物のイヌの1」も、「同じ1である」という「量」(りょう)を教えます。「量としての数(かず)」を教えるというものです。この「階段の1」と「イヌの1」を共通の量としてあらわすのが「チョコレートタイル」(タイル)です。
「チョコレートタイル」とは、厚紙で作ることができます。
「2センチ四方」の「四角の形」の1個が「タイルの1」です。この「タイルの1」は、「イヌの1」「階段の1」に対応するものです。「一対一の対応」といいます。子どもは、「1」(いち)というとき、この「タイルの1」を「右脳のブローカー言語野の3分の2のゾーン」に思い浮べます。
現実の実物を目で見たとき、子どもは「それがいくつあるのか?」という「数」(かず)を問われる場面では、実物の物を目で見ながら同時に「タイル」を思い浮べます。実物が「2つ」あるときは、「タイルの2」を思い浮べる、というようにです。
「リンゴ1」と「ミカン1」を目で見たときは、「1のタイル」を「2つ」、思い浮べます。
「タイルが2、だから、リンゴとミカンの数(かず)は2」というようにです。
●日本人の子どもに「うつ病」が多発してる理由とはこういうものです
「数(かぞ)え主義」とは、別の言い方をすると「丸暗記主義」のことです。ミカンとリンゴが二つ並んでいるという場面で、「くだものの2は、どれですか?」と問うと、「二つ目のリンゴ」を手に取って「これです」と示すのが「数え主義」(丸暗記主義)です。「量」(りょう)という認知と認識が脳の働き方の中に無いので、「丸暗記」したとおりに、「2番目の順序数」のリンゴを、「これが2です」という錯誤を起こすのです。
「タイル」とは、言葉に置き換えると、「言葉」の「意味」に相当します。
人間は、言葉の「意味」によって「行動」します。だから、「言葉」の「意味」を学習して憶えていない人は「行動できない」ということになるのです。この「行動できない」ということをさして「うつ病」といいます。
例
上る(のぼる)……「意味」低い位置から高い位置に移動すること
昇る(のぼる)……「意味」何かの圧力が加わって高い位置に変化すること
登る(のぼる)……「意味」人の目につくところに異動すること
●日本人は、「言葉の意味」を学習していないから「うつ病」と「分裂病」になります
ここでの「言葉」の「意味」が「水道方式」による「タイル」に当ります。日本人は、「言葉の意味」を憶えず「上る」「昇る」「登る」という漢字をただ読めて書ければよいという「暗記主義」で学習していることはご存知のとおりです。
仕事の場面では、「ここでは上るという字を書け」「ここでは昇るという字を書け」と上司や参考事例から指示されて「使う」という「行動」の場面を別途、丸暗記しています。
すると、「なぜ、昇るという字をつかって書きあらわしている?」「この登るという字の意味はどういうものか?」と問われると、「知りません」と答えるしかありません。この「知りません」が「うつの症状」です。
また、問いに答えて、自分なりにつくり上げた「解釈」の言葉と説明は、もともとの正しい意味とはまるで似ても似つかない内容(イメージ)になるでしょう。ミカン、リンゴが並べているのを見て「数(かず)の2はどれですか?」と問われて、勝手に解釈して「二番目のリンゴ」を手に取り、「これです」とさし出すことと同じ錯誤を行動にあらわします。これが「分裂病」の症状です。
脳の働き方のメカニズムでいうと、「暗記主義」は、脳のブローカー言語野の「3分の1のゾーン」で記憶しています。「3分の1のゾーン」とは、側頭葉に位置していて、「ウェルニッケ言語野」という「触覚の認知と認識」を中心に記憶します。実物の物と自分には全く距離がなくて、「水を飲んだ」「食べた」ということと同じ次元の触覚の記憶を成り立たせています。
●脳の働き方のメカニズムから見ると「うつ病」と「分裂病」はこのように働いています
ところが、「タイル」とか「言葉の意味」は、ブローカー言語野の「3分の2のゾーン」で記憶するのです。「3分の2のゾーン」とは、「側頭葉」から「頭頂葉」にかけて分布する記憶の中枢神経の群です。「頭頂葉」とは、自動車のナビゲーターのように、「距離」「角度」「方向」という空間認知と認識を記憶する領域です。だから、「リンゴの1」も「ミカンの1」も「同じ1である」というように「角度」を変えて分かることができるのです。
このような学習は、ものごとに距離をとって観察するという学習の仕方で成り立ちます。日本人は、この「距離をとる」という関わり方が全くできていないので、自分の身体にベッタリとくっつけて接触して取り込む、という「記憶の仕方」しかできなくなっているのです。
それは、「人が自分を見ている」「自分は、人から見られている」という対人意識の「距離のない関わり方」がつくり上げた脳の働き方です。すると日本人の「脳の働き方」は、基本的に「うつ」の脳の働き方をしていることになります。
ここに、「父親不在」という現実との関わりとその言葉が記憶されていないときに、記憶のソースモニタリングの必要から「自分なりの恣意的な解釈を加える」という「意味」の作文がおこなわれます。これが「分裂病」の始まりです。
●日本人が脳の働き方を正しく変える必要と目的とはこういうものです
このような「うつ」と「分裂病」をつくる脳の働き方は、遠山啓(ひらく)の「水道方式」を見ても分かるとおりに、適切な学習によってしか変えられません。ポルソナーレのカウンセリング・ゼミは、「うつ」や「分裂病」をつくり出す脳の働き方を変えるための学習です。
●学習をご希望の方は、こちらからお問い合わせください。
https://porsonale.com/t1.html
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