みなさん、こんにちは。
全日本カウンセラー協会・ポルソナーレの谷川うさ子です。
『新潮45』(2008・11)に、今の日本の「世界同時不況」にちなんだいくつかのリポートが載っています。そのいくつかのうちのリポートから、要旨をご紹介します。
●「悲観疲れ」はもうやめよう。本当に悪いか、日本経済(潮田道夫、毎日新聞論説委員)
- 変化への対応力。これが変転極まりない21世紀を生きのびるためのキーワードである。世界中がどうしたらその能力を獲得できるか、苦吟している。日本人にその能力がありや。あれば、先行きを悲観する必要はない。
- ニクソン・ショック、石油ショックを乗り切り、プラザ合意後の円高を克服したように、日本はたくましく未来を切り開いていくだろう。
問題は、バブル崩壊後の「失われた10年」(15年説もあるが)以来、「変化への対応力」を失ったのではないか、ということだ。
もちろん、そんなことはないのである。日本経済の特徴である危機をバネに再生する能力は健在なのだ。
- 第一生命の森田富次郎会長は「生命保険業界=シロクマ説」を唱える。シロクマは、地球環境温暖化で猟場の氷原が急減しているために、2050年には個体数が3分の1まで減りかねない絶滅危惧種である。
生命保険もまた、保有契約高からみて、96年のピークの7割に落ち込み、盛り返す気配がない。シロクマと同じではないか、というのである。
- もっとも、そんなことをいえば、日本のほとんどのビジネスがシロクマということになってしまう。
- 96年という年が分水嶺だった。
15歳‐64歳の生産年齢人口が減り始めた年だ。新車販売、百貨店、スーパーも、食品や飲料もこれを境に下り坂だ。
このトレンドは止まらない。50年ごろの日本市場は今の半分になる。自分がシロクマだと自覚していない日本企業は滅びるだろう。
- おそらく第一生命が視野に入れているのは海外市場での展開だろうし、あるいは国内でもギブアップした金融機関も飲み込んでしまおうというものだと思われる。人口減少で猟場が減るのなら、新天地をみつけなければならない。
- とにもかくにも、現代という時代の足の速いこと。サブプライム・ローン問題に端を発する金融危機で、米国の経済覇権は「終わりの始まり」を迎えた。
国際金融界のスーパースター米国の投資銀行(企業向け証券会社)は、あるものは破綻し、あるものは買収され、そうでなかったものも「普通の銀行」に衣替えしたのだ。米国型金融モデルの終焉。
「帝国」アメリカの黄昏だ。
- 日本の弱点はサービス産業、ことに金融部門の生産性の低さにあったからこれはチャンスだ。
ただ、金融は、経済の牽引車にはなれない。なろうとすれば、今回のような金融危機が発生するだけだ。
- 世界の製造業にたいする先端的な部品、原材料の大供給基地となった日本は、資本主義の王道を歩んでいるのである。
●危険なるオバマの戦術 (徳川家広、翻訳家)
- ついに金融メルトダウンが始まった。ここで注目するべきは、アメリカ政府が打ち出した総額7000億ドルの大規模金融支援が議会を通過するのに一週間もかかったという事実だろう。
- じつは、アメリカ国民の大半が住宅バブルの恩恵に浴していないことを考えると、そのバブルであくどく儲けてきた金融界の救済に公的資金を投入するには、最悪のタイミングである。
バブルに乗り遅れ、サブプライムでババを引いた一般のアメリカ国民の反感を、絹のように滑らかな雄弁でもって掻き立てていたが、バラク・オバマ候補だ。
- オバマ候補は、今やアメリカ人の多数を占めるに至った「負け組」の怒りの火に油を注ぐためにだけ演説をおこなった。それで目指したのは、経済をブッシュの任期中に思いっきり悪くして、次期大統領となった暁に、強大な指導力を発揮するというシナリオだろう。
- だいたい、現職のブッシュの8年間にしてからが、その本質は、クリントン時代に育ってはじけたハイテク・バブルの後始末をえんえんと先送りするというだけだった。そのブッシュによる先送りに限界の見えてきた今日、オバマは、不況という名のバレーボールを、なんとか相手方のコートに打ち落そうとしているのである。
- だが、オバマ次期大統領が実行するであろう「ニュー・ニュー・ディール」が経済回復をもたらす可能性は、実はかなり限られている。べつに民主党左派でなく、誰が大統領になっても、その辺は同じなのだが。というのも「バブル」には「ソフト・ランディング」は無いからである。
- 仮に、ソフト・ランディングを目指すとすれば、資産価格がバブル前の水準までえんえんと下がり切るまで、だらだらと低経済成長率をつづけるしかないだろう。日本が「失われた10年」でとった同じ政策だ。意外にも、あれでクラッシュの回避には成功していたのだ。
- 思えば、1929年の大不況でも、それまで危うい繁栄を謳歌していた大赤字圏が一つ、大量の資金流出に直面して、沈没している。ワイマール・ドイツである。そしてワイマール体制のきわめてリベラルな憲法のもと、危機を収拾すべく登場した新しい指導者は、ドイツの有権者の反感を煽りたてつつ、経済再建の大胆な施策を次々と導入していった。
その指導者とは、言うまでもなく、アドルフ・ヒトラーである。
●傲慢ヤマトよ、アイヌに学べ (柳田邦男、作家)
- 1980年代後半に出現した銀行や証券会社や開発企業に先導されたバブル経済は、「拝金主義」を爆発的に浸透させた。
- 強大なアメリカ経済主導のグローバリズムの波に呑み込まれた日本は、市場主義と規制緩和によって、勝ち組と負け組の明確な二極分化、企業の徹底した合理化、労働者の搾取につながる派遣労働の拡大が急速に進み、「拝金主義」はいよいよ広範に染み渡っていった。
- これは、日本だけの傾向でなく、アメリカの経済はもっと徹底した血も涙もない「拝金主義」に走っていった。
- そして、低所得者層に担保なしに住宅所得金を貸しつける虚構の信用経済で、一時的な景気膨張と投資熱を煽ったサブプライム・ローンの焦げつきに端を発した「アメリカ型バブル経済の崩壊」はついに、今秋の「金融危機」を引き起こすに至った。
- このモラルなき現代資本主義の体たらくは、英国をも巻き込み、イギリス国教会のウィリアムズ・カンタベリー大司教をして「マルクスは正しかった」と言わしめた。
「規制のない資本主義は実体の無いものに現実性や影響力を与えた」(マルクス)。
カンタベリー大司教の批判は、投資家がモノを生産する実体経済を離れて、巧みに描かれたフィクションに沿って得しようとする虚構経済が世界経済の動向を支配し、その挫折が善良な投資家に大損害をもたらしたものに焦点を当てている。
- カンタベリーは、この評論を『スペクテーター』誌に寄稿した(9月26日号)。
世界を覆う投機主義と労働者搾取の進行が一般の人々の心を荒廃させ、「拝金主義」に走らせていることに、宗教家として深い危惧の念を抱いたにちがいない。カンタベリー大司教に次ぐ地位にあるセンタム・ヨーク大司教は、9月24日、記者団に「投機家は、銀行強盗、資産収奪者だ」と呼んで批判したという。
- 欧米社会で、キリスト教系の高い地位にある宗教家が、「マルクスの学説」の一部とはいえ、評価したのは、極めて異例のことだ。
- 繁華街で遊んでいる女の子たちに聞いてみるがいい。「今、いちばん欲しいものは?」と。返事の第一位は「お金」だ。大人も子どももカネを欲しがる。
カネのある者は、さらに投機でカネを増やそうとする。勝ち組志向の人間は、他者を蹴落してでも勝ち抜こうとする。他者の存在や心情を配慮するなどというのは、全く無用のことだ。
賞味期限切れの食材を再利用して乳製品や生菓子を作るとか産地を偽装して肉やうなぎを売りさばくとか、有害物質の混じった米を通常米と装って転売するとか。金になる商売なら何でもやる、消費者が受け取る被害についてはまるで考えない。
日本人の心をこのように腐敗させたのは誰なのか。「それは日教組だ」などという馬鹿はいないだろう。
●では、今のあなたの心の不安と症状は、どう解決すればいいのか
ここにご紹介したいくつかのリポートは、現在と世界の経済社会の動向と、それが生み出す病理の実体の指摘が共通しています。
ポルソナーレは、リポートにのべられている論旨はそれぞれ最もなものだと考えます。しかし、だからといって個人の一人、一人がこうむっている心の病いの「痴呆症状態」が解消されるわけではありません。
●「お試しカウンセリング」のご案内
そこで、「お試しカウンセリング」のシステムをご提供しています。
「お試しカウンセリング」のシステムとは次のようなものです。
ステップ1・イメージ療法をおこなう(お困りの症状、不安などを即効で解消します)
ステップ2・効果を確かめる(不安などが消えたところで、自分のものの考え方(性格)が原因で、不安や症状をつくることをナットクしていただく)
ステップ3・原因を考える(生育歴や家庭環境に、不安や逃避をつくる性格(ものの考え方)の原因があることをナットクしていただく)
ステップ4・自分の現実の「経験同一化の法則」という「無意識の観念の運動」が、つねに症状を再生産することを理解する(今の生活パターン、行動パターン、対人意識のパターンが変わらなければ、再び、いつでお困りの症状、不安がつくり出されることをナットクしていただく)
ステップ5・ポルソナーレの「カウンセリング・ゼミ」の「カウンセラー養成ゼミ」か「ゼミ・イメージ切り替え法」のいずれかの学習コースを選ぶ。(お困りの症状、不安の具体的な対策、根本からの解決にむけての方法をご指導します)
ステップ6・イメージ療法の効果について、報告、ないし連絡のための次の面談なり、電話のカウンセリングを設定する。
●「お試しカウンセリング」のお問い合わせは、こちらからどうぞ。
https://porsonale.com/t10.html |