全日本カウンセラー協会 ポルソナーレ

うさぎです。
ポルソナーレ 今の日本の脳の働き方と病気のリポート
「個人べつの病気と症状の傾向」 No.99

いよいよ本格化する「グローバル・リセッション」(世界規模の景気後退)の中で、日本人の「再構築」とは何か?を教えます

■日本人が「再構築」しなければならないのは「言葉の能力」のための脳の働き方です

■誰も知らなかった言語社会学者・鈴木孝夫の教える「日本語教育」の秘密

みなさん、新年おめでとうございます。
全日本カウンセラー協会・ポルソナーレの谷川うさ子です。平成21年度の今年も、昨年に変わらないご支持と応援をよろしくお願いいたします。

● 迫りくるグローバル・リセッションとは、あなたにとってどういうことか?

平成21年度(2009年)の今年は、すでによくご存知のとおりに「グローバル・リセッション」(世界規模の景気後退)が、日本でも本格化する見込みです。昨年末に経済の専門雑誌の各誌が予測して特集しているとおり、失業率が高くなり、企業の倒産が増えていくと見通されます。
これは、日本の「バブル経済の崩壊」後のこれまでの「景気回復」は、「輸出主導」であったことによる不可避的なリセッションであるといえます。みなさまは、これからの「世界同時不況」に日本も巻き込まれていくにあたり、このことをつねに考えの前提におかれるべきであろうかと思います。

これまでの輸出主導型による日本の経済の一応の安定は、アメリカの「金融システムのバブル化」に依存していたものでした。欧州も、EUに独自の「バブル状態」をつくって、やはりバブルが崩壊しました。すると、「輸出」というパターンの日本の経済成長や回復は、「バブル」を前提にしてきたこれまでとは大きく違っていくだろうということが予測されます。
例えば、アメリカの場合はこんなふうです。

● バブル後の世界経済は内需中心に変わる。日本は行き場をなくしている

① オバマノミクスの核になる中期ビジョンは、おおさっぱに分類すると、次の5項目になる。
1. 税制改正
2. インフラ整備
3. クリーンエネルギー
4. 医療改革
5. 教育

② 「税制改革」とは、中間層の減税などの優遇措置のことだ。
高額所得者は、増税の対象になる。

③ アメリカは、医療技術や施設を誇る医療大国だが、一方では医療保険に未加入の国民が4,700万人もいる。オバマは、公的な医療保険を創設するだろう。

④ ミネアポリス市で高速道路の橋の崩壊事故(2007年8月)は、アメリカの道路インフラの老朽化を象徴する。橋だけでなく、道路を含めて補修工事が全国的に必要とされている。

⑤ クリーンエネルギーとは、バイオマス、風力発電、太陽熱などの代替エネルギーのことだ。
外国産石油への依存を低めるために1,500億ドルをつぎこむと公約している。

⑥ 教育制度の改革とは「若者が、グローバル経済の中で競争力を持つためには、教育問題にとりくまなければならない」、というものだ。
「教育問題は、経済問題である」とする立場に、オバマは立つ。
教員の給料アップ、学校への支援(校舎の改築を含む)をオバマは表明している。このような支援と引き換えに、教師のアカウンタビリティ(説明責任)を要求している。
(「オバマ新大統領は、経済危機をどう乗り越えるか」石川憲幸(のりゆき)、在米ジャーナリスト、『エコノミスト』(臨時増刊号、2008・12・22号))

アメリカの「バブル経済崩壊後の再構築と調整」がこのようなものだとすると、EU(欧州)も同じような軌道をたどるということになります。「輸出」を中心にして日本の国内の「第二次産業」や「第三次産業」を空洞化させてきた日本も、やはり、国内の実体経済をテーマにした「内需」が、調整と再構築の対象になることは明らかです。

● 日本の「内需拡大」の投資の対象は「人材育成」であることのこの根拠!!

次期大統領のオバマが、アメリカの内需創出に「教育問題」をあげているのは、「人材育成」が重要視されているからです。日本には、この「人材育成の問題」は何もないのでしょうか?
社会言語学者・鈴木孝夫は、日本人の言語観と、日本語についてこんなふうに書いています。

① 世界には、約6,000種の言語がある。この多くの世界の言語は、ほとんど「ラジオ型言語」である。しかし、日本語だけが唯一の例外で「テレビ型言語」である。

② 「ラジオ型言語」ということは、「話し言葉」の中にコミュニケーションとして伝わる「言葉の意味」が含まれることをいう。しかし、日本語の中にはこれがない。

③ 日本語が「テレビ型言語」であるというのは、「化学」と「科学」というような「同音類語」(漢字)がたくさん存在することをさしている。
フランスの言語地理学者「H・J・ジリエロン」は、「同音語というものは、その言葉が、耳で聞いて用いられる文脈で混同される恐れのないときはその存在は許されるが、意味が混同される恐れのある場合は、どちらか一方の語が姿を消す(『同音衝突回避の原理』)とのべている。この『同音回避の原理』は、広く知られている法則である。

④ しかし、H・J・ジリエロンは「日本語だけは、世界でも唯一の例外である」と説明している。

⑤ このことは、日本人は「話し言葉」を話すときは、相手の話す言葉の「意味」を思い浮べるのではなく、「漢字」そのものを思い浮べることによる。これをさして「テレビ型言語」という。

⑥ 日本人は、明治以降、「ローマ字礼賛」がつよかった。国際性のある「ローマ字にすべきだ。漢字を無くすべきだ」と、言語学者、研究者が主張して、国際教育審議会などで取り上げられて、「漢字全面廃止」が決まった。そこで、近い将来、「漢字を全面廃止するまでの間、当座の用を足すための当用漢字」を決めた。
それが「当用漢字」ということの内容だ。

● 日本人が「言葉の意味」を知らないこの恐るべき真実!!

「言語社会学者」の鈴木孝夫は、日本人は、もともと明治の初めから「漢字」を無くして、「ローマ字だけにする」という言語観をもっていて、第二次大戦後、「当座の用を足すための漢字」を決めて、現在に至っている、と説明しています。

このことは、日本人の多くの人が、それが学校の教職者であっても「漢字」の読み方や書き方は知っていて、憶えてはいても、しかし、「漢字」を「概念」としては理解していない、だから「漢字」(概念)の『意味』は誰も知らないということの背景になっています。鈴木孝夫が「日本語は、テレビ型言語である」というのは、「日本人は、言葉をテレビ型言語として用いている」という主旨です。
欧米人の話す言葉は、「ラジオ型言語」です。「話すこと」「書くこと」の言葉の中には、「言葉の意味」が正しく伝わるように表現されているということです。なぜか?というと、人間は、「言葉の意味」によって「行動する」からです。日本人は、学校教育の中でも、ふだんの日常生活の中の人間関係の中でも、「漢字」を概念として学習していないので、げんみつな意味での「言葉」の『意味』を中心にものを考える、そして「行動する」ということはありません。

● 日本人は、言葉の意味を考えないのに、なぜ専門職に就けているのか?

このように説明しても、「しかし、それでも日本人は、毎日、ひとりで考えて行動しているではないか」「人と毎日、話して会話してもいるではないか」と疑問に思う人もいるでしょう。これは、「言葉の意味を知っていること」と「言葉の意味を知らないこと」の二つがあるということです。「知っていること」とは「命じられて行動していること」と「自分の感情や欲求にもとづくこと」の二つです。
「知らないこと」とは、「オバマ次期大統領」が学校教師に求めている「説明責任」にかんすることです。

「なぜ、抗うつ薬は分裂病の薬は治るといえるのか?」「薬を飲んで、10年も経つのに全く働くことができないのは、なぜなのか?」「心の病いになっている子どもを、放置して悪化させているのは、どういう理由なのか」「大学生が、学校でも大麻を売ったり買ったりしているのは、なぜなのか?しかも逮捕者まで出ているのに、なぜ彼らとその親は原因を究明して対策を講じないのか?」。
これらのことは、ごく一般の問題です。少なくとも「人材育成」という観点から見ると、「逃避」や「依存」や「甘え」の行動で社会参加の行動が止まっている「若い世代の人々」が多く存在していて、まわりの人も「どうにかなる」と放置していることは事実です。

「うつ病」の内容が分からない医者の存在、言葉の意味が分からないのに子どもの教育にかかわっている学校教師、心の病気の症状の原因が分からないのに「カウンセリングをおこなっているエセカウンセラー」などの存在は、全て、「言葉の意味」を学習していないし、憶えてもいないことに起因しています。

● 日本人にとっての「バック・トゥ・スタンダード」は「人材育成」

すると、日本人が迫りくる「グローバル・リセッション」を前にして再構築すべきことは、明治以前の日本人のもっていた「言葉の意味を分かる」という「バック・トゥ・スタンダード」(原点に戻ること)であるでしょう。

鈴木孝夫の指摘によれば、日本人の「言葉の意味をしゃべらない」という「テレビ型言語」による行動の仕方は、学校教育の制度もふくめて、あらゆる社会の制度やシステムに貫徹しています。「世界同時不況」は、日本人にとって「再構築」ではなくて、「座して死を待つ」という諦めと「自己妄想」の中へのますますの逃避の現象として快美感に満ちたものであるのかもしれません。

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