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クマ江さん |
日本人の行動を可能にするのは『丸暗記』。 ところが『丸暗記』は「認知バイアス」という心的異常をつくります。自分が記憶したものは事実であるとする思い込みのことです。 次に、「確認バイアス」という心的異常が生まれます。二つの無関係のものを、一方が原因、一方は結果と考える心的異常です。 ここから「肯定面バイアス」というものごとの否定面を見ない心的異常に進むと、依存症などの病気がつくられます。 そこで、あなたに、ポルソナーレのマスターカウンセリングをご紹介!! (熊野クマ江) | |||||||
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クマ江さん |
《ポルソナーレのマスターカウンセリングのプレビュー》●個別の相談の事例「私は調理見習いです。 男の料理人に憧れて、この道に入り、3年が経ちました。仕事が憶えられず、家に帰ると一人寂しく、憂うつになります。 無気力な私は、これからどうなりますか?」(男性、20歳) (川島一彦(仮名・20歳、男性)、料理店勤務。埼玉県川口市戸塚鋏町) (謹告・相談者は仮名です。住所、職業、団体も仮名です。相談の内容も合成し、再構成してあります。特定の個人の相談、悩みとは、一切、無関係です) ①私は、ある大きな料理店で、調理の見習いをしています。 3年目を迎えて、見習いの身で修業をつづけています。 仕事は憶えることが多く、昨日教わったことが思い出せず、お前、何をやっているのか?といつも怒られます。 私は、自分の性格の長所は、勘の働きが鋭い、よく気がつく、他人に対して親切である、常に協調して融和的である、そして反省的であることだと思っています。 しかし、私のこの利点はいっこうに活かされず、発揮もできないので、性格上の悪い所が目立っています。 性格上の悪いところとは他の人の視線を異常に気にすることです。 この私の性格の悪いところは、仕事を憶えられないことから来ていると思っています。このことを考えると、これから仕事をしていく上で非常に不利になるので、無気力になります。 ②私は、仕事をするのは好きなので、仕事にたいして無気力になることはありません。 仕事で命じられたことは、喜んでいっしょうけんめいに、明るく取り組みます。 しかし、仕事をしている時、果して今自分のおこなっていることは、正しいことをおこなっているのか?と自信がなくなります。命じられた仕事をやり終えて、終わりましたと報告するのですが、ここでも、命じられたとおりに正しく完成しているのだろうか?と不安になります。 ここが出来ていないぞとか、なんだ、ちゃんとやれていないじゃないか、などと指摘されることはありません。なぜ、私がこんなにも不安になるのか?というと、これで頼まれた仕事は完ぺきだ、こんどは自信がある、非常にうまくいったと思うときに、先輩から、この大事なことが抜けている、と指摘されることがあります。 その指摘されたことは、これまで何度も点検してもらって、一言も「ダメだ」とは言われなかったことなのです。 たぶん、先輩は、これまでもダメだとは分かっていたのに、放置して指摘せず、先輩が黙って修正していたに違いありません。 あるいは、その「ダメだ」というところが見過されてしまい、そのまま製品になり、客の支払う高い料金の中に吸収されていたのかもしれません。 このことを思うと、私は自分の記憶力の無さがそら恐ろしくなりすっかり自信がなくなります。 ③無気力になると、家で一人でいるととても寂しくなります。このままずっと一生、一人ぼっちではないかという妄想じみた不安にもとりつかれます。もっと精神を強くしようと「人生の名言集」などの書いてある本を買ってきて読むのですが、数日間はやる気も出てきます。しかししばらくすると、元に戻って憂鬱になります。すると、将来、結婚などとても無理なのではないかと寂しさがつのって不安になります。このままでは、どこかで自分はダメになるのではないか?この記憶できない障害のせいで、知らないうちにとんでもない失敗をしでかすのではないか?とそればかりを恐れて、怯えている毎日です。こんな私に、どのような心構えで、どのような行動をとればいいのか?を教えていただけないでしょうか? |
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■ポルソナーレのマスターカウンセリングをご案内します
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クマ江さん |
うさ子さん、相談の事例の中心の問題は、憶えられない、記憶できないということですね。 人間は、ちゃんと学習すると、どんなことでも学習の結果、憶えられるということでいいんですよね。 だから、この相談者へのアドバイスは、諦めないで、学習をつづけなさい、記憶力を伸ばす訓練を休まずにおこないつづけましょう、ということになりますか? |
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残念ながら、脳の働き方からみると、とくに日本人の脳の働き方は、憶えるとか、記憶するということには向かないようです。 日本人の使う日本語は、『文法』といういいかたをすると、已然(いぜん)と未然(みぜん)という主観でなり立っています。これは、自分自身の欲求にとって、ものごとがどう見えるか?という認識のための『文法体系』です。 これを主観の脳の働き方といいます。 このように働く脳の言語野は『ブローカー言語野』の『3分の1』(X経路支配、副交感神経支配、時間性の心的領域)です。 この言語野は短期記憶を本質とするので、憶えたと思っても、すぐに忘れるのです。 だから、相談の事例の男性は、調理の仕事の見習いの段階で、憶えられない、記憶できない、という脳の働き方がつくる障害にぶつかっているのです。 |
うさ子さん |
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クマ江さん |
●日本人のマル暗記の脳の働き方でも、相談者の男性の調理の先輩は、仕事を憶えているよね。同じ日本語で、同じ日本人でもあって、そして相談者と同じ仕事のことをすっかり憶えていますね。 すると、相談者の男性も、しんぼうして同じことを何年もつづけると、先輩と同じように憶えられる、記憶できるということではないんですか? | |||||||
よく、体で憶える、体で憶えろ、頭に叩き込め、頭に詰め込め、という言い方をしますね。 相談者の先輩は、この、体で憶える、という憶え方をしています。 これは、『マル暗記』という憶え方です。自分が関わって行動するという対象を行動可能なように憶えるという暗記の仕方です。 この『マル暗記』は『思考する』とか『説明する』とか『ものごとのよしあしを判断する』ということとは全く別種の、知性とは無関係の脳の働き方です。 だから、マル暗記で仕事を憶えた先輩は、見習中で、仕事を憶えるのに苦労している後輩である相談者に仕事を言葉で教えたり、説明するということができないので、この職場の先輩と後輩は仕事を共同体の次元で共有できなくて、お互いに、心的に孤立するという心的異常が発生しているんですよ。 |
うさ子さん |
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クマ江さん |
●マル暗記では、記憶できない対象がある
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仮に、脳の働き方をコンピュータに喩えるとします。するとハードウェアという言い方が可能です。脳の働きにもハードウェアに喩えられる機能があります。 目で見る、耳で聞く、手で触る、という知覚や感覚によるものごとの認知のことです。 この脳のハードウェアの働きによる認知は、ものごとの客観を認知します。認識でも理解でもなく、ただ『げんに、今、ここにある』ということを分かる、というのが認知です。 だから、相談者も、調理の実習の中で、先輩がおこなっている仕事の対象を、これが憶えるべき対象である、と認知することはできるのです。 そこで、先輩諸氏はどうして憶えるのかというと、自分の行動の対象として、ひたすら、手で触れる、舌で味わう、色や形を見て目印を憶える、匂いも憶える、というように、人間の脳のウェルニッケ言語野という触覚の記憶の言語野をつかって知覚という物性物理の次元で憶えるのです。 これは、手で触ってみて、それが何であるか?ということが分かるものに限って、暗記が可能です。 だから、物の次元のカテゴリーとかベクトルという空間構造は記憶が可能です。 しかし、どういう順序で?とか、どういう法則で?とか、どういう規則によって?という空間概念は、手に触れません。触角の知覚では知覚できません。 だから記憶できません。 どういう順序や手順で?どういう理由で?なぜこうなるの?ということは記憶できない、憶えることができない、だからマル暗記なのです。 |
うさ子さん |
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クマ江さん |
●欧米人は暗記、日本人はマル暗記の違い脳の言語野には、客観を分かる言語野と、主観を分かる言語野の二つがあるんでしたよね。 原則として、欧米人は、客観を分かる言語野で言葉を憶えている、しかし、日本人は主観を分かる言語野で言葉を憶えていて、客観を分かる言語野は働いていないってことでしたよね? |
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それは、言語の文法理論から見た場合の原則です。 したがって、客観ということの言語表現の訓練をした人は日本人でも、マル暗記ではなくて、知的思考が可能になります。その代表的な人が吉本隆明さんです。 したがって、欧米人でも客観のための訓練をしない人は、誰であっても、どこの国の人であっても、ひどい主観による思考と行動をおこなうようになります。その典型がマイケル・ルイスが『世紀の空売り』(文春文庫)でルポの対象としているウォール街の投資銀行のリーマン・ブラザーズ、モルガン・スタンレー、ベア・スターンズ、ソロモン・ブラザーズなどのCEOです。 |
うさ子さん |
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クマ江さん |
●暗記、マル暗記がつくる心的異常
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仮にハードウェアという言い方をすると、ハードウェアとしての脳が認知した客観の行動対象を、自分の『欲』にとって、という憶え方をするのが『暗記』です。欧米人の主観による憶え方です。 日本人は、自分の『欲』の実現のためには憶えないので『マル暗記』です。 日本人は、自分の行動の実現のためにだけ暗記します。欧米人の中でも、ドイツ人だけは、日本人と同じように、自分の行動可能を目的とした暗記の仕方をします。 そういうことをマイケル・ルイスが『ブーメラン』(文春文庫)で取材した結果を書いています。 |
うさ子さん |
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クマ江さん |
日本人は、『欲』の実現の代わりに、認知バイアスをつくり出して喜ぶんでしたよね? |
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マイケル・ルイスによると、ドイツ人は、欧米人一般と同じように、やはり自分の『欲』を志向して他者の『欲』に引きずられる、といっています。 しかし、日本人は、認知バイアスをつくるので行動が止まるのです。 欧米人は、とにかく『欲』の実現のために主観の論理をつくり出します。その典型がサブプライム・ローンによる金融システムのバブルとその崩壊です。 日本人は、客観の対象を主観で解釈するので、その客観の対象を壊すという心的異常をつくり出します。 |
うさ子さん |
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クマ江さん |
●正常な脳の働き方のための対策は「抽象名詞文」をつくることですすると、対策は、ポルソナーレがレクチュアしているマスターカウンセリングの方法の抽象名詞文を作成して脳の働き方を客観にシフトすること以外にはないですね。 |
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