●「秋葉原、無差別大量殺人事件」の本質は「誰でもいいから人を殺す」の言葉
みなさん、こんにちは。全日本カウンセラー協会・ポルソナーレの谷川うさ子です。
平成20年6月8日、日曜日に起きた「秋葉原、無差別殺人事件」についてお話します。ポルソナーレのカウンセリングの考え方からは、この事件は、「うつ病」によって引き起こされています。「原因は何か?」について多くの人が関心をもっています。
ポルソナーレのカウンセリング・ゼミも関心をもって、原因を究明しました。得た結論は、「うつ病」がつくり出した「うつ破り」が原因です。
●「うつ病」の内容とはこういうものです
「うつ病」という心の病いについてどう定義するかは、ポルソナーレ以外では、いろいろにいわれています。いくつかの特有の症状を観察して、いくつかの症状のうち大半が該当していて、それが一定期つづけば「うつ病」と診断されています。
ポルソナーレのカウンセリングは、社会教育をおこなうことを方針にしています。
したがって、「社会」と適応できるか、どうか?を病理の診断基準にしています。「うつ病」の診断基準は、「現実の社会から孤立しているものの考え方と行動パターン」があるか、どうかです。
「うつの行動」は、具体的な行動にあらわされます。「働かない」「遅刻する」「約束のことを守れない」「朝、起きることができない」などです。
また、「うつ」の行動は、社会的な事柄(仕事、学校の勉強、人間関係などです)と関わりをもっている場合、その事柄の中身がよく分からないのに形だけ関わっているという場合にもあらわれます。「中身にたいしての孤立」のうつ病です。
なぜ、「うつ病」が起こるのか?というと「ものの考え方」がつくり出します。「仕事をする、もしくは勉強をする、という自分の行動は、ただちに、即・快感をもたらすものでなければならない」という思考のパターンです。
これは、脳の働き方のしくみを解明するとよく分かる病気です。脳の中には、言葉がそのまま在庫のようにつめこまれているのではありません。
そこで「メタ言語」という言語学の方法で「脳の働き方」イコール「ものの考え方」というメカニズムを解析して明らかにします。
例をあげて説明します。
あなたに好きな恋人ができた、とします。仕事が終わってからまた会えることが予定されています。このような状況では、仕事も楽しく感じられるでしょう。
これが「うつ病」の原型です。
恋人と別れることになったとしましょう。楽しいイメージが消えます。この楽しいイメージは、「右脳系のブローカー言語野」に表象されていました。それが消えました。仕事がつまらなく色あせて灰色に感じられる人もいるでしょう。これが「うつ病」です。
なぜ「うつ病」か?というと、もともと「仕事の中身を分かることができていなかった」ことが理由にあります。「仕事の中身」から孤立していたのです。
「秋葉原、無差別殺人」もこのような「うつ病」が抱えられていました。
「誰でもいいから人を殺す」ということを考え、実行にあらわすことは、どういう脳の働き方のしくみで起きたのでしょうか。
●「うつ」の求める「快感、楽しさ」には種類がある
人は、何によって「気分がいい」「おもしろい」「快感だ」と感じるかは、さまざまです。
「人のことを悪く言って気分がよくなる人」もいるのです。
人と会えば、つねに「グチ」、「不満」「悪口」などの話題をもち出す人もいます。時には、物を壊して気分がよくなる人もいます。
これが人によっては、なぜ「気分が良くなることなのか」は、脳の働き方のメカニズムがよく分かれば、理解されます。
「バッド・イメージ」というものです。
脳の働き方のメカニズムは、「右脳系のブローカー言語野」に思い浮んでいるイメージと、五官覚のどれかが、現実のものごとと結びつくとドーパミンを分泌する仕組みになっています。これは、必ずしも、人間の身体が現実とかかわっていなくても、現実にむすびついたことと同じ「意味のイメージ」を表象させても、同じことが起こります。正常域では、文学、そして、学問の論考、フィクション、やや分裂病のゾーンに入って「娯楽小説」「エセ科学」などが該当します。
●「バッド・イメージ」が「うつの快感」
「バッド・イメージ」は、幼い頃に親から叩かれたり、ののしられたり、ジャマにされたときの「記憶」の表象です。大人になって、「皿を割る」などの暴力的な行動で物を壊すと、幼い頃の「記憶」の表象と一致してドーパミンが分泌します。「バッド・イメージ」の記憶は、「親が放置した」「親が叩いた」「口汚くののしった」「親どうしがケンカをした」など、おもに、人為的な接触による不幸な「触角の認知」の記憶のことです。「右脳系の大脳辺縁系」の「扁桃核」や「中隔核」「線状体」などの中枢神経が記憶しています。
「秋葉原、無差別大量殺人事件」は、「母親」による「バッドイメージ」の記憶の体験が「楽しい」「快感」のドーパミンを分泌させています。
●「不幸な愛着」によって人間関係をつくれない
「乳児」の頃に、「母と子の愛着」という関係があります。人は、他者の行動のとおりに自分も行動する、という記憶の仕方から生まれる関係のことです。
イギリスの精神医学者「ボールビー」が提唱して、発展させました。アメリカの発達心理学者の「エインズワース」が『ストレンジ・シチュエーション』という状況をつくって観察しています。「エインズワース」によれば、「うつの状態」にある「母親」の「乳児」は、「0歳3ヵ月」から「母親に敵意を向ける」「母親との関係を拒否する」といった「不安定な愛着」の関係を示すと報告しています。
大人になると、「相手が不安定」になると「自分も不安定になる」などの感情表現をあらわします。
相手が否定的な感情になっても、修復したり、安定させようとはしない、という「ものの考え方」や「行動」を示します。相手が、正常かつ、社会的に価値のある行動を示すと、逆に反応して、嫌悪や拒否などの負の感情しかあらわさない、ということも観察しています。これが「愛着」ということの内容です。
「秋葉原、無差別殺人事件」の容疑者は、社会の中の人間関係からも孤立する「脳の働き方」を形成していたと考えられます。「人の話が分からない」「人の話を憶えられない」という「脳の働き方」です。
●「言葉の意味」を記憶できない「脳の働き方」が「うつの実相」
脳の働き方のメカニズムを解明すると、女性が、言葉と人間関係の能力を生成してきた、という起源が明らかになります。このことは、乳児にとって、母親が言葉と行動の記憶と生成の生の素材になるということを意味します。
「愛着」の一方の当事者の「母親」は、「言葉の学習」のための認知や認識の対象になるのです。
「不安定な愛着」をつくる「うつ状態の母親」は、乳児の言葉の生成の能力をバイアスに歪めます。言葉を記号としてしか憶えられなくなるのです。言葉の『意味』を全く記憶できなくなります。
人間は、言葉の『意味』によって「行動」します。
「秋葉原、無差別大量殺人事件」は、「仕事の言葉」の『意味』を分かることができず、記号としての言葉の号令や命令の話し言葉も聞こえなくなるという「うつ状態」に陥っていました。与えられている仕事の義務や責任という秩序を自ら壊して、孤立に陥り、この孤立の「うつ破り」として「誰でもいいから人を殺す」という「バッド・イメージ」による快感を求めて走ったのです。
●ポルソナーレのカウンセリングは、社会教育です。まず、脳の働き方から正しく健全にします。興味のある方は、こちらをごらんください。
https://porsonale.com/t1.html
参考:秋葉原連続殺傷(通り魔)事件
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