「仕事」という「行動」について考えてみましょう。仕事は、飲食業でも、宿泊業でも、敢行のガイドでもいいのですが、どの仕事にもいくつもの「行動の内容」があります。飲食業ならば、料理を作ること、料理の注文を受けて出すこと、片付けること、そうじをすること、衛生に気をつけること、そして、宣伝をすること、お金の管理をすること、収支を計算すること、生産の計画を立てて、これを観察すること、などです。もちろんこれだけですむはずもありません。これらの「行動」をおこなってようやく「楽しいこと」「自分にとって得すること」がもたらされます。この「楽しいこと」「自分にとって得すること」は、ただ「行動するだけ」ではもたらされません。
「競争する」というのは「市場」(マーケット)の公平な原則です。「競争」とは何のことでしょうか。「価値のあるものが評価される」ということです。「自由競争」とは、A、B、C、D、Eという同一の商品をテーブルの上に並べて、「さて、みなさん。どれが最も魅力的に感じて、みなさまの満足の期待に応えられるでしょうか?」という問いかけをおこなうということです。
これは「投資を求める」といいます。価値の象徴は「お金」です。
「お金」のことを「価値のフェティシズム」といいます。「とりあえず、お金という物資に仮託(かたく)させて、代理として機能してもらおう」というのがフェティシズムの意味です。投資することによって、A、B、C、D、Eのいずれかの「商品」は、その「商品」の実体としての価値を提供します。ポルソナーレの「カウンセリング」でしたらば「激動の社会の中にあって、心身ともに健全で、健康に生き延びていける」という知的な能力という価値を提供します。その結果、「みなさまに喜んでいただける社会教育法としてのカウンセリングというサーヴィスを半永久的に提供しつづけられる」という「大いなる喜び」を手に入れることができます。また「みなさまの心身の健康」という「利益」を手に入れて、ポルソナーレも「心身ともに健康でいられる」のです。
「働くという行動」は、一回だけのことではなく、「持続的に、反復させる行動のことである」ということをお話しています。
「酒を飲むこと」「男性が女性にちやほやされること」「男性が女性にDVという暴力をふるうこと」「多重債務になるまで金貸業者からお金を借りつづけること」などの「行動」と比べてみると、どこが違うのでしょうか。お分りのように「行動が終了した」という「行動」が「毎晩、毎晩、10時になると酒を飲みに出かけていく」などの「行動」です。「楽しいこと」「得すること」がその場限りの一回の行動で得られて、そして夢のように消えて無くなります。
脳の働き方のソフトウェアのメカニズムにおき換えて説明します。
「行動」は、「いつ」「どこで」「何を」「どのように」「どうした」という「言葉」の内容のとおりに完結します。この「行動」は「過去の行動」と「現在から未来の行動」の二通りに分かれることはすでにみなさまもよくご存知のとおりです。
「未来に向かう行動」は、「どのように」と「どうする」の言葉のパターンに該当します。
脳は、この「いつ」「どこで」「何を」「どのように」「どうする」、「どうした」の言葉のパターンを「記憶」します。
注1・「過去形の言葉」は「いつ」「どこで」「何を」「どうした」のパターンです。Y経路で「認知」します。「認知」とは「右脳だけの記憶」のことです。また、「認知」とは、「そのものが、そこにある」というように「分かること」のことです。 「食べた」「飲んだ」「触った」「見た」「聞いた」などが「認知」です。
注2・「未来形の言葉」は「どのように」と「どうする」のパターンです。X経路で「認識」します。「認識」とは「左脳」だけの記憶のことです。また「認識」とは、「Aなるもの」と「Bなるもの」とを比べて、比較した結果の違いにより、AかBかの対象の「性質」や「属性」「形状的な特徴」「性格」を区別して「分かること」のことです。
「「うさぎ」と「キリン」の違いはどのようなものですか?」という問いに答えてみましょう。正しい答えは、「キリンは首が長い」「うさぎは耳が長い」 「キリンは脚が長い」「うさぎは、ジャンプする力によって跳ぶ距離が長い」です。
「うつ病」の脳の働き方は「Y経路」の「どのように」(「いつ」「どこで」「何が」『どのように』)に該当する行動パターンが認知されていません。少なくとも「仕事」や「勉強すること」という行動対象の「どのように」に当る「行動」と「行動の動き」にかんする「パターン認知」が「右脳」に記憶されていません。しかし、「酒を飲む」「女性からちやほやされる」「毎晩、夜10時から2時まで飲み歩く」という「行動」は「記憶」されています。これは、「行動すれば、その日のうちに、即座に楽しいこと、得することが手に入る」という「行動パターン」の「認知」のことです。つまり「うつ病の脳の働き方のメカニズム」では、「行動することとは、すぐに自分が楽しくなる、そして、すぐに自分だけが得する」という「行動」と、その「行動パターン」(Y経路)が「認知」されて記憶されています。 |