●A=B、B=C、故にA=Cの推移律を学習するモデル
◎事例・Ⅰ
A・犬も歩けば棒に当る(概念)
B・意味(水道方式のタイルに相当する)
でしゃばると思わぬ災難に合うというたとえ。また、何かをやっていれば、意外な好運に出くわす、というたとえ。
現在は幸運説が主流だが災難説が本来の意味とされている。
犬もじっとしていればいいのに、うろつきまわるから人に棒で叩かれる目に合う、から生まれた。
C・設問
「犬も歩けば棒に当る」の用例(タイル)の三者関係の「実物」「現実の物」にあたるものとして、どれがよいでしょうか?
1.就職難だ。だが「犬も歩けば棒に当る」という。諦めるべきではない。
2.友人の山田三郎さんは、なかなかよい恋人に出会えない。「犬も歩けば棒に当る」と励ました。
3.日本は、輸出が不調になっている。「犬も歩けば棒に当る」で、輸出先を探すべきだ。
(正解…1です)
◎事例・Ⅱ
A・「一文惜しみの百知らず」
B・意味
わずかな出費を惜しんだがために、後に大きな損失をすること。目先のことにとらわれて、先を見通せない愚かのたとえ。
お金の一文を惜しんで、それが百文の損を招くことに気づかないの意から生まれた。
C・設問
用例として適切なものはどれでしょうか?
1.失業した。手持ちのお金が少ないので食費に回した。
電話代にして、支援を求めればよかったと後悔した。
2.失業した。ケータイ電話で友人にグチを言いつづけた。
ネットカフェからネットで職探しをやればよかったと後悔した。
3.毎日、憂うつな日がつづくので、気晴らしに、おもしろいマンガをたくさん買って元気をつけた。
新聞を毎日読んで情報を手に入れればよかったと後悔した。
(正解…1,2,3です)
◎事例・Ⅲ
A・縁なき衆生(しゅじょう)は度し難し(概念)
B・意味
人の意見を聞き入れない者は助けようがないということ。
縁は「仏像」のことだ。「衆生」は、生きとし生けるもののなかでも人間のこと。「度す」は「済度する」(さいどする)の意味。教え、導いて救うこと。
仏教から出た故事。仏縁のない者は、親切な仏でも救うことはできないといわれている。
C・設問
用例として適切なものはどれでしょうか?
1.心の病いになって薬に頼ればどんなアドバイスも効果がなくなる。
2.心の病いになって薬を服用している人が、薬を信用していれば、どんなアドバイスも効果がない。
3.心の病いになって、薬を服用している人に、家族が服用を強いればどんなアドバイスも効果がない。
(正解…3です)
◎事例・Ⅳ
A・「失敗は成功のもと」(概念)
B・意味
失敗しても、その原因をつきとめれば改善点が見つかる。失敗が次の成功への道をきりひらく、ということ。
C・設問
用例として適切なものはどれでしょうか。
1.世の中の成功者は、成功の数よりも失敗の数の方が多い。失敗の数だけ研究の水準が上がっていくという。
2.アメリカ発の金融システムのバブルの崩壊は、投資のあり方の失敗だ。教訓として学ぶべきは、人間に役立つことへの投資だ。
3.日本は、輸出が止まって経済の成長が後退した。「輸出依存」の失敗だ。内需への投資不在が教訓になる。
(正解…1,2,3です)
◎事例・Ⅴ
A・頂門の一針(概念)
B・意味
ものごとの問題点を指摘して不明を晴らすこと。相手の問題点を指摘して強くいさめることにも用いる。
「頂門」は頭のてっぺんのこと。ここに鍼(はり)を打つ鍼灸(しんきゅう)療法が効果的なことから生まれた。
C・設問
用例として適切なものはどれでしょうか?
1.現在のグローバル・リセッションは、日本人にとってグローバルとは何か?を考えるための「頂門の一針」だ。
2.振り込め詐欺をおこなう人は、自分はけっしてつかまらないと思っているようだ。だが、逮捕されている人も多い。「頂門の一針」は必ず訪れる。
3.エセ脳科学者は、自分の地位を利用して、不確かなことを本当らしく話す。しかし、いずれ真実が語られる日が来る。「頂門の一針」は必ず下される。
(正解…1です)
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